Polycarbonate diol 化学特性,用途語,生産方法
概要
ポリカーボネートジオール(Polycarbonatediol:PCD)はカーボネート骨格を持ち、両末端に水酸基を有したポリオールと定義されています。PCDを原料にしたポリウレタンは、カーボネート基の高い凝集力により、耐水性、耐熱性、耐油性、弾性回復性、耐候性に優れるため、合成皮革、人工皮革、塗料・コーティング材、その他高度に耐久性を必要とするものに使用されます。また水性ポリウレタン(PUD:ポリウレタンディスパージョン)での応用が進んでおり、中国でのVOC排出規制強化に伴いPCDベースのPUD需要は増加するとみられています。最も一般的な1,6−HD系PCDは常温で固体であるため、取扱いを簡易にしたり処方設計の自由度をあげたりする目的で常温での液状化の検討がされています。
用途
PCDを原料にしたポリウレタンは耐久性に優れるため、主に人工・合成皮革用途に使用されています。共重合PCDを使用した合成皮革は高級車種への採用が高く、内装品の需要が増加している傾向にあります。中国では工業用用途や雑貨用途が多いものの、自動車用途の販売数量が増加傾向にあります。
また塗料・コーティング用途でも用いられ床材塗料や、自動車用シート、PVCレザーのトップコートとして使用されています。その他ハイエンドモバイル端末のコーティング材や、高付加価値TPUで採用されています。
ざっくりですが人工・合皮向け用途で全体の50~60%程度、塗料用途向けで30∼40%程度、残りはその他用途になります。
製造
PCDはアルカンジオール、炭酸ジエステルを原料としエステル交換触媒下で合成します。アルカンジオールで最も一般的なものは1,6−HD(1,6−ヘキサンジオール)で、1,6-HDのみをアルカンジオールとしたものはPCD(ホモポリマー)となります。他アルカンジオールには1,5−PD(1,5−ペンタンジオール)、1,4−BD(1,4−ブタンジオール)、MPD(2-メチル-1,3-プロパンジオール)等があり、組み合わせることで共重合PCD(コポリマー)となります。
Polycarbonate diol 上流と下流の製品情報
原材料
準備製品