ヘミン 化学特性,用途語,生産方法
外観
青紫色~黒紫色、結晶~粉末
性質
ヘミンはジメチルスルホキシドにやや溶けますが、には極めて溶けにくく、水にはほとんど溶けません。ヘミンは光によって変質する恐れがあるため、が安全な容器包装材料とされています。
保管する際は、遮光して2~10℃の冷蔵庫に密封する必要があります。
溶解性
ジメチルスルホキシドにやや溶けやすく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
解説
ferriprotoporphyrin chlorid.C34H32ClFeN4O4(651.96).クロロヘミンともいう.Cl原子が1個配位したポルフィリンの三価鉄錯体の慣用名.ヘミンは,塩化ストロンチウムを溶解した氷酢酸-アセトン混合液に血液を加え,濾液を濃縮して析出させると得られる.長方形板状晶.融点300 ℃ 以上.希アンモニア水に易溶,希酸,水に難溶.240 ℃ で昇華する.アルカリ溶液中では塩素がヒドロキシ基と置換したヘマチンになり,濃硫酸に溶解すると鉄を失う.森北出版「化学辞典(第2版)
生物学的性質
塩素イオンCl-1個がイオン結合したポルフィリンの三価鉄錯体の慣用名。現在ではほとんどの場合、プロトへミンprotohemin、すなわちフェリプロトポルフィリンⅨクロリドferriprotoporphyrin Ⅸ chloride、フェリヘムクロリドferrihem chlorideのことをさす。分子式C34H32ClFeN4O4、分子量651.95。ヘミンは血液に食塩と氷酢酸を加えて加熱後放冷すれば容易に結晶として得られる。正味1個の陽荷電をもち、通常、塩化物として得られ、このクロルヘミンを普通、ヘミンとよんでいる。この錯化合物の基本構造はポルフィリンの正方形の平面に対して、垂直にもう一つの配位子をもつピラミッド型となっている。塩化物または他のハロゲン化物の陰イオンは、鉄と静電気結合ではなく配位結合をしている。遊離のヘムは不安定で、すぐ酸化されてヘミンとなる。なお、カタラーゼやワサビダイコンのペルオキシダーゼの色素部分はヘミンであり、チトクロムやチトクロムオキシダーゼの色素部分も類似のものと考えられている。ヘモグロビン検出に用いられるベンジジン染色に対して陽性である。マウス赤白血病細胞(MEL細胞)やヒト慢性骨髄性白血病K562細胞に対する赤血球への細胞分化誘導活性をもつことが知られている。[有馬暉勝・有馬太郎・竹内多美代]
用途
希少疾病用医薬品急性ポルフィリン症の発作の治療
構造
図. ポルフィンの基本情報
ヘミンは塩素イオン (Cl) 1個がイオン結合しているポルフィリン (英: porphyrin) の三価鉄錯体の慣用名です。ヘミンは錯化合物であり、基本構造はポルフィリンの正方形の平面に対し、垂直に1つの配位子を有するピラミッド型を取っています。
塩化物などのハロゲン化物の陰イオンは、鉄と配位結合をしています。ヘミンの化学式はC34H32ClFeN4O4、分子量は651.94です。
詳細に解説すると、ヘミンはポルフィリンの三価鉄錯体です。ポルフィリンとは4つのピロール環が4つの炭素によって結合しており、閉環したポルフィン (英: porphine) に側鎖が付いた化合物の総称です。
ポルフィンの化学式はC20H14N4、分子量は310.35で、ポルフィリン系物質の前駆体でもあります。ポルフィリンやその他類似化合物の金属錯体は、生体内で重要な役割を担っています。色素や触媒として、人工的にも広く使用可能です。
合成法
ヘミンは血液に氷酢酸と食塩を加えて加熱後、放冷することで容易に結晶として生成します。1個の陽荷電を有し、通常は塩化物として得られ、クロロヘミン (英: chlorohemin) とも呼ばれています。
遊離のヘムは不安定です。そのため、すぐに酸化されてヘミンになります。
効能
ポルフィリン前駆体蓄積低減, ALAS活性低下薬
商品名
ノーモサング (オーファンパシフィック)
説明
Hemin is a metalloporphyrin compound with a relatively simple structure. It is formed by the complexation of a molecule of ferrous iron and protoporphyrin. It is an in vitro group substitute of natural heme and its chemical properties are similar to that of heme. Heme, an essential small molecule in living organisms, can be found abundantly in various organisms including animals, plants, microorganisms, and algae.
分布
血液,ヘモグロビンから調製
化学的特性
Hemin is a Dark purple crystalline powder or elongated needle-shaped crystal. It does not dissolve in water, but it can dissolve in acidic acetone and alkaline water. The molecular formula is C34H32ClFe(III)N4O4, and the molecular weight is 651.96. Hemin is mainly used as raw material for anti-anemia and anti-cancer drugs.
主な応用
Hemin is used for the following applications:
To study bacterial strains and growth conditions
Used in short-term colony assays (the culture medium consists of hemin along with other components)
Cell transfections
It may be used in β-hematin formation assay for analyzing the inhibitory activity of MMV (Medicines for Malaria Venture) Malaria Box compounds against the formation of β-hematin.
使用
Hemin is used in cellular protection and control mechanism. It stimulates the synthesis of globulin. It is also used to study the bacterial strains and growth conditions, in the short-term colony assays and cell transfections. Further, it is used to treat the symptoms of various porphyrias. In addition, it is used in the preparation of agar medium for the bacteria culture.
一般的な説明
Heme is a small molecule present either free or bound to hemoglobin in the bloodstream of mammals. This is an alternative source of iron within the host that contains a porphyrin ring containing a Fe
2+ ion called hemin.
色素として働きます
酵素の一種であるカタラーゼ (英: catalase) やペルオキシダーゼ (英: peroxidase) の色素部分はヘミンです。チトクロム (英: cytochrome) やチトクロムオキシダーゼ (英: cytochrome oxidase) の色素部分も類似のものだと考えられています。
ヘモグロビンの検出に使用するベンジジン染色 (英: benzidine staining) に対して、ヘミンは陽性です。マウス赤白血病細胞 (MEL細胞) とヒト慢性骨髄性白血病K562細胞に対して、赤血球への細胞分化誘導活性を有することも知られています。
関連化合物
図. プロトポルフィリンⅨの基本情報
ヘミンはフェリプロトポルフィリンⅨクロリドとも呼ばれ、プロトポルフィリンⅨの化学式はC34H34N4O4、モル質量は562.658です。プロトポルフィリンⅨはポルフィン環にメチル基が4つ、ビニル基が2つ、プロピオン酸基が2つ結合しています。ポルフィリン類の分類に使用されているローマ数字は、置換基の種類や位置によって決められています。
参考文献
使用用途
ヘミンはヘモグロビンといった血液への活性に関わる分野で、医薬の中間体として使われています。ヘミンは医療において、赤血球系の細胞の「分化誘導」活性を有することがわかっていました。
ヘミン自体が化学式の示す通り、塩素イオンを1つ有するポルフィリンの3価鉄錯体です。血液中のヘモグロビンを作るのに重要な鉄分と相関があります。そのため、人体に対して早くから貢献していた物質と言えます。
純化方法
Hemin is purified by recrystallisation from AcOH. Also, hemin (5g) is shaken in pyridine (25mL) till it dissolves, then CHCl3 (40mL) is added, the container is stoppered and shaken for 5minutes (releasing the stopper occasionally). The solution is filtered under slight suction, and the flask and filter are washed with a little CHCl3 (15mL). During this period, AcOH (300mL) is heated to boiling, and saturated aqueous NaCl (5mL) and conc HCl (4mL) are added. The CHCl3 filtrate is poured in a steady stream, with stirring, into the hot AcOH mixture and set aside for 12hours. The crystals are filtered off, washed with 50% aqueous AcOH (50mL), H2O (100mL), EtOH (25mL), Et2O and dried in air. [Fischer Org Synth Coll Vol III 442 1955, Beilstein 26 III/IV 3048.]
ヘミン 上流と下流の製品情報
原材料
準備製品