安全データシート

3-シアノピリジン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 3-シアノピリジン
  • CB番号: CB9852589
  • CAS: 100-54-9
  • EINECS番号: 202-863-0
  • 同義語: 3-シアノピリジン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 化学中間体。犬のペラグラ様疾患の予防と治療。
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H23.1.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
物理化学的危険性
急性毒性(経口)   区分4
健康に対する有害性
注) 上記で区分の記載がない危険有害性は政府向けガイダンス文書で規定された[分類対象外]、[区分外]または[分類できない]に該当するものであり、後述の該当項目の説明を確認する必要がある。
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   区分2(血液系、精巣)
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分2(神経系、精巣)
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分2A

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS05GHS07
注意喚起語
危険
危険有害性情報
H318 重篤な眼の損傷。
H315 皮膚刺激。
H302 飲み込むと有害。
注意書き
安全対策
P280 保護手袋/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P270 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P264 取扱い後は皮膚をよく洗うこと。
応急措置
P332 + P313 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
P305 + P351 + P338 + P310 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に連絡すること。
P302 + P352 皮膚に付着した場合:多量の水で洗うこと。
P301 + P312 + P330 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。口をすすぐこと。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 別名: Nicotinonitrile
    Nicotinic acid nitrile
    3-Cyanopyridine
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C6H4N2
  • 分子量: 104.11 g/mol
  • CAS番号: 100-54-9
  • EC番号: 202-863-0
  • 化審法官報公示番号: 5-742
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 ただちに眼科医の診察を受けること。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後はただちに水を飲ませること(多くても2杯) 医師に相談する。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし

5.2 特有の危険有害性

高熱で空気と反応して爆発性混合物を生じる
蒸気は空気より重く、床に沿って広がることがある。
シアン化水素(青酸)
窒素酸化物(NOx)
炭素酸化物

5.3 消防士へのアドバイス

自給式呼吸器がある場合のみ危険区域に留まってもよい。安全なゾーンまで離れるか適切な保護衣を着用して、皮膚に触れないようにすること。

5.4 詳細情報

容器を危険ゾーンから移動させて水で冷やすこと。 ガス/蒸気/ミストを水スプレージェットで抑える(除去する)。 消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: ほこりを吸い込まないこと。 触れないようにすること。 十分な換気を確保する。 熱や発火源から遠ざける。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 乾燥剤で処置すること。正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。ほこりを生じないようにすること。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

火災及び爆発の予防
炎、熱および発火源から遠ざける。静電気放電に対する予防措置を講ずること。
衛生対策
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔を洗うこと。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 11: 可燃性固体
保管条件
密閉のこと。 乾燥。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔
を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 密着性の高い安全ゴーグル
皮膚及び身体の保護具
手袋を着用して取扱う。 使用前に、必ず手袋を検査する。 (手袋外面に触れずに)適切に手袋
を脱ぎ、本製品の皮膚への付着を避ける。 適用法令およびGLPに従い、使用後に汚染手袋を廃
棄する。 手を洗い、乾燥させる。
選ばれた防護手袋は、EU指令2016/425の仕様と、それから派生する規格EN374を満たすもので
なければならない。
フルコンタクト
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:Dermatril® (KCL 740 / Aldrich Z677272, Size M)
飛沫への接触
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:Dermatril® (KCL 740 / Aldrich Z677272, Size M)
データソース:KCL GmbH, D-36124 Eichenzell, 電話 +49 (0)6659 87300, e-mail sales@kcl.de,
試験方法: EN374
EN374とは違った条件の下で、溶液の中、または他の物質と混ぜて使われる場合は、EC認可手
袋の供給業者に問い合わせる。 この勧告は単なる助言であり、予想される用途の特定状況に精
通した産業衛生専門家並びに安全管理者により評価されなければならない。 任意の使用方法に
ついて許可を受けていると理解すべきではない。
身体の保護
難燃静電気保護服。
呼吸用保護具
ほこりが生じた際に必要。
次の規格に準拠しているフィルター式呼吸器保護具を推奨します。DIN EN 143、DIN 14387お
よび使用済み呼吸器保護システムに関連する他の付属規格。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
結晶
白色~淡黄色
臭い
データなし
pH
データなし

融点・凝固点

51.2 ℃ : Sax(11th, 2004)

沸点、初留点及び沸騰範囲

201 ℃ : Sax(11th, 2004)

引火点

87 ℃ (CC) : IUCLID(2000)

自然発火温度

>600 ℃ : NITE総合検索(Access on Sep. 2010)

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

0.4 mmHg (25 ℃) : Howard(1997)

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

データなし (1.159 g/cm3 (25 ℃) : Lide(90th, 2009))

溶解度

データなし
3.00E+004 mg/L (25 ℃)(EST) : Howard(1997)

オクタノール・水分配係数

0.36 (EXP) : Howard(1997)

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

高熱で空気と反応して爆発性混合物を生じる
引火点より下のおよそ15ケルビンからの範囲は危険とみなされている。

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

強力な熱

10.5 混触危険物質

強酸化剤強酸化剤, 強酸, 強塩基類, 強還元剤

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値: 1475mg/kg(雄)、1455 mg/kg(雌)(厚労省報告(Access on Sep. 2010))。(GHS分類:区分4)
経皮
ラットLDLo値: 2 g/kg(RTECS (2010):元文献 U.S. Environmental Protection Agency; High Production Volume (HPV) Challenge; Pyridine and Pyridine Derivatives Category, 2003)。(GHS分類:区分外(JIS分類基準))
吸入
吸入(粉じん):   データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(蒸気):   データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(ガス):   GHSの定義における固体である。(GHS分類:分類対象外)

皮膚腐食性・刺激性

ウサギを用いた試験(OECD TG 404)で刺激性なし(not irritating)(IUCLID(2000))。(GHS分類:区分外)

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ウサギを用いた試験(OECD TG 405)で強い刺激性(highly irritating)(IUCLID (2000))。(GHS分類:区分2A)

呼吸器感作性又は皮膚感作性

皮膚感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)

生殖細胞変異原性

エームステスト及びCHL細胞を用いた染色体異常試験はいずれも陰性(厚労省報告(Access on Sep. 2010))。(GHS分類:In vivo試験のデータがなく分類できない。)

発がん性

データなし。(GHS分類:分類できない)

生殖毒性

データなし。(GHS分類:分類できない)

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

ラットを用いた単回経口投与試験(OECD TG 401; GLP)において、1297 mg/kg~1388 mg/kg以上で死亡が発生し、投与後の症状として雌雄とも1006 mg/kg以上で活動性低下、緩徐呼吸、流涎、流涙、喘鳴、歩行失調に加え、振戦、斜頚及び眼球突出も散見され、死亡例では腹臥位、横臥位、体温低下、腹式呼吸、散瞳及び間代性痙攣が報告された(厚労省報告(Access on Sep. 2010))。ヒトでは6~12 ppmの吸入ばく露により中枢神経系症状が見られているとの情報(HSDB (2002))もある。また、前述のラットの単回投与試験では、生存例の1485mg/kg以上で精巣の小型化、組織学的には巨細胞形成、精上皮細胞減少及びセルトリ細胞空胞化が見られ、被験物質は精巣毒性を有すると考えられるとの記述(厚労省報告(Access on Sep. 2010))もある。(GHS分類:区分2(神経系、精巣))

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

ラットを用いた28日間反復経口投与毒性試験(日本のテストガイドライン:GLP)において、血液学的検査で180mg/kg/day(90日換算:56 mg/kg/day)で白血球数増加、赤血球数減少、網状赤血球数増加、MCV、MCHの増加、組織学的には赤血球の破壊亢進による脾臓での髄外造血と赤脾髄のヘモジデリン沈着が180 mg/kg/dayの雌雄で見られた(厚労省報告 (Access on Sep. 2010))。また、精巣の精母細胞/精子細胞壊死、精子細胞減少、セルトリ細胞空胞化が180 mg/kg群で観察されている(厚労省報告 (Access on Sep. 2010))。なお、病理組織学的所見として、30mg/kg以上で肝臓の小葉中心性肝細胞肥大、腎臓の近位尿細管上皮の硝子滴沈着が見られている(厚労省報告 (Access on Sep. 2010))が、組織学的に肝臓の機能障害を示す変化がないこと、また、腎臓での変化はラットの雄のみに自然発生的変化であるとの記述(厚労省報告 (Access on Sep. 2010))がある。(GHS分類:区分2(血液系、精巣))

吸引性呼吸器有害性

データなし。(GHS分類:分類できない)

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

データなし

12.2 残留性・分解性

生分解性
結果: - 易分解性ではない。
(OECD テスト ガイドライン 301C)

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

12.6 内分泌かく乱性

データなし

12.7 他の有害影響

非該当
オゾン層への有害性
環境への放出は必ず避けなければならない。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.2 国連輸送名

IATA-DGR (航空規制): Not dangerous goods
IMDG (海上規制): Not dangerous goods
ADR/RID (陸上規制): 非危険物

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): - IMDG (海上規制): - IATA-DGR (航空規制): -

14.5 環境危険有害性

非該当
ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当

14.6 特別の安全対策

14.7 混触危険物質

国際輸送に関する国連勧告の定義上は、危険物に該当しない。
詳細情報
強酸化剤強酸化剤, 強酸, 強塩基類, 強還元剤

15. 適用法令

化審法

第2種監視化学物質(法第2条第5項)(政令番号:2監-698)

毒物及び劇物取締法

劇物・除外品目(指定令第2条)

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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