ベンザルアセトン 化学特性,用途語,生産方法
性質
ベンザルアセトンは、うすい黄色又は黄色から黄褐色の澄明な特異臭のある塊か液体をしています。ベンザルアセトンの融点は37〜41℃、沸点は262℃、引火点は66℃です。
なお、ベンザルアセトンの化学式はC10H10O、構造式はC6H5CH=CHC(O)CH3、分子量は146.19です。
ベンザルアセトンはα,β不飽和ケトンであり、cis体とtrans体の両方の構造が可能ですが、観測されるのはtrans体のみです。
溶解性
エタノール及びアセトンに溶けやすく、水にほとんど溶けない。石油エーテルに微溶、エタノール、有機溶剤に易溶。
反応
ベンザルアセトンの反応
ベンザルアセトンもその他のメチルケトンと同様に、α位とβ位の水素原子が中程度に酸性です。そのため容易に脱プロトン化して、対応するエノラート (英: enolate) を形成します。
エノラートとは、炭素-炭素二重結合上の炭素に、ヒドロキシ基が直接結合した化合物のことです。エノールにおけるヒドロキシ基の水素原子が、プロトンとして解離して生成する陰イオンと同じ構造を取っています。
ベンザルアセトンのエノラートは、多種多様な反応をすることが期待できます。
解説
ベンザルアセトンとは、構造式がC6H5CH=CHC(O)CH3の有機化合物です。
別名としてベンジリデンアセトンとも呼ばれています。ベンザルアセトンのCAS登録番号は122-57-6、trans体のCAS登録番号は1896-62-4です。
国内法規上の適用法令は、労働安全衛生法で「変異原性が認められた化学物質等」の指定がされています。
用途
スイートピー様香料として重要であり、特にセッケン香料として用いる。
応用
ベンザルアセトンのエノラートの反応例として、臭素の二重結合への付加やヒドラゾン (英: hydrazone) の形成などが挙げられます。また、ヘテロジエンへのアルケンの付加によって、 (英: dihydropyran) をディールス・アルダー反応 (英: Diels–Alder reaction) で合成可能です。
さらに、二鉄ノナカルボニル (英: nonacarbonyldiiron) と呼ばれるFe2(CO)9に反応させると、(ベンジリデンアセトン)鉄トリカルボニル (英: (Benzylideneacetone)iron Tricarbonyl) が生成して、Fe(CO)3単位が他の有機化合物に転移します。
合成法
ベンザルアセトンの合成
容易に入手できるアセトンとから、NaOH誘導の縮合反応によって、効率的にベンザルアセトンが合成可能です。
使用上の注意
皮膚を刺激する。
化学的特性
Yellow Solid
天然物の起源
Occasionally Benzalacetone is used in perfumery for Sweet Pea (used to be a “must” in this type of fragrance), in Appleblossom, etc., often in combination with Neroli and Hyacinth bases. Also used in flavors, particularly in Chocolate, Cocoa, Cherry, Fruit, Nut, Vanilla, etc. - but usually at very low concentration. Concentration in finished product will rarely exceed 0.2 to 0.5 ppm.
使用
brightener in acid zinc electroplating,also used as an organic synthesis intermediate in flavor and fragrance, pharmaceutical industries
定義
ChEBI: Trans-benzylideneacetone is the trans-isomer of benzylideneacetone. It acts as an inhibitor of the enzyme phospholipase A2 (EC 3.1.1.4) of insects like diamond back moth. It has a role as a flavouring agent, a fragrance, a bacterial metabolite and an EC 3.1.1.4 (phospholipase A2) inhibitor.
製造方法
By condensing benzaldehyde and acetone in the presence of an alkaline condensing agent.
一般的な説明
trans- 4-Phenyl-3-buten-2-one is substrate for glutathione transferase. It reacts with methyl- and benzylguanidine to yield aromatic
N2-substituted 2-pyrimidinamines.
関連化合物
ベンザルアセトンのエノラートを用いて、メチル基部分にベンズアルデヒド (英: benzaldehyde) を縮合させたジベンザルアセトン (英: dibenzalacetone) を合成可能です。
芳香族ケトンであるジベンザルアセトンは、ジベンジリデンアセトン (英: dibenzylideneacetone) とも呼ばれています。ジベンザルアセトンには、cis,trans体やcis,cis体も存在しますが、通常trans,trans体のことを指します。
遷移金属の配位子としてのdbaは、ジベンザルアセトンの略称です。
使用用途
ベンザルアセトンは、香料に関係した分野での利用が多くみられます。芳香族に属する有機化合物で、スイートピーのような臭いが特徴です。とりわけ顕著なのが、石鹸の香料と言われています。
安全性プロファイル
Poison by intravenous route. Moderately toxic by intraperitoneal route. A skin irritant. A flammable liquid. When heated to decomposition it emits acrid smoke and irritating fumes. See also KETONES.
純化方法
Crystallise it from pet ether (b 40-60o), or distil it (b 137-142o /16mm). [Beilstein 7 IV 1003.]
ベンザルアセトン 上流と下流の製品情報
原材料
準備製品