急性毒性
経口
【分類根拠】
(1) 、(2) より、区分4とした。
【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 雄: 440 mg/kg、雌: 410 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2013))
(2) ラットのLD50: 雄: 424 mg/kg、雌: 450~475 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2013))
経皮
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しない。
【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2013))
(2) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2013))
吸入: ガス
【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。なお、(1) は粒子径が20 mmと大きいため、不採用とした。
【参考データ等】
(1) ラットのLC50 (粉じん、4時間): > 5.32 mg/L (食品安全委員会 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2013))
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) OECD TG 404に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で24/48/72hの平均スコアは全て0であり、刺激性なしと結論された (農薬抄録 (2013)、食品安全委員会 農薬評価書 (2016))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) OECD TG 405に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験で24/48/72hの角膜、虹彩、結膜発赤、結膜浮腫の平均スコアは全て0であり、刺激性なしと結論された (農薬抄録 (2013)、食品安全委員会 農薬評価書 (2016))。
呼吸器感作性
【分類根拠】
データ不足のため、分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) において、皮膚反応は認められず感作性陰性と判定された (農薬抄録 (2013)、食品安全委員会 農薬評価書 (2016))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】
(1)、(2) より、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。
【根拠データ】
(1) in vivoでは、ハムスター又はマウスを用いた染色体異常試験、マウスを用いた小核試験、ハムスターを用いた姉妹染色分体交換試験で陰性の報告がある (農薬抄録 (2013)、食品安全委員会 農薬評価書 (2016))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験、不定期DNA合成試験で陰性の報告、姉妹染色分体交換試験で陰性と陽性の報告、染色体異常試験で陽性の報告がある (農薬抄録 (2013)、食品安全委員会 農薬評価書 (2016))。
発がん性
【分類根拠】
(1) の既存分類結果から、ガイダンスの区分外に相当し、区分に該当しない。
【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでE (Evidence of Non-Carcinogenicity for Humans) (EPA Annual Cancer Report (2018):1993年分類) に分類されている。
【参考データ等】
(2) ラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、投与により発生頻度の増加した腫瘍性病変は認められなかった (食品安全委員会 農薬評価書 (2016))。
(3) マウスに本物質を2年間混餌投与した発がん性試験では、投与により発生頻度の増加した腫瘍性病変は認められなかった (食品安全委員会 農薬評価書 (2016))。
生殖毒性
【分類根拠】
(1)~(4) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による2世代生殖毒性試験において、親動物に体重増加抑制、摂餌量減少がみられる用量で児動物に低体重がみられたが生殖影響はみられていない (食品安全委員会 農薬評価書 (2016))。
(2) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量で胎児に化骨不全がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2016))。
(3) 雌ウサギの妊娠6~18日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (死亡(2/16例)、流産 (1例)、全胚吸収 (2例)、体重減少等) がみられる用量で胎児に母体毒性に起因した着床数及び胎児数減少、低体重、骨格異常 (胸骨分節左右非対称、癒合等) がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2016))。
(4) 雌ラットの妊娠0日~哺育(分娩後)21日に混餌投与した発達神経毒性試験において、母動物に摂餌量減少がみられる用量で、児動物に体重増加抑制、可逆的な運動能及び移動運動能の低下がみられたが、FOB、神経病理組織学的検査等で検体投与の影響は認められず、発達神経毒性は認められていない (食品安全委員会 農薬評価書 (2016))。