安全データシート

クレゾール

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: クレゾール
  • CB番号: CB5853043
  • CAS: 1319-77-3
  • 同義語: クレゾール,トリクレゾール

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 消毒剤、合成樹脂、ワニス、TCp(可塑剤原料)、選鉱剤、ホルマール電線溶剤。m-クレゾール=合成樹脂・消毒剤・薬品原料。o-クレゾール=クマリン、潤滑油精製用。p-クレゾール=クレゾチン酸染料可塑剤原料、農薬、化粧品原料(防腐剤)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
GHS改訂4版を使用
H25.8.22、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用
物理化学的危険性
引火性液体   区分4
健康に対する有害性
特定標的臓器毒性(反復ばく露)   区分1 (中枢神経系、心血管系、血液系、呼吸器、肝臓、腎臓)
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)   区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系、肝臓、腎臓)、 区分3 (麻酔作用)
発がん性   区分2
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性   区分1
皮膚腐食性及び刺激性   区分1
急性毒性(経皮)   区分3
急性毒性(経口)   区分4
分類実施日
環境に対する有害性はH18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用
環境に対する有害性
水生環境有害性 (長期間)   区分外
水生環境有害性 (急性)   区分2

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS05GHS06GHS08
注意喚起語
危険
危険有害性情報
長期継続的影響により水生生物に毒性
水生生物に毒性
眠気またはめまいのおそれ
れ: 呼吸器系
長期にわたる、または反復暴露による臓器の障害のおそ
液系 心血管系 腎臓 中枢神経系
長期にわたる、または反復暴露による臓器の障害: 血
臓器の障害: 肝臓 血液系 呼吸器系 心臓 腎臓 中枢神経
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
皮膚に接触すると有毒
飲み込むと有害
可燃性液体
注意書き
[安全対策]
炎および高温のものから遠ざけること。禁煙。
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。
環境への放出を避けること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。直ちに医師に連絡
すること。
皮膚(または髪)に付着した場合:直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
皮膚を流水、シャワーで洗うこと。直ちに医師に連絡すること。汚染された衣
類を再使用する場合には洗濯すること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させるこ
と。直ちに医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用して
いて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に
連絡すること。
暴露または暴露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
火災の場合:消火するために粉末、乾燥砂、泡を使用すること。
漏出物を回収すること。
[保管]
容器を密閉して換気の良いところで保管すること。
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : クレゾール
  • 濃度又は濃度範囲: : ....
  • CAS RN: : 1319-77-3
  • 別名 : Cresylic Acid , Tricresol
  • 化学式: : C7H8O
  • 官報公示整理番号 化審法: : (3)-499, (4)-57
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

に医師に連絡すること。
被災者を空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。直ち

皮膚に付着した場合:

洗うこと。直ちに医師に連絡すること。
直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で

目に入った場合:

て洗うこと。直ちに医師に連絡すること。
水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し

飲み込んだ場合:

直ちに医師に連絡すること。口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

使ってはならない消火剤:

棒状水

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

る。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
十分に換気を行う。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
個人用保護具を着用する。

環境に対する注意事項:

環境への悪影響が懸念されるため、河川等へ排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。
大量の流出には盛土で囲って流出を防止する。
ウエス、乾燥砂、土、おがくずなどに吸収させて回収する。

二次災害の防止策:

火花を発生しない安全な用具を使用する。
着火した場合に備えて、消火用器材を準備する。
付近の着火源、高温体などを速やかに取り除く。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。漏れ、あふれ、飛散しないよう注意し、みだりに蒸気を発生させない。炎および高温のものから遠ざけること。静電気対策を行う。設備などは防爆型を用いる。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。蒸気やエアゾールが発生する場合には、換気、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して換気の良い冷暗所に保管する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置またはプッシュブル型換気装置を設ける。(有機溶剤中毒予防規則)取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

5 ppm

許容濃度:

ACGIH TLV(TWA):
20 mg/m3 (IFV) (skin)
OSHA PEL(TWA):
5 ppm (skin)
日本産業衛生学会(TWA):
5 ppm (skin)

保護具

呼吸用保護具:
防毒マスク(有機ガス用)、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体: HSDB(2014)
無色うす黄色: HSDB(2014)
臭い
特徴的な臭気: ICSC (2000)
臭いのしきい(閾)値
情報なし
pH
飽和溶液では中性;或いは(リトマス紙)弱酸性: HSDB(2014)

融点・凝固点

11-35℃:HSDB(2014)

沸点、初留点及び沸騰範囲

191-203℃:HSDB(2014)

引火点

82℃(Closed cup): ACGIH(2001)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

情報なし

燃焼性(固体、気体)

情報なし

燃焼又は爆発範囲

下限::1.4 vol%(o-体)、1.1vol%(m-体)、1.1vol%(150℃)(p-体): ICSC (2000)

蒸気圧

0.11 to 0.299 mm Hg at 25 deg C: HSDB(2014)

蒸気密度

3.72 (Air = 1):HSDB(2014)

比重(相対密度)

1.030-1.038 at 25 deg C/25 deg C: HSDB(2014)

溶解度

2.5g/100mL (25℃) (o-体) (水): ICSC (2000) 2.4g/100mL (20℃) (m-体) (水):ICSC (1999) 1.9g/100mL (25℃) (p-体) (水) : ICSC (2000) アルコール、クロロホルム、エーテルと混和(o-体)(m-体) 通常の有機溶媒に可溶(p-体):Merck (13th, 2001)

n-オクタノール/水分配係数

1.95 (測定値) (o-体)、1.96 (測定値) (m-体)、1.94 (測定値) (p-体):SRC:KowWin (2005)

自然発火温度

555℃: GESTIS(2014)

分解温度

情報なし

粘度(粘性率)

4.49 to 7.0 cP at 40 deg C: HSDB(2014)

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

裸火

混触危険物質:

酸化剤, 強酸, 塩基

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットのLD50値として、1,454 mg/kg (HSDB (Access on July 2014)、IUCLID (2000)) との報告に基づき、区分4とした。
経皮
ラットのLD50値として、242 mg/kg、825 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2007))、ウサギのLD50値として、2,000 mg/kg (ATSDR (2008)、NITE初期リスク評価書 (2007)、EHC 168 (1995)) の3件の報告がある。分類ガイダンスに従い、最も多くのデータが該当する区分3とした。新たな情報源 ((ATSDR (2008)、NITE初期リスク評価書 (2007)) を追加し、区分を見直した。
吸入:ガス
GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気
データ不足のため分類できない。
吸入:粉じん及びミスト
データ不足のため分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

ウサギを用いた皮膚刺激性試験の結果、非可逆性の組織破壊がみられた (EHC 168 (1995)) との記載や、強度の刺激性がみられた (NITE初期リスク評価書 (2007)) との記載がある。また、本物質は皮膚に対して強い刺激性又は腐食性を示す (DFGOT vol.14 (2000)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1986)) との記載がある。以上より、区分1とした。また、本物質はEU DSD分類により「C;R34」、EU CLP分類により「H314 Skin Corr. 1B」に分類されている。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

ウサギの眼に本物質 0.1 mL を適用した試験で、強度の刺激性がみられた (NITE初期リスク評価書 (2007)) との報告や、ウサギやマウスに対して強度の刺激性を示した (EHC 168 (1995)) との報告がある。また、本物質は眼に対して強い刺激性又は腐食性を示すとの記載がある (DFG vol.14 (2000)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1986))。以上から、区分1とした。

呼吸器感作性

呼吸器感作性:データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

皮膚感作性:データ不足のため分類できない。なお、モルモットに本物質 (m-クレゾールとp-クレゾールの混合物) を適用した結果、感作性はみられなかった (DFGOT vol. 14 (2000)) との報告があるが、試験法等の詳細不明であるため、分類に用いるには不十分なデータと判断した。

生殖細胞変異原性

データ不足のため分類できない。In vivoでは、m-及び p-クレゾール (60:40) 混合物を用いたマウス末梢血の小核試験で陰性である (NITE初期リスク評価書 (2007)、ATSDR (2008)、EHC 168 (1995)、NTP TR 550 (2008))。In vitroでは、o-、m-及び p-クレゾール (1:1:1) の混合物を用いた細菌の復帰突然変異試験で陰性 (NITE初期リスク評価書 (2007)、EHC 168 (1995)、ATSDR (2008))、m-及び p-クレゾール (60:40) 混合物を用いた細菌の復帰突然変異試験で陰性 (NITE初期リスク評価書 (2007)、EHC 168 (1995)、NTP TR 550 (2008))、o-、m-及び p-クレゾール (1:1:1) の混合物を用いた哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、姉妹染色分体交換試験、不定期DNA合成試験で陽性の結果が示されている (NITE初期リスク評価書 (2007)、EHC 168 (1995)、ATSDR (2008))。 以上より、m-及び p-クレゾール混合物を用いたin vivo試験データの陰性結果はあるが、o-、m-及び p-クレゾールの混合物を用いたin vivo試験データがないことから、異性体混合物の十分なデータがないと判断した。

発がん性

クレゾール (CAS No. 1319-77-3) としての国際機関等による発がん性分類はないが、当該物質の各異性体 (o-、m-、p-クレゾール) について、同一の既存分類 ((EPA (1991) でグループCに分類) が存在しているため、それらの分類結果を用いてGHS分類を行い、区分2とした。

生殖毒性

実験動物において、クレゾール (o-、m-、p-の混合物) を用いた生殖毒性試験の情報は得られなかった。 ヒトの疫学において、クレゾールとクロロベンゼンあるいは塩化ホスホリルを使う工場で働く女性で女性ホルモン量変化と月経の異常、周産期死亡率と奇形発生率の増加したとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第5巻 (2006))。しかし、みられた変化はクレゾールばく露との関連性が明らかでないため分類に用いるには適当でない。 なお、生殖毒性試験ではないが、ラットを用いた4ヶ月間の吸入毒性試験において発情周期及び発情期の延長と発情間期の短縮、卵巣で一次卵胞の減少、閉鎖卵胞の増加を認めたとした報告がある (環境省リスク評価第5巻 (2006)、EHC 168 (1995))。この情報については詳細が不明である。 したがって、データ不足により分類できないとした。

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

本分類では、以上の異性体混合物による動物試験結果による分類と、o-異性体 (ID: 32)、m-異性体、及びp-異性体 (ID: 33) の動物試験結果による分類結果、ヒトでの混合物による知見を併せて、「クレゾール」の分類結果とみなすこととし、未だ分類結果が示されていない「m-異性体」についての毒性情報を記述する。m-クレゾールについては、o-異性体、p-異性体と同様、マウス及びラットへの経口投与で自発運動低下、流涎、協調運動失調、筋収縮、振戦、けいれん、呼吸困難、衰弱、嗜眠、昏睡、死亡がみられた (NITE初期リスク評価書 (2007)、ATSDR (2008))。これらm-異性体単独の中枢神経系への影響を示す知見は、区分1に相当するガイダンス値の範囲であった。以上より、ヒト (混合物) 及び実験動物 (異性体混合物、並びに各異性体単体) での知見に基づき、区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系、肝臓、腎臓)、区分3 (麻酔作用) とした。 なお、今回はList 1の情報源を基に、かつ、他の異性体に対する分類との整合性も勘案し分類結果を見直した。
ヒトにおいては、経口経路による嚥下の例で、呼吸困難、昏睡、心室性期外収縮を伴う頻脈がみられ、急性心不全により死亡した。病理学検査では、腎臓の近位尿細管の好酸性壊死、気管支上皮のび漫性壊死が認められた。経皮経路では、めまい、嘔吐、意識障害、無呼吸を伴うてんかん、昏睡、脈拍数減少、乏尿、重篤な腎症、急性腎不全、尿細管壊死、肺水腫、溶血、ヘモグロビン尿症、死亡が報告され、病理学検査で、肺に出血性水腫、肝臓小葉壊死、腎臓のうっ血、腫大、脳うっ血、腫大がみられた (NITE初期リスク評価書 (2007)、ATSDR (2008)、EHC 168 (1995))。 実験動物では、ラットに吸入ばく露した試験で、強い気道刺激性、神経興奮、痙攣、間代性痙攣、死亡がみられている。経口経路では、気道刺激性、腐食性、出血、経路不詳であるが、気道刺激性、血尿、腎尿細管損傷、結節性肺炎、蒼白を伴う肝臓の鬱血、肝細胞壊死が報告されている (NITE初期リスク評価書 (2007)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2008)、DFGOT vol. 14 (2000))。その他の情報として、メトヘモグロビン血症、ハインツ小体形成、溶血性貧血、尿細管の壊死の報告がある (NITE初期リスク評価書 (2007)、EHC 168 (1995))。実験動物の知見については、ばく露用量の記載が不足している。以上より、クレゾールの主な標的器官は、中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系、肝臓、腎臓と考えられた。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

ヒトでは、クレゾール混合物の蒸気 (濃度不明) に1.5-3ヶ月間、吸入ばく露された作業者7名に吐き気と嘔吐を伴う頭痛、うち4名には加えて血圧上昇、腎機能障害、血中カルシウム濃度異常、及び顕著な振戦が認められた (ACGIH (7th, 2001)、 DFGOT vol. 14 (2000)、PATTY (6th, 2012)) との記述がある。 実験動物ではo-、m-、p-の各異性体以外の混合物の情報としては、クレゾール混合物 (m-/p-: 60%:40%) をラット又はマウスに4週間及び13週間混餌投与した試験のみが利用可能なデータであると判断した。このうち、ラットの4週間混餌投与試験において、区分2相当の用量 (90-95 mg/kg/日 (28-30 mg/kg/day (90日換算)) で肝臓相対重量の増加及び鼻腔に呼吸上皮の過形成が認められ、他の3試験でも区分外の高用量では鼻腔の組織変化、肝臓重量増加に加え、中枢神経症状 (嗜眠、不動、振戦)、骨髄の低形成、腎臓重量増加がみられた (NITE初期リスク評価書 (2007)、ATSDR (2008))。 この異性体混合物による動物試験結果による分類と、o-異性体 (ID: 32)、m-異性体、及びp-異性体 (ID: 33) の動物試験結果による分類結果、ヒトでの混合物による知見を併せて、「クレゾール」の分類結果とみなすこととし、未だ分類結果が示されていない「m-異性体」についての毒性情報を記述する。m-クレゾールについては、ラット又はマウスを用いた28日間又は13週間混餌投与による複数の試験結果では、区分外の高用量で中枢神経系、呼吸系への影響がみられたが、区分2までの用量範囲で特定の標的臓器はみられなかった。また、他の経路での毒性情報はない (NITE初期リスク評価書 (2007)、ATSDR (2008))。したがって、m-異性体単独の分類結果は、ヒト (混合物) の知見を実験動物での知見 (m-異性体) で裏付けることができず、情報不足のため、「分類できない」とするのが妥当と考えられる。 以上より、ヒト (混合物) 及び実験動物 (異性体混合物、並びにo-、及びp-異性体) での知見に基づき、区分1 (中枢神経系、心血管系、血液系、呼吸器、肝臓、腎臓) に分類した。なお、旧分類はList 3の情報源からの分類結果であり、今回はList 1の情報源を基に、かつ他の異性体に対する分類との整合性も勘案し、分類結果を見直した。

吸引性呼吸器有害性

データ不足のため分類できない。

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

49.7% (by BOD) , 69.3% (by TOC) , 70.9% (by GC)*既存化学物質安全性点検による判定結果:良分解性

生体蓄積性(BCF):

18

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
1.97
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
0.09 - 0.2

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。
<毒物及び劇物の廃棄の方法に関する基準>
(クレゾール及びこれを含有する製剤)
廃棄方法:
(1)燃焼法
(ア)木粉(おが屑)等に吸収させて焼却炉で焼却する。
(イ)可燃性溶剤と共に焼却炉の火室へ噴霧し焼却する。
(2)活性汚泥法
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
地方条例や国内規制に従う。
適切な保護具を着用する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

2022

品名(国連輸送名):

Cresylic acid

国連分類:

クラス6.1(毒物)

副次的危険性:

クラス8(腐食性物質)

容器等級:

海洋汚染物質:

Y

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

化審法

優先評価化学物質

労働安全衛生法

名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) 第2種有機溶剤等

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

第1種指定化学物質

毒物及び劇物取締法

劇物

消防法

危険物第四類第三石油類非水溶性液体 (m-クレゾール)、指定可燃物可燃性固体類(o-クレゾール、p-クレゾール)

船舶安全法

毒物類・毒物

航空法

毒物類・毒物

労働基準法

疾病化学物質

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

推奨製品
ブロモクレゾールパープル (0.05%, 約20%エタノール溶液) [滴定用] SDS 4',5,7-トリヒドロキシ-6-[4-(5,7-ジヒドロキシ-4-オキソ-4H-1-ベンゾピラン-2-イル)フェノキシ]フラボン SDS (-)-没食子酸エピガロカテキン水和物 SDS 1,3,4,6,8,13-ヘキサヒドロキシ-10,11-ジメチル-7,14-ジヒドロフェナントロ[1,10,9,8-opqra]ペリレン-7,14-ジオン SDS 6-tert-ブチル-o-クレゾール SDS o-クレゾール SDS DL-α-トコフェロール SDS N,N'-ビス(サリチリデン)エチレンジアミン SDS ドロメトリゾール SDS ブチルヒドロキシトルエン SDS