安全データシート

n-オクタン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: n-オクタン
  • CB番号: CB2124951
  • CAS: 111-65-9
  • EINECS番号: 203-892-1
  • 同義語: オクタン,n-オクタン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: ニトロセルロース,アセチルセルロース,天然および、合成樹脂,アルコール可溶染料の溶媒,防湿セロハンの接着,速乾ワニス,エナメル,つめみがきに使用.鉄, 硫酸根,二硫化炭素の定量用試薬, Kar1 Fischer試薬.
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H25.8.22、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用
GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性
引火性液体   区分2
健康に対する有害性
皮膚腐食性及び刺激性   区分2
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性   区分2
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)   区分3(気道刺激性、麻酔作用)
吸引性呼吸器有害性   区分1
分類実施日
環境に対する有害性はH18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用
環境に対する有害性
水生環境有害性 (急性)   区分1
水生環境有害性 (長期間)   区分1

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS02GHS07GHS08GHS09
注意喚起語
危険
危険有害性情報
H225 引火性の高い液体及び蒸気。
H304 飲み込んで気道に侵入すると生命に危険のおそれ。
H315 皮膚刺激。
H336 眠気又はめまいのおそれ。
H410 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性。
注意書き
安全対策
P210 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。
P233 容器を密閉しておくこと。
P240 容器を接地しアースをとること。
P241 防爆型の【電気機器/換気装置/照明機器/機器】を使用すること。
P242 火花を発生させない工具を使用すること。
P243 静電気放電に対する措置を講ずること。
P261 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264 取扱い後は皮膚をよく洗うこと。
P271 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
P273 環境への放出を避けること。
P280 保護手袋/保護眼鏡/保護面を着用すること。
応急措置
P301 + P310 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P303 + P361 + P353 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。
P304 + P340 + P312 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し,呼吸しやすい姿勢で休息させること。 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P331 無理に吐かせないこと。
P332 + P313 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
P391 漏出物を回収すること。
保管
P403 + P233 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P403 + P235 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P405 施錠して保管すること。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 別名: n-Octane
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C8H18
  • 分子量: 114.23 g/mol
  • CAS番号: 111-65-9
  • EC番号: 203-892-1
  • 化審法官報公示番号: 2-8
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。ただちに医師の診察を受けること。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後の嘔吐には対応が必要。誤嚥の危険。気道の開放状態を保つこと。 嘔吐物の誤嚥後は呼吸不全のおそれ。 直ちに医師を呼ぶ。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし
適切な消火剤
二酸化炭素(CO2) 泡 粉末

5.2 特有の危険有害性

炭素酸化物
可燃性。
逆火に注意する。
蒸気は空気より重く、床に沿って広がることがある。
火災時に有害な燃焼ガスや蒸気を生じるおそれあり。
周囲温度で空気と反応して爆発性混合物を生じる。

5.3 消防士へのアドバイス

自給式呼吸器がある場合のみ危険区域に留まってもよい。安全なゾーンまで離れるか適切な保護衣を着用して、皮膚に触れないようにすること。

5.4 詳細情報

容器を危険ゾーンから移動させて水で冷やすこと。 消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: 蒸気、エアゾールを吸入してはならない。 触れないようにすること。 十分な換気を確保する。 熱や発火源から遠ざける。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。 爆発のおそれ。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 液体吸収剤(例. Chemizorb® )で処置すること。 正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

安全取扱注意事項
蒸気やエアロゾルが生じないようにすること。
火災及び爆発の予防
炎、熱および発火源から遠ざける。静電気放電に対する予防措置を講ずること。
衛生対策
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔を洗うこと。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管条件
容器を密閉し、乾燥した換気の良い場所に保管する。 熱や発火源から遠ざける。吸湿性あり

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
OEL-M: 300 ppm 1,400 - 日本産業衛生学会 許容濃度等の勧告
TWA: 300 ppm - 米国。 ACGIH限界閾値(TLV)

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔
を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 保護眼鏡
身体の保護
難燃静電気保護服。
呼吸用保護具
気化ガス/エアロゾル発生時に必要 次の規格に準拠しているフィルター式呼吸器保護具を推奨し
ます。DIN EN 143、DIN 14387および使用済み呼吸器保護システムに関連する他の付属規格。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。 爆発のおそれ。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体: Merck (13th, 2001)
情報なし
臭い
特異臭
臭いのしきい(閾)値
48ppm
pH
情報なし

融点・凝固点

-56.76℃: HSDB(2014)

沸点、初留点及び沸騰範囲

125.67℃: HSDB(2014)

引火点

13℃(c.c.): HSDB(2014)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

情報なし

燃焼性(固体、気体)

燃焼性

燃焼又は爆発範囲

下限 1.0 vol %上限 6.5vol % :NFPA (13th, 2002)%

蒸気圧

67.1 mbar (50℃): GESTIS (2005)

蒸気密度

3.9 (air=1): NFPA (13th, 2002)

比重(相対密度)

0.70 (water = 1) : NFPA (13th, 2002)

溶解度

水に不溶。 :Merck (13th, 2001) エーテルの可溶。ベンゼンと混和。 :Merck (13th, 2001)

n-オクタノール/水分配係数

log Pow = 5.18

自然発火温度

206℃ :HSDB(2014)

分解温度

情報なし

粘度(粘性率)

0.5151 cP (25℃): HSDB (2005)

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

蒸気は空気と爆発性混合物を形成することがある。

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

次と激しく反応
強酸化剤

10.4 避けるべき条件

警告

10.5 混触危険物質

多様なプラスチック, 強酸化剤

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
データ不足のため分類できない。
経皮
データ不足のため分類できない。
吸入:ガス
GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気
データ不足のため分類できない。
吸入:粉じん及びミスト
ラットのLC50値 (4時間) として、118mg/L (PATTY (6th, 2012)) との報告に基づき、区分外とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (61.3mg/L) より高いため、ミストの基準値を適用した。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

ボランティアによる試験において、前腕部に1時間、太腿に5時間適用した結果、適用部位に充血、炎症、着色等が生じ、熱感や痒みを伴った (PATTY (6th, 2012)) との報告がある。5時間適用では水疱形成が見られたが回復性を示したと記載されている (HSDB (Access on July 2014))。以上の結果から区分2とした。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

本物質の眼刺激性の報告は得られなかったが、皮膚刺激性で区分2とされている。また、本物質は炭化水素であり、軽度-中等度の眼刺激性を有し、回復性の眼傷害を生じさせる可能性があるとの記載がある (HSDB (Access on July 2014)) ことから、区分2とした。

呼吸器感作性

データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

データ不足のため分類できない。

生殖細胞変異原性

データ不足のため分類できない。

発がん性

データ不足のため分類できない。

生殖毒性

データ不足のため分類できない。

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

ヒトにおいては、鼻、喉に刺激性を有する(ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on June 2014))。また、高濃度ばく露で麻酔作用 (ACGIH (2001))、(PATTY (6th, 2012)、痙攣 (HSDB (Access on June 2014)) の記載がある。 ラットに本物質0.2 mLの吸入ばく露 (詳細記載無し) で心停止、呼吸麻痺、痙攣、窒息、死亡、マウスに31mg/Lの吸入ばく露では横位、44 mg/Lで反射消失、マウスに6,600-13,700 ppmの吸入ばく露で麻酔、マウスの16,000 ppm、32,000 ppmの吸入ばく露で呼吸停止 (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1989)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2001)、HSDB (Access on June 2014)) の報告がある。 以上より、本物質は気道刺激性及び麻酔作用があると考えられ、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

データ不足のため分類できない。

吸引性呼吸器有害性

本物質は動粘性率が0.7373 (計算値: HSDB (Access on June 2014) に記載の粘性率及び密度 (各々25℃) より算出) の炭化水素であること、ヒトで誤嚥による吸引により炭化水素化合物に共通して化学性肺炎を生じるとの記述 (HSDB (Access on June 2014))、並びにラットにn-ノナンを反復経口投与した試験で、異物の吸引による肺傷害に関連した影響がみられたとの記述 (SIDS (2013) より、区分1に分類した。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
死亡率 LC50 - Oryzias latipes - 0.42 mg/l - 96.0 h
ミジンコ等の水生無脊
止水式試験 EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - 0.38 mg/l - 48 h
椎動物に対する毒性
備考: (ECHA)
藻類に対する毒性
成長抑制 最大無影響濃度 - Pseudokirchneriella subcapitata(ムレミカヅキ
モ) - 5.8 mg/l - 72 h

12.2 残留性・分解性

生分解性
好気性 - 曝露時間 10 d
結果: 70.3 % - 易分解性。
備考: (ECHA)
理論上の酸素要求
3,500 mg/g
(量)
備考: (Lit.)

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 1262    IMDG (海上規制): 1262    IATA-DGR (航空規制): 1262

14.2 国連輸送名

ADR/RID (陸上規制): OCTANES
IMDG (海上規制): OCTANES
IATA-DGR (航空規制): Octanes

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 3    IMDG (海上規制): 3    IATA-DGR (航空規制): 3

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): II IMDG (海上規制): II IATA-DGR (航空規制): II

14.5 環境危険有害性

ADR/RID: 該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当
該当

14.6 特別の安全対策

なし

14.7 混触危険物質

多様なプラスチック, 強酸化剤

15. 適用法令

労働安全衛生法

名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) 危険物・引火性の物

消防法

第4類引火性液体、第一石油類非水溶性液体

航空法

引火性液体

船舶安全法

引火性液体類

16. その他の情報

略語と頭字語

EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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