天然ゴム 化学特性,用途語,生産方法
存在
植物体内において生合成されたゴムをいう。ゴム含有植物は数多くあるが,そのうち今日企業の対象となっているゴム樹は,元来アマゾン流域に野生していた Hevea brasiliensisと呼ばれる灌木を改良したものである。天然ゴムは,この樹皮を傷つけて流出する乳液 (ラテックス) を集め,処理工場で濃縮した濃縮ラテックスはラテックス工業の原料となり,またラテックスをギ酸のような凝固剤により凝固し,乾燥すれば固形ゴムすなわち生ゴムとなり,ゴム工業の原料となる。今日天然ゴムの主産地はマレーシア,インドネシアを中心とする東南アジアおよびリベリアを中心とする中部アフリカで,1990年の世界年間生産量は,合成ゴムを含めた全原料ゴムが 1512万tであるのに対し,天然ゴムは 515万tで,全体の3割強を占めている。
定義
本品は、ゴムノキ Heavea brasiliensis から得られる樹液である。
解説
ヘビア(Hevea brasiliensis)の木からとれる原料ゴムを,一般に天然ゴムという.ヘビアの樹皮の切り口から流出する乳白色の液体はラテックスといわれ,cis1,4-ポリイソプレン35%,水60%,タンパク質2%,その他3% の成分からなる.これに有機酸を加えてポリイソプレン粒子を凝固させ,乾燥したものを生ゴムという.これを加硫することによってゴム製品がつくられる.この天然ゴムは,一般に物性と加工面で合成ゴムよりすぐれている点が多い.
森北出版「化学辞典(第2版)
構造
天然ゴムは、ゴムの木に傷をつけると浸み出てくるラテックスと呼ばれる白い樹液に酸を加えて凝固させることで得られる成分であるポリイソプレン (:CH2=C(CH3)-CH=CH2) が付加重合したポリマー) から作られます。
このイソプレン部分はcisの構造なので、分子鎖は不規則な形をとっており、結晶化はほとんど起こりません。
化粧品の成分用途
不透明化剤、皮膜形成剤
化学的特性
High tensile strength; relatively low per-
manent set; insensitive to temperature changes.
Attacked by heat, atmospheric oxygen, ozone,
hydrocarbons, and unsaturated fats and oils. Insol-
uble in acetone. Permeable to gases; supports
combustion; abrasion resistance poor unless com-
pounded with carbon black; dissipates vibration
shock; high electrical resistivity.
使用
Natural rubber latex is a starting material
for the rubber industry.
定義
ChEBI: A macromolecule composed of repeating 2-methylbut-2-ene units.
健康ハザード
NRL causes allergic skin reactions
of type I (immediate-type) and type IV
[delayed-type hypersensitivity (DTH)].
使用用途
天然ゴムの約70%は、航空機やトラック、バス、乗用車などのタイヤに使用されています。タイヤとしての耐久性を高めるために合成ゴムの一種であるSBR (・ブタジエンゴム) 、BR (ブタジエンゴム) などと混ぜて耐久性を向上させています。
このようなブレンドの効果もあり、天然ゴムは非常に高い機械的強度を示すため、大型タイヤに用いられることが多いです。タイヤ以外でもベルトやホース、防振用ゴム足などの工業製品から、糸ゴムやゴムバンド、スリッパのような履物などの民生品まで幅広く使用されています。
また、プラスチックへの添加剤として使われることもあります。
特徴
天然ゴムは伸張性、反発弾性、引裂き強さ、圧縮永久歪み、耐摩耗性、耐屈曲亀裂性、粘着性などが優れており、内部発熱が低く、破壊強度が大きいという特徴を持っています。一般的な合成ゴムと同様に耐水性、耐アルコール性は高く、耐油性や耐酸性は低いです。また、耐候性、耐オゾン性も低いのが特徴です。
天然ゴムは天然素材由来であるために、合成ゴムと比べて物性のばらつきがあったり、不純物がふくまれていたりすることもあります。
天然ゴム 上流と下流の製品情報
原材料
準備製品