CHRYSANTHEMUM 化学特性,用途語,生産方法
解説
キク科(APG分類:キク科)の宿根草。学名の属名は、chrysos=gold(金)とanthemon=flower(花)とがついたラテン語で、元はリンネがキク属のシュンギクC. coronarium L.につけたものとされるが、その後シュンギクは別の属となった。種名はmori(クワ)とfolium(葉)で、フランス人ラマツェルd'Audibert de T. A. J. Ramatuelle(1750―1794)がつけたもの。なおロシア、チェコ、スロバキア、ハンガリーなど東欧諸国ではキクの学名としてシマカンギクの学名C. indicum L.を用いており、現在、キク属の基準種にもなっている。英名は学名と同じクリサンセマムであるが、pot-mum(ポットマム)なども含め、略して単にmum(マム)またはmumflower(マムフラワー)とよぶことがある。和名のキクは漢字の菊の音読みである。
形態
野生のキク属の植物は普通は多年草で、茎は木質で冬には枯れるが、低木状となって茎が木化して冬も枯れないものもある。葉は単葉で裂けないものもあるが、浅くあるいは深く羽裂して、いわゆる菊の葉状になる。両面とも毛は少ないが、裏面に白色の綿毛を密生するものもある。頭状花は小さいものは径1センチメートル、大きいものは3~5センチメートル、中心に管状花、周囲に舌状花があり、両方とも結実するが管状花のほうが稔実率がよい。果実は痩果(そうか)で、円柱形、三稜(さんりょう)形、扁平(へんぺい)なものなどがあり、冠毛はないか、あってもごく短い。日本に野生するものは約20種で、局部的に分布するものが多い。分布や生態に特徴があるものとしては、コハマギク、イソギク、シオギク、ノジギク、リュウノウギク、シマカンギク、アワコガネギク、イワインチンなどがある。
起源
栽培種のキクは同じ形質のものが野生種にはなく、近縁の野生種から改良されてできたものと考えられている。ツンベルクや中井猛之進(たけのしん)はシマカンギクからつくられたとしている。また牧野富太郎はノジギクから改良されたとしている。これに対しマキシモビチK. I. Maksimovich(1827―1891)、ヘムズレーW. B. Hemsley(1843―1924)らは、チョウセンノギク、オオシマノジギク、リュウノウギク、ウラゲノギクなどが交雑されてできたという多元説をとっている。北村四郎(1906―2002)は、キクが中国で唐時代にできた文献的証拠と照らして、シベリア、朝鮮半島から中国東部にまで分布しているチョウセンノギクと、中国中部を北限としてこれより南に分布するシマカンギクとが中国中部で交雑してできたものと述べている。チョウセンノギクは一般に白色花であるが、なかには薄い桃色からかなり濃い紅色まであるという。また染色体数は体細胞で18である。これに対しシマカンギクは一般に黄色花であり、体細胞の染色体数は36の二倍体である。現在の栽培ギクはアントシアン系の紅色花もカロチノイド系の黄色花もあり、染色体数も生殖細胞で27、体細胞で54が標準である。
CHRYSANTHEMUM 上流と下流の製品情報
原材料
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