ワイン 化学特性,用途語,生産方法
定義
本品は、酵母 Saccharomyces による種々のブドウの発酵により得られるものである。
日本への渡来
日本に初めてワインが入ってきたのは16世紀の中ごろで、安土(あづち)桃山時代の南蛮貿易により、フランシスコ・ザビエルが山口の領主大内義隆(よしたか)に珍陀酒(チンタざけ)vinho-tinto(赤ブドウ酒)を献上した記録がある。織田信長や豊臣(とよとみ)秀吉もチンタ酒を珍重した。
日本でワイン醸造が行われたのは明治になってからで、1870~1871年(明治3~4)に山田宥教(やまだゆうきょう)が甲府の詫間憲久(たくまけんきゅう)と共同でぶどう酒を醸造した。以後各地でワインはつくられたが、原料の制約があり、第二次世界大戦前までは大きな発展はなかった。一方、1872年、東京の宮内福三が甘味ぶどう酒の製造を始め、これが日本人の舌にあい、製法も改良されて生産量は飛躍的に増大した。かつては多くの日本人はワインといえば日本的ポートワイン(現在はスイートワインとよぶ)を連想した。第二次世界大戦後、食生活やライフスタイルの変化に伴い、ワインの消費は、数度のワインブームを経ながら伸長し、生活のなかに定着してきた。国産ワインの生産量は、1990年代初めまでは年間2~5万キロリットル台で推移してきたが、赤ワインの健康に対する効果が広く浸透した結果、新たなワイン消費の拡大が生じた。このため1994年(平成6)からの4年間で生産数量は2倍以上に急増し、1998年には年間11万6000キロリットルに達した。その後、年間7万キロリットル前後まで減少し、ふたたび増加して2013年(平成25)には9万8000キロリットルとなった。また、この間の輸入外国産ワインの種類の増加と数量の伸びは目覚ましいものがある。2013年の果実酒類の販売数量は34万1000キロリットルで、成人1人当りの年間消費量は3.3リットルである(国税庁『酒のしおり』平成27年)。[原 昌道]
歴史
ワインのような果実酒は、果実が自然発酵することにより容易にできるから、穀物の酒よりもその歴史は古い。ブドウの栽培の歴史は紀元前5000年にさかのぼるといわれ、シリア、コーカサス(カフカス)地方の中央アジア民族が栽培を始めた。当時は雌雄異株の野生型ブドウVitis silvestrisであったが、長い栽培の歴史の過程で雌雄同株である両性花の栽培ブドウが出現した。最初の両性花ブドウはトランスコーカサス(ザカフカス)の農園で栽培されたといわれる。
ワインがいつごろからつくられたかは不明であるが、前4000年ごろ、ティグリス川中流に生活していたシュメール人がワインをつくり、飲んだことが、この地方の都市国家ウルクのウル王墓や遺跡から発見されており、これが『旧約聖書』の「創世記」にあるノアの箱舟の物語(ノアは洪水のあとブドウを栽培し、ワインを飲んで酔って寝たという話)の原型とされている。その後この地方はセム人の支配するところとなり、そのなかからバビロン国家が生まれた。ハムラビ王が制定した『ハムラビ法典』のなかにはワイン税が記されている。一方、古代エジプトでも古くからブドウが栽培され、ワインがつくられていた。エジプト第1王朝(前3000年ごろ)の墳墓からブドウ種子が発見されており、第18王朝(前1550年ごろ)のナクト墳墓の壁画には、ブドウを摘み取ったり、果汁を絞る風景など、ワイン醸造のようすが描かれている。ワイン醸造の技術はその後フェニキア人を経てギリシア人に伝わり、ギリシアはもとより、彼らの植民地が延びていくイタリア、スペイン、南フランス、北アフリカに広まっていった。ローマ人はさらに積極的にワイン醸造を奨励した。この時代には樽(たる)貯蔵の技術も普及し、ワインを長く貯蔵したら品質がよくなることも知られていた。
中世に入ると、キリスト教の布教とともに、赤ワインがキリストの血として儀式に欠かせないため僧侶(そうりょ)たちがワイン醸造の技術を研究し、率先してワインをつくった。またこのワインは教会の維持費にあてられたといわれる。17世紀末にはガラスやコルクが現在のようにできあがり、ワインの品質もいっそうよくなった。このようにワイン醸造は順調に発展していたが、18世紀の中ごろ突然アメリカから入ってきたフィロキセラ虫が大発生し、ヨーロッパのブドウはほとんど収穫できなくなった。のちにフィロキセラ抵抗性台木が育成され、問題は解決された。その後ワインは二つの世界大戦を経て現在では多くの国でつくられ消費されている。[原 昌道]
解説
ぶどうを発酵させてつくる醸造酒。赤ワイン、白ワイン、ピンク色のロゼワインがあり、ぶどうの品種や製造法が異なる。このほか、発酵中にブランデーなどのアルコールを添加し発酵をとめてつくる酒精強化ワインなどもある。◇フランス語で「バン(vin)」、イタリア語・スペイン語で「ビノ(vino)」、ポルトガル語で「ビーニョ(vinho)」といい、ラテン語でぶどうを発酵させたものという意の「ビヌム(vinum)」に由来。「ぶどう酒」ともいう。
講談社 飲み物がわかる辞典について 情報
化粧品の成分用途
皮膚コンディショニング剤、溶剤
安全性プロファイル
Some wines contain the
carcinogen urethane. The wine equivalent of
1 ounce of pure ethanol per capita per day
has been cited as healthful to adults to
relieve stress and promote relaxation.
However, it is often abused, whtch can lead
to habituation with consequent liver
damage, malnutrition, and a wide variety of
other physical and mental problems,
including the development of cancer. Some
of the additives to wines have been known
to cause allergic reactions in humans. See
also ETHANOL and URETHANE.
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