急性毒性
経口
ラットのLD50値として3件のデータ:900-1800 mg/kg(IUCLID (2000))、500-5000 mg/kg(IUCLID (2000))、および2000 mg/kg(HPVIS (2009)、)がある。GHS分類:区分4 ラットのLD50値として3件のデータ:900-1800 mg/kg(IUCLID (2000))、500-5000 mg/kg(IUCLID (2000))、および2000 mg/kg(HPVIS (2009)、List2相当)があり、それぞれ区分4、区分4~区分外、区分4に該当する。最も該当数が多い区分4とした。
経皮
ラットでは2件のLD50値:1800-3600 mg/kg(IUCLID (2000))および1900 mg/kg(HSDB (2008))がある。該当数の多い区分4となる。ウサギの場合は2件のLD50値:350-2880 mg/kg(IUCLID (2000))および3160 mg/kg(HPVIS (2009))がそれぞれ区分3~区分外、および区分外に該当し、該当数の多い区分外となる。以上より、ラットとウサギで危険性の高い方のラットの区分を採用し、区分4とした。GHS分類:区分4 ラットでは2件のLD50値:1800-3600 mg/kg(IUCLID (2000))および1900 mg/kg(HSDB (2008))があり、それぞれ区分4~区分外および区分4に該当しており、該当数の多い区分4となる。ウサギの場合は2件のLD50値:350-2880 mg/kg(IUCLID (2000))および3160 mg/kg(HPVIS (2009))がそれぞれ区分3~区分外、および区分外に該当し、該当数の多い区分外となる。以上より、ラットとウサギで危険性の高い方のラットの区分を採用し、区分
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外 GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気
ラットに飽和蒸気濃度を4時間のばく露により死亡はなく、LC50値は飽和蒸気濃度以上と報告され、さらにラットに4 mg/Lを6時間のばく露により10匹中2匹が死亡し、LC50値は >4 mg/L/6h (>4.9 mg/L/4h)と報告されているが、これらの結果のみでは区分を特定できない。GHS分類:分類できない ラットに飽和蒸気濃度を4時間のばく露により死亡はなく、LC50値は飽和蒸気濃度以上と報告され、さらにラットに4 mg/Lを6時間のばく露により10匹中2匹が死亡し、LC50値は >4 mg/L/6h (>4.9 mg/L/4h)と報告されているが、これらの結果のみでは区分を特定できないので分類できない。
吸入:粉じん及びミスト
データなし。GHS分類:分類できない データなし。
皮膚腐食性及び刺激性
ウサギに本物質0.5 mLを24時間の閉塞適用によるドレイズ試験で、24、48時間の平均スコアは紅斑および浮腫についてそれぞれ2.8および2.6であり、4匹中2匹が7日間の観察期間を通してスコア4の最大値を示した結果から、強い刺激性(highly irritating)と評価され(IUCLID (2000))、また、ウサギに本物質0.5 mgを24時間の閉塞適用による別のドレイズ試験では、中等度の刺激性(moderately irritating)との評価(IUCLID (2000))がある。GHS分類:区分2 ウサギに本物質0.5 mLを24時間の閉塞適用によるドレイズ試験で、24、48時間の平均スコアは紅斑および浮腫についてそれぞれ2.8および2.6であり、4匹中2匹が7日間の観察期間を通してスコア4の最大値を示した結果から、強い刺激性(highly irritating)と評価され(IUCLID (2000))、また、ウサギに本物質0.5 mgを24時間の閉塞適用による別のドレイズ試験では、中等度の刺激性(moderately irritating)との評価(IUCLID (2000))により、区分2とした
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
ウサギに未希釈の本物質0.2 mLを適用したドレイズ試験で、24、48および72時間の平均スコアは結膜発赤 2.0、結膜浮腫 2.8、角膜混濁 2.0、虹彩炎 1.8であり、7日間の観察期間終了時に結膜浮腫のみが消失した結果から、強い刺激性(highly irritating)との評価され(IUCLID (2000))、さらに、ウサギの結膜嚢に本物質0.1 mLを適用した別の試験で中等度の刺激性(moderately irritating)との評価結果(HPVIS (2009))がある。GHS分類:区分2A ウサギに未希釈の本物質0.2 mLを適用したドレイズ試験で、24、48および72時間の平均スコアは結膜発赤 2.0、結膜浮腫 2.8、角膜混濁 2.0、虹彩炎 1.8であり、7日間の観察期間終了時に結膜浮腫のみが消失した結果から、強い刺激性(highly irritating)との評価され(IUCLID (2000))、さらに、ウサギの結膜嚢に本物質0.1 mLを適用した別の試験で中等度の刺激性(moderately irritating)との評価結果(HPVIS (2009))もあり、区分2Aとした。
呼吸器感作性
データなし。GHS分類:分類できない データなし。
皮膚感作性
モルモットのマキシマイゼーション試験(OECD TG 406)において、惹起処置による陽性率は0% (0/20)であり、感作性なし(not sensitizing)との評価結果(IUCLID (2000))がある。GHS分類:区分外 モルモットのマキシマイゼーション試験(OECD TG 406)において、惹起処置による陽性率は0% (0/20)であり、感作性なし(not sensitizing)との評価結果(IUCLID (2000))に基づき、区分外とした。
生殖細胞変異原性
in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験としては、 エームス試験、およびラット肝細胞を用いた染色体異常試験でいずれも陰性の結果(IUCLID (2000))が報告されている。GHS分類:分類できない in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験としては、 エームス試験、およびラット肝細胞を用いた染色体異常試験でいずれも陰性の結果(IUCLID (2000))が報告されている。
発がん性
データ不足。なお、マウスに100 µg/匹を週1回47週間にわたる経皮投与試験で、皮膚腫瘍発生率の増加は認められなかった(IUCLID (2000))と報告されているが、全身性の腫瘍については統計学的な分析は行われず、結論は記載されていない。GHS分類:分類できない データ不足。なお、マウスに100 µg/匹を週1回47週間にわたる経皮投与試験で、皮膚腫瘍発生率の増加は認められなかった(IUCLID (2000))と報告されているが、全身性の腫瘍については統計学的な分析は行われず、結論は記載されていない。
生殖毒性
データなし。GHS分類:分類できない データなし。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
ラットに経口投与後の症状として、おおよそ450 mg/kg以上で、嗜眠、立毛(IUCLID (2000))、1450 mg/kg以上で抑制状態、呼吸困難、反射低下、協調欠如が現れ(HSDB (2008)、HPVIS (2009))、ウサギに経皮投与後の症状として、794 mg/kg以上で、抑制状態、呼吸困難、不安定歩行が観察されている(HPVIS (2009)。また、ラットまたはマウスに飽和蒸気(4 mg/L)を6時間吸入投与(4時間換算値:4.9 mg/L/4h)後、呼吸困難、活動性亢進、虚脱の症状が記載されている(HSDB (2008))。以上から投与量は経口投与ではガイダンス値区分2の範囲にあり、経皮および吸入投与はガイダンス値区分1に相当するがOECDTG & GLP試験を満たさない。それに加え別のラットの飽和蒸気(4 mg/L)を4時間吸入投与した試験では抑制状態が見られたが、投与終了後直ちに回復したと記載されており(IUCLID (2000))、一過性である。GHS分類:区分2(中枢神経系)区分3(麻酔作用) ラットに経口投与後の症状として、おおよそ450 mg/kg以上で、嗜眠、立毛(IUCLID (2000))、1450 mg/kg以上で抑制状態、呼吸困難、反射低下、協調欠如が現れ(HSDB (2008)、HPVIS (2009))、ウサギに経皮投与後の症状として、794 mg/kg以上で、抑制状態、呼吸困難、不安定歩行が観察されている(HPVIS (2009)。また、ラットまたはマウスに飽和蒸気(4 mg/L)を6時間吸入投与(4時間換算値:4.9 mg/L/4h)後、呼吸困難、活動性亢進、虚脱の症状が記
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
ラットに10~300 mg/kg/dayを28日間経口投与した試験において、一過性で軽度の鼻刺激、および臓器重量と臨床検査値の適応性変化を除き、高用量の300 mg/kg/day(90日換算:93.3 mg/kg/day)まで投与に関連する影響は認められなかった(IUCLID (2000))。また、ウサギに30または300 mg/kg/dayを2週間経皮投与した試験では、軽度で一過性の体重減少が観察されたが、剖検で投与に関連する影響は見られず、肝臓および腎臓の病理組織学的所見にも変化は認められなかった(HPVIS (2009))。GHS分類:分類できない ラットに10~300 mg/kg/dayを28日間経口投与した試験において、一過性で軽度の鼻刺激、および臓器重量と臨床検査値の適応性変化を除き、高用量の300 mg/kg/day(90日換算:93.3 mg/kg/day)まで投与に関連する影響は認められなかった(IUCLID (2000))。また、ウサギに30または300 mg/kg/dayを2週間経皮投与した試験では、軽度で一過性の体重減少が観察されたが、剖検で投与に関連する影響は見られず、肝臓および腎臓の病理組織学的所見にも変化は認められなかった(H
吸引性呼吸器有害性
データなし。GHS分類:分類できない データなし。