クロカプラミン塩酸塩水和物 化学特性,用途語,生産方法
外観
本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはなく,
味は苦い.
本品は酢酸(100)に溶けやすく,水又はメタノールにやや
溶けにくく,エタノール(95),クロロホルム又はイソプロピ
ルアミンに溶けにくく,無水酢酸又はジエチルエーテルにほ
とんど溶けない.
本品は光によって徐々に着色する.
融点:約260℃(分解,乾燥後).
効能
統合失調症治療薬, 神経遮断薬, ドパミンD2受容体拮抗薬
商品名
クロフェクトン (全星薬品工業); クロフェクトン (田辺三菱製薬)
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→2500)5mLに硝酸1mLを加えるとき,
液の色は初め青色を呈し,直ちに濃くなり,更に緑色~黄緑
色に変わる.
(2) 本品のメタノール溶液(1→40000)につき,紫外可視
吸光度測定法〈2.24〉により吸収スペクトルを測定し,本品
のスペクトルと本品の参照スペクトルを比較するとき,両者
のスペクトルは同一波長のところに同様の強度の吸収を認め
る.
(3) 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉の臭
化カリウム錠剤法により試験を行い,本品のスペクトルと本
品の参照スペクトルを比較するとき,両者のスペクトルは同
一波数のところに同様の強度の吸収を認める.
(4) 本品0.1gに水10mLを加え,加温して溶かし,冷後,
アンモニア試液2mLを加えてろ過する.ろ液に希硝酸を加
えて酸性とした液は塩化物の定性反応(2)〈1.09〉を呈する.
定量法
本品を乾燥し,その約0.5gを精密に量り,無水酢酸/
酢酸(100)混液(6:1)70mLに溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴
定〈2.50〉する(電位差滴定法).同様の方法で空試験を行い,
補正する.
0.1mol/L過塩素酸1mL=27.70mg C
28H
37ClN
4O・2HCl
純度試験
(1) 硫酸塩〈1.14〉 本品0.5gに水40mLを加え,加温して
溶かし,冷後,希塩酸1mL及び水を加えて50mLとする.こ
れを検液とし,試験を行う.比較液には0.005mol/L硫酸
0.50mLを加える(0.048%以下).
(2) 重金属〈1.07〉 本品2.0gをとり,第2法により操作し,
試験を行う.比較液には鉛標準液2.0mLを加える(10ppm以下).
(3) 類縁物質 本操作は,光を避け,遮光した容器を用い
て行う.本品0.10gをクロロホルム/イソプロピルアミン混
液(99:1)10mLに溶かし,試料溶液とする.この液1mLを正
確に量り,クロロホルム/イソプロピルアミン混液(99:1)
を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.これらの液
につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.
試料溶液及び標準溶液10μLずつを薄層クロマトグラフィー
用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポッ
トする.次にジエチルエーテル/酢酸エチル/メタノール/
アンモニア水(28)混液(100:70:40:1)を展開溶媒として約
10cm展開した後,薄層板を風乾する.これに紫外線(主波長
254nm)を照射するとき,試料溶液から得た主スポット以外
のスポットは,標準溶液から得たスポットより濃くない.
貯法
保存条件 遮光して保存する.
容器 気密容器.
乾燥減量
2.0~3.5%(0.5g,減圧・0.67kPa以下,酸
化リン(Ⅴ),105℃,4時間).
強熱残分
0.1%以下(1g).
クロカプラミン塩酸塩水和物 上流と下流の製品情報
原材料
準備製品