安全データシート

2‐アミノアントラキノン

改訂日:2024-01-29版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 2‐アミノアントラキノン
  • CB番号: CB0437266
  • CAS: 117-79-3
  • 同義語: 2‐アミノアントラキノン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 染料中間体
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H22.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用
物理化学的危険性
火薬類   分類対象外
可燃性・引火性ガス   分類対象外
可燃性・引火性エアゾール   分類対象外
支燃性・酸化性ガス類   分類対象外
高圧ガス   分類対象外
引火性液体   分類対象外
可燃性固体   分類できない
自己反応性化学品   分類対象外
自然発火性液体   分類対象外
自然発火性固体   分類できない
自己発熱性化学品   区分外
水反応可燃性化学品   分類対象外
酸化性液体   分類対象外
酸化性固体   区分外
有機過酸化物   分類対象外
金属腐食性物質   分類できない
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分外
急性毒性(経皮)   分類できない
急性毒性(吸入:ガス)   分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない
急性毒性(吸入:粉じん)   分類できない
急性毒性(吸入:ミスト)   分類対象外
皮膚腐食性・刺激性   区分外
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分外
呼吸器感作性   分類できない
皮膚感作性   分類できない
生殖細胞変異原性   分類できない
発がん性   区分外
生殖毒性   分類できない
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   分類できない
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   分類できない
吸引性呼吸器有害性   分類できない
環境に対する有害性
水生環境急性有害性   区分外
水生環境慢性有害性   区分外
ラベル要素
絵表示又はシンボル
GHS07GHS08
注意喚起語
危険有害性情報
注意書き
【安全対策】
データなし
【応急措置】
データなし
【保管】
データなし
【廃棄】
データなし

3. 組成及び成分情報

  • 化学名又は一般名: 2‐アミノアントラキノン
  • 別名: 2‐アミノアントラセン‐9‐10‐ジオン、(2-Aminoanthracene-9,10-dione)、ベータ‐アミノアントラキノン、(beta-Aminoanthraquinone)
  • 分子式 (分子量): C14H9NO2(223.2)
  • CAS番号: 117-79-3
  • 官報公示整理番号(化審法・安衛法): (4)-706
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし
  • 濃度又は濃度範囲: 100%

4. 応急措置

吸入した場合

気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。

皮膚に付着した場合

水と石鹸で洗うこと。
皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。

目に入った場合

水で数分間注意深く洗うこと。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。

飲み込んだ場合

口をすすぐこと。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。

予想される急性症状及び遅発性症状

データなし

最も重要な兆候及び症状

データなし

応急措置をする者の保護

データなし

医師に対する特別注意事項

データなし

5. 火災時の措置

消火剤

水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類

使ってはならない消火剤

棒状放水

特有の危険有害性

熱、火花及び火炎で発火するおそれがある。
激しく加熱すると燃焼する。
火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。

特有の消火方法

危険でなければ火災区域から容器を移動する。
安全に対処できるならば着火源を除去すること。

消火を行う者の保護

適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具および緊急措置

全ての着火源を取り除く。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
密閉された場所に立入る前に換気する。

環境に対する注意事項

環境中に放出してはならない。

回収・中和

漏洩物を掃き集めて空容器に回収し、後で廃棄処理する。

封じ込め及び浄化方法・機材

水で湿らせ、空気中のダストを減らし分散を防ぐ。

二次災害の防止策

すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項
取扱い後はよく手を洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
接触回避
『10.安定性及び反応性』を参照。

保管

技術的対策
特別に技術的対策は必要としない。
混触危険物質
『10.安定性及び反応性』を参照。
保管条件
容器を密閉して冷乾所にて保存すること。
容器包装材料
データなし

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

未設定 (2009年度)

許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標)

日本産衛学会
未設定 (2009年度)
ACGIH
未設定 (2009年度)

設備対策

この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
作業場には全体換気装置、局所排気装置を設置すること。

保護具

呼吸器の保護具
適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具
適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具
適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具
適切な保護衣を着用すること。

衛生対策

取扱い後はよく手を洗うこと。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体
赤色
臭い
データなし
pH
データなし

融点・凝固点

303~306℃ : Chapman ( 2009)

沸点、初留点及び沸騰範囲

昇華 : Lide (88th, 2008)

引火点

283℃ : IUCLID (2000)

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

5.1×10^(-11)mmHg (25℃) : Howard (1997)

蒸気密度

7.71 : GESTIS (access on Jul. 2009)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

450kg/m3 : IUCLID (2000)

溶解度

水 : 0.0015g/L (20℃):IUCLID (2000)
ベンゼン、クロロフォルム、アセトン : 可溶 : Lide (88th, 2008) エーテル : 不溶 : Sax (11th, 2004) アルコール、ベンゼン : 可溶 : Sax (11th, 2004)

オクタノール・水分配係数

log P = 2.1 : IUCLID (2000)

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

安定性

法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる

危険有害反応可能性

加熱すると分解し、有毒なヒューム(窒素酸化物)を生じる。強力な酸化剤と反応する。

避けるべき条件

加熱

混触危険物質

強力な酸化剤

危険有害な分解生成物

窒素酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50が >36g/kg bw(IARC 27 (1982))の記載による。
経皮
データなし
吸入
吸入(ガス):   常温で固体である。
吸入(蒸気):   データなし
吸入(粉じん):   データなし

皮膚腐食性・刺激性

ウサギを使用した試験で刺激性なし(not irritating) (IUCLID (2000))との記載による。

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ウサギを使用した試験で刺激性なし(not irritating) (IUCLID (2000))との記載による。

呼吸器感作性又は皮膚感作性

呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:データなし

生殖細胞変異原性

in vivoのデータがないので分類できない。なお、in vitro試験では、エームス試験で陰性または陽性((NTP DB (access on Jul. 2009))、IUCLID (2000))、CHO細胞を用いた染色体異常試験で陽性(NTP DB (access on Jul. 2009))が報告されている。また、当該物質は労働安全衛生法第57条の3に基づき変異原性が認められた既存化学物質である。

発がん性

IARCでグループ3に分類されている(IARC vol27(1982))ことから、ガイダンスに従い区分外とした。なお、マウスおよびラットに78週間混餌投与後、さらにマウスで15~16週間、ラットで28~32週間経過後に検査した試験で、マウスでは肝細胞癌と悪性造血リンパ腫の発生、ラットでは肝細胞癌または肝臓腫瘍結節の発生増加が見られ、両動物種とも発がん性があると結論されており(NTP TR144 (1978))、NTP ROCでは「B」に分類されている(NTP ROC No.11(2005))。しかしIARCでは上記の試験に対し「試験は低純度のものが使われているため、動物試験は限定的証拠」と考え、「純度の不確実性ならびにヒト知見がないことから、評価できない」と結論付け、グループ3としている(IARC vol27(1982))。

生殖毒性

データなし

12. 環境影響情報

水生環境急性有害性

魚類 (ゴールデンオルフェ) での96時間LC50 > 10000mg/L (AQUIRE, 2010)、甲殻類 (オオミジンコ) での48時間EC50 > 378mg/L (IUCLID, 2000) であることから、区分外とした。

水生環境慢性有害性

難水溶性 (水溶解度 = 0.163mg/L (PHYSPROP Database, 2009) かつ、水溶解度までの濃度において急性毒性値が得られていない (AQUIRE, 2010; IUCLID, 2000) が、生物濃縮性が低いと推定される (BCF = 18-46 (既存点検, 1989)) ことから、区分外とした。

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。

汚染容器及び包装

容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14. 輸送上の注意

国際規制

海上規制情報
該当しない
航空規制情報
該当しない

国内規制

陸上規制情報
規制なし
海上規制情報
該当しない
航空規制情報
該当しない

特別安全対策

移送時にイエローカードの保持が必要。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。

緊急時応急措置指針番号

151

15. 適用法令

労働安全衛生法

変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達) 2-アミノアントラキノン

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

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