ロドプシン 化学特性,用途語,生産方法
性質
7回膜貫通型,N末端アセチル化.Lys296-レチナール結合.光刺激とGタンパクを共役
解説
ロドプシン,網膜の杆状体(かんじようたい)の外節に含まれる紫紅色の色素タンパク質で,光の受容体として機能する。網膜には2種類の視細胞,錘状体と杆状体がある。前者は強い光に反応して色覚をつかさどり,後者は弱い光のもとで明暗を識別するが,色覚には関係しない。ロドプシンは,細胞内のディスク膜の成分である分子量3万8000のオプシンopsinに,ビタミンAの誘導体11‐シス‐レチナールretinalが結合した複合タンパク質である。
森北出版「化学辞典(第2版)
作用機序
ヒトの夜間視の基礎となる感光色素で,500nmの近くに最大の吸収を示す。ロドプシンは紅色であるが,光を当てると橙色を経て黄色の視黄になり,さらに退色して無色の視白になり,ビタミン A1 となる。各波長の光に対するロドプシンの吸収曲線は網膜杆状体の視感度曲線とよく一致しており,杆状体における感光物質であると考えられる。ビタミンA状態のものを暗所で保存すると徐々にロドプシンが合成され,約 30分で極大に達する。これは暗順応 (明るい所から暗い環境に変ったときの網膜の光に対する自動調節機能) の経過とよく一致する。そして暗順応はロドプシンの再生に,明順応はその分解に対応すると考えられる。ビタミンA欠乏はロドプシンの再生を妨げ,夜盲症の原因となる。
応用
ロドプシン,レチナールの光異性化がロドプシン分子の構造変化を引き起こし,それがきっかけとなって視細胞内で一連の反応が起こり,最終的に視細胞の電気的興奮として脳に情報が伝えられる.可視光に広く応答するロドプシンや,色の三原色によく応答するロドプシンなどがある.これらは同じレチナールを有するが,それを取り囲むタンパク質オプシンのアミノ酸配列がわずかに異なり,異なる波長の光に応答できるようになっている.
天然物の起源
ウシ網膜:1~348
ロドプシン 上流と下流の製品情報
原材料
準備製品