安全データシート

アンモニア水

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: アンモニア水
  • CB番号: CB1853050
  • CAS: 1336-21-6
  • 同義語: アンモニア水,水酸化アンモニウム

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 情報なし
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H25.8.22、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用
GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性
金属腐食性物質   区分1
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分4
皮膚腐食性及び皮膚刺激性   区分1
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性   区分1
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分1 (中枢神経系、呼吸器)
分類実施日
環境に対する有害性はH18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用
環境に対する有害性
水生環境有害性 (急性)   区分1
水生環境有害性 (長期間)   区分1

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS05GHS07GHS09
注意喚起語
危険
危険有害性情報
飲み込むと有害
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
臓器の障害のおそれ: 呼吸器系
長期にわたる、または反復暴露による臓器の障害のおそ
れ: 呼吸器系
水生生物に非常に強い毒性
注意書き
[安全対策]
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
環境への放出を避けること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。直ちに医師に連絡
すること。
皮膚(または髪)に付着した場合:直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
皮膚を流水、シャワーで洗うこと。直ちに医師に連絡すること。汚染された衣
類を再使用する場合には洗濯すること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させるこ
と。直ちに医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用して
いて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に
連絡すること。
暴露または暴露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
漏出物を回収すること。
[保管]
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 混合物
  • 化学名又は一般名: : アンモニア水 (28%)
  • 濃度又は濃度範囲: : ....
  • CAS RN: : 1336-21-6
  • 別名 : Ammonia Water (28% in Water) , Ammonium Hydroxide (28% in Water)
  • 化学式: : NH3
  • 官報公示整理番号 化審法: : (1)-314
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

被災者を空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。直ち
に医師に連絡すること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で
洗うこと。直ちに医師に連絡すること。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。直ちに医師に連絡すること。

飲み込んだ場合:

直ちに医師に連絡すること。口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

個人用保護具を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
十分に換気を行う。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

環境への悪影響が懸念されるため、河川等へ排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

ウエス、乾燥砂、土、おがくずなどに吸収させて回収する。
大量の流出には盛土で囲って流出を防止する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。漏れ、あふれ、飛散しないよう注意し、みだりに蒸気を発生させない。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。蒸気やエアゾールが発生する場合には、換気、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体(20℃、標準気圧101.3kPa):GHS判定
無色:ICSC(1995)
臭い
刺激臭:ICSC(1995)
臭いのしきい(閾)値
情報なし
pH
pH= 11.6 (1.0 N solution); 11.1 (0.1 N solution); 10.6 (0.01 N solution): HSDB(2014)

融点・凝固点

-58℃ (25%) :ICSC(1995)

沸点、初留点及び沸騰範囲

38℃ (25%) : ICSC (1995)

引火点

不燃性 : ICSC (1995)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

情報なし

燃焼性(固体、気体)

情報なし

燃焼又は爆発範囲

情報なし

蒸気圧

48kPa (20℃) (25%) : ICSC(1995) 2160mmHg (25℃) (実測値) : PHYSPROP Database (Access on Oct. 2008)

蒸気密度

0.6-1.2 (空気=1) : ICSC (1995)

比重(相対密度)

0.9 (25%) (水=1) : ICSC(1995)

溶解度

水 : 混和する : ICSC (1995) 水 : 1E+6mg/L (25℃) (推定値) : PHYSPROP Database (Access on Oct. 2008)

n-オクタノール/水分配係数

Log Pow = -2.66 (推定値) : PHYSPROP Database (Access on Oct. 2008)

自然発火温度

情報なし

分解温度

情報なし

粘度(粘性率)

情報なし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤, 酸, 重金属

危険有害な分解生成物:

窒素酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
このCAS番号 (1336-21-6) は、水酸化アンモニウム (アンモニア1:水1) に対するものであり、これは48.6%アンモニア水に相当する。本分類のうち、健康に対する有害性の分類評価は一般流通品のアンモニア水 (GHS定義における液体) について行った。 ラットのLD50として、350 mg/kg (SIDS (2008)) との報告に基づき、区分4とした。
経皮
データ不足のため分類できない。
吸入:ガス
GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気
データ不足のため分類できない。
吸入:粉じん及びミスト
データ不足のため分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、本物質の20%水溶液の適用により腐食性を示したとの報告があり (SIDS (2008))、本物質は強アルカリ性のため、眼や皮膚に対して腐食性を示すとの記載がある (SIDS (2008))。細区分の指標となるデータがないため、区分1とした。なお、本物質はEU DSD分類において「C; R34」、EU CLP分類において「H314 Skin Corr. 1B」に分類されている。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

ウサギの眼に本物質1mgを適用した試験において刺激性がみられたとの報告 (SIDS (2008)) や、ラットの眼に28.5%水溶液を適用した試験で、角膜白濁や混濁など回復性のない角膜障害や血管新生が認められたとの報告がある (HSDB (Access on June 2014))。また、本物質は強アルカリ性のため、眼や皮膚に対して腐食性を示すとの記載 (SIDS (2008)) や、粘膜に対して著しい刺激性を示すとの記載がある (HSDB (Access on June 2014))。よって、区分1とした。

呼吸器感作性

データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

データ不足のため分類できない。なお、モルモットを用いたOpen epicutaneous 試験において、20%アンモニア水溶液を適用した結果、陰性であったとの結果がある (IUCLID (2000)) が、ガイダンスで推奨されている試験法でないことから分類に用いるには不十分なデータと判断した。

生殖細胞変異原性

データ不足のため分類できない。In vivoのデータはなく、in vitroでは細菌を用いる復帰突然変異試験で陰性のデータ (SIDS(2008)) のみである。なお、in vivoではマウスに腹腔内投与の小核試験で陽性結果が報告されている (ATSDR (2004)) が、詳細不明のため採用しなかった。

発がん性

国際機関等の発がん性分類はない。なお、個別の情報としては、ラットの飲水投与発がん性試験で、発がん性がないとの報告があるが、十分な情報ではない (SIDS (2008))。以上より、データ不足のため「分類できない」とした。

生殖毒性

データ不足のため分類できない。

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

本物質はヒトに気道刺激性があり、気道粘膜の重度の刺激や痛みを引き起こす。また、経口経路で口、喉、胃に重度の腐食性がある (HSDB (Access on June 2014))。吸入ばく露や経皮ばく露で神経学的影響が知られており、通常、直接ばく露部位の視力障害に限定されるが、より重度のばく露では血中アンモニア濃度の上昇を引き起こし、発作、昏睡、非特異的びまん性脳障害、筋力低下、深部腱反射減少、意識消失を生じ死に至る (ATSDR (2004))。本物質を経口摂取し死亡した疫学事例で、剖検の結果、食道、胃、十二指腸に出血が見られた。家庭用アンモニア (水酸化アンモニウム) を経口摂取した事例では、食道の病変及び浮腫、急性呼吸障害が報告されている (ATSDR (2004))。作業者がタンクから溢れた本物質の高濃度 (10,000 ppm) にばく露された事例では、直ちに咳、嘔吐、呼吸困難、努力呼吸が現れ、ばく露6時間後に死亡した。解剖の結果、気道の著しい炎症、気管上皮の重度の剥離が報告されている (HSDB (Access on June 2014))。 実験動物についてはデータが少ないが、ラットに350 mg/kgの経口経路で、鎮静、ふらつき、異常姿勢、痙攣、振戦、運動失調、衰弱、眼瞼下垂、眼球突出、流涎、努力・不規則呼吸、下痢が報告 (詳細な記載なし) され (SIDS (2008))、区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、区分1 (中枢神経系、呼吸器) とした。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

ヒトでは本物質慢性ばく露による影響に関して報告はない。実験動物ではラット及びモルモットにアンモニア水を90日間吸入ばく露した試験において、455 mg/m3の濃度で、呼吸困難、鼻腔の刺激がみられ、死亡例が発現した (SIDS (2008)) との記述があり、呼吸器が標的臓器と考えられるが、本試験はばく露時間など試験条件の詳細が不明であり、分類に利用することができない。アンモニア水の反復投与毒性に関する知見の記述はこの他にはなく、データ不足のため分類できない。なお、旧分類は現行の分類ガイダンスではList 3又はList 外のデータにより分類された結果であった。

吸引性呼吸器有害性

本物質の経口摂取により、上気道に浮腫、火傷を生じることがあるとの記述 (HSDB (Access on June 2014)) はあるが、吸引性呼吸器有害性を示唆する知見はなく、データ不足のため分類できない。

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし

生体蓄積性(BCF):

情報なし

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
情報なし
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

適切な保護具を着用する。
地方条例や国内規制に従う。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。
<毒物及び劇物の廃棄の方法に関する基準>
(アンモニア及びこれを含有する製剤)
廃棄方法:
(1)中和法
水で希薄な水溶液とし、酸(希塩酸、希硫酸など)で中和させた後、多量の水で希釈して処理する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

2672

品名(国連輸送名):

Ammonia solution

国連分類:

クラス8(腐食性物質)

容器等級:

海洋汚染物質:

Y

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

労働安全衛生法:

名称等を通知すべき危険物及び有害物 腐食性液体

毒物及び劇物取締法

劇物

水質汚濁防止法

有害物質

海洋汚染防止法

有害液体物質

船舶安全法

腐食性物質

航空法

腐食性物質

港則法

危険物・腐食性物質

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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