玄武岩 化学特性,用途語,生産方法
解説
火成岩のうち,火山岩に属し,その組成が塩基性である岩石の総称.basaltの語源はエジプトの石像の石,エチオピアの黒いち密な大理石,あるいは,ヨルダン東部の地名に由来するといわれる.日本語の玄武岩という用語は,兵庫県城崎の玄武洞に由来する.粒の大きなかんらん石を含むものを一般にかんらん石玄武岩,かすみ石や白りゅう石のようなアルカリ長石(準長石とよばれる)を含むものをアルカリ玄武岩などとよぶ.玄武岩は火山岩のなかでもっとも多量に分布し,玄武岩台地,火山島,海れいをつくる.SiO2は35~52% にわたっていて,SiO2が35~40% のものはアルカリ玄武岩が多い.はん晶のない,もっとも多量な玄武岩はトレイ質玄武とよばれ,SiO2が50~52% である.[別用語参照]マグマ,塩基性岩
森北出版「化学辞典(第2版)
構造
玄武岩は緻密堅固で肉眼的に構成鉱物や組織を鑑定するのは困難である.熔岩流で層状に産出するために火成岩か堆積岩かという論争があり,18世紀後半より19世紀にかけて数十年の間,花崗岩と共に火成論者,水成論者の間で議論があり,当時の著名な学者(例えばJ. E. Guettard, N. Desmarest, A. G. Werner, L.von Buch, J. F. d'Aubusisson, R.Jameson)が参加した.これらの論争は火成論に決着して,その後は岩質の研究が中心となった.コルディエルは玄武岩が輝石,ラブラドライト,ときに橄欖石で構成される岩石であるとした[Cordier : 1819].レオナルドは粒度で三大別し,細粒のものを玄武岩,粗粒のものをドレライト,中粒のものをアナメサイト(anamesite)と呼んだ[Leonhard : 1832].しかしアナメサイトという名称はその後用いられていない.一方スタイニンガーは,玄武岩の中でインターサータル構造の石基中にラブラドライトあるいはバイトゥナイトの斑晶のあるものをソレアイト(tholeiite)と呼んだ[Steininger : 1840].また斜方輝石を含む玄武岩がパラティナイト(palatinite)と呼ばれたが[H. Laspeyres : 1869],この語はほとんど使用されていない.その後顕微鏡岩石学の発展とともに詳細な研究が行われるようになり,ツィルケルは玄武岩を,長石玄武岩,ネフェリン玄武岩,リューサイト玄武岩と三大別した[Zirkel : 1870].ローゼンブッシュは一般の玄武岩以外に橄欖石玄武岩を重視し,また玄武岩が斑糲(はんれい)岩の流出型であることを明らかにした[Rosenbusch : 1877, 1887].さらにティールやゲーキーの研究によって,玄武岩はかなり性質の判然とした代表的な火成岩の一つであることが次第に明らかになってきた[Teall : 1888, Geikie : 1888].玄武岩は鉱物成分,化学成分,構造,産状などが輝緑岩と最も類似しており,また成因的にも最も密接な関係にあるものなので,輝緑岩を研究するためには玄武岩を知ることが重要であると考えられる.ギリシャ語のbasanosは試金石の意味があり,またこの石が豊富に産するヨルダン東部のBashanの地名に由来するという考えがある[歌代ほか : 1978].日本語の玄武岩は1885年に玄武洞に因んで命名された.basaltはプリニウスの写本におけるbasanaiteの読み違いで,basanaiteはギリシャ語のbasanites(lithos)で試金石(basanos)の意味であり,究極的にはエジプトの硬砂岩(bhn(w))から来ている[ランダムハウス : 1994].
定義
A dark-colored
basic igneous rock derived from solidified
volcanic lava. It consists mainly of
fine crystals of pyroxine and plagioclase
feldspar.
工業用途
Concrete aggregate, railroad ballast, and roofing granules.
玄武岩 上流と下流の製品情報
原材料
準備製品