合成ゴム 化学特性,用途語,生産方法
解説
合成ゴム,天然ゴムの代用品として開発されたBuna-S(SBR),NBR,クロロプレンなどのゴム状高分子物質をいう.チーグラー触媒の発見により,1955年,Goodyear社がはじめて天然ゴムとまったく同じ構造を有するイソプレンの立体規則性重合に成功した.97% 以上のシス-1,4-ポリイソプレンは天然ゴムと同じ物性を示す.そのほか,ポリブタジエン,ブチルゴム,共重合体であるEPR,EPTなども特殊合成ゴムとして知られている.
製造法と特性
合成ゴム製品の基本的な構造は、高分子量の線状高分子が適当な架橋をしたものであり、非晶性でガラス転移温度が低い。原料ゴムは石油化学製品のモノマー(単量体)を重合して製造される。合成ゴム製品は原料ゴムの種類と架橋方法によって、特徴のある物性を示す。一般的な合成ゴムの加工法は天然ゴムと同じで、原料ゴムを(1)可塑性と粘着性を高めるために素練りをし、(2)各種配合剤を混合して混練り後、(3)各種目的物に成形、(4)加熱加硫してゴム製品とする。加硫は原料ゴムの構造に依存して、硫黄(いおう)によるほか、過酸化物や金属酸化物による場合もある。
合成ゴムはその種類によって、弾性、耐摩耗性、耐熱性、耐老化性、耐寒性、耐オゾン性、耐油性、耐薬品性などの性質のいくつかがとくに優れており、広範囲に使われている。
合成ゴムの将来
このように合成ゴムは、原料と重合法、さらに加硫法などの多様性のために多くの新しい種類が開発されてきた。このうち汎用ゴムはSBRとBRにEPDMが加わってきた。機械工業、自動車工業、電気電子産業などの発展とともに用途が拡大している特殊ゴムは、今後も新しい種類の開発が可能である。たとえば、感光性、導電性、磁性あるいは生体適合性などの機能性合成ゴムがつくられており、加圧導電性ゴムは電子機器やカメラのスイッチに使われている。
合成ゴム 上流と下流の製品情報
原材料
準備製品