安全データシート

酸化セリウム(Ⅳ)

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 酸化セリウム(Ⅳ)
  • CB番号: CB4666451
  • CAS: 1306-38-3
  • EINECS番号: 215-150-4
  • 同義語: 酸化セリウム

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 板ガラス研磨、レンズ消色、ブラウン管研磨、光学ガラス研磨、自動車排気ガス触媒
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H23.1.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
健康に対する有害性
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分2(肺)
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   区分1(肺)
<環境分類実施日に関する情報>
注) 上記で区分の記載がない危険有害性は政府向けガイダンス文書で規定された[分類対象外]、[区分外]または[分類できない]に該当するものであり、後述の該当項目の説明を確認する必要がある。

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

GHS分類基準に該当しない。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 別名: Ceric oxide
    Ceric oxide, ceria
  • 化学特性(示性式、構造式 等): CeO2
  • 分子量: 172.11 g/mol
  • CAS番号: 1306-38-3
  • EC番号: 215-150-4
  • 化審法官報公示番号: 1-627
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後は水を飲ませる(多くても2杯)。気分が悪い場合は医師の診察を受ける。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

適切な消火剤
水噴霧、耐アルコール泡消火剤、粉末消火剤、二酸化炭素を使用すること。

5.2 特有の危険有害性

セリウム酸化物
可燃性。
火災時に有害な燃焼ガスや蒸気を生じるおそれあり。

5.3 消防士へのアドバイス

火災時には、自給式呼吸器を着用する。

5.4 詳細情報

消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: ほこりを吸い込まないこと。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 乾燥剤で処置すること。正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。ほこりを生じないようにすること。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 13: 否可燃性固体
保管条件
密閉のこと。 乾燥。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類は替えること。本物質を扱った後は手を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 保護眼鏡
呼吸用保護具
呼吸保護は必要ではない。粉塵の不快レベルにより保護が望まれる場合、N95型(US)または
P1型(EN 143)粉塵マスクを使用する。 NIOSH(US)またはCEN(EU)などの適切な政府
機関の規格で試験され、認められた呼吸用保護具および部品を使用する。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
粉末または結晶
白色、通常は淡黄色
臭い
データなし
pH
データなし

融点・凝固点

2480 ℃ : Lide(90th, 2009)

沸点、初留点及び沸騰範囲

データなし

引火点

データなし

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

データなし

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

データなし (7.216 g/cm3 : Lide(90th, 2009))

溶解度

不溶 : 環境省リスク評価 第8巻(2010)
溶剤に不溶 : IUCLID (2000)

オクタノール・水分配係数

データなし

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

可燃性有機物質及び製剤に概ね該当:微細に分散し、舞い上がった場合、粉じん爆発を起こす可能性が
通常想定される。

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

次と激しく反応
強酸
酸化剤

10.4 避けるべき条件

情報なし

10.5 混触危険物質

データなし

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値:>5000 mg/kg bw(IUCLID (2000))。(GHS分類:区分外)
経皮
ラットLD50値:>2000mg/kg bw(IUCLID (2000))、2000 mg/kg bwの投与で死亡はない。(GHS分類:区分外)
吸入
吸入(ガス):   GHSの定義における固体である。(GHS分類:分類対象外)
吸入(蒸気):   データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(粉じん):   ラットLC50値:>5.05 mg/L(OECD TG403)(IUCLID (2000))。なお、粒径3ミクロン以下が85.4%を占める(IUCLID (2000))との記述から粉じんの基準値を適用した。(GHS分類:区分外(JIS分類基準))

皮膚腐食性・刺激性

ウサギに試験物質0.5gを適用した試験(OECD TG404)において刺激性なし(not irritating)、およびウサギを用いた別の試験で皮膚一次刺激指数は0.0で刺激性なし(not irritating)(IUCLID (2000))。(GHS分類:区分外)

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ウサギの眼に試験物質0.1gを適用した試験(OECD TG405)において、刺激性なし(not irritating)(IUCLID (2000))、およびウサギを用いた別の試験で軽微な刺激性(slightly irritating)(IUCLID (2000))。(GHS分類:区分外)

呼吸器感作性又は皮膚感作性

呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
皮膚感作性:モルモットを用いたマキシマイゼーション試験(OECD TG406)で惹起後に感作性反応は認められず、感作性なし(Not sensitizing.)(IUCLID (2000))。(GHS分類:分類できない)

生殖細胞変異原性

マウスの経口投与による骨髄細胞を用いた小核試験(OECD TG474)(体細胞in vivo変異原性試験)は陰性(IUCLID(2000))。なお、in vitro試験では、エームステストの結果は陰性(環境省リスク評価 第8巻(2010))。(GHS分類:区分外)

発がん性

US EPAは発がん性のリスク評価ガイドラインの下では、ヒトでの発がんの可能性を評価するにはデータが不十分である(IRIS (2009) Tox Review) 。(GHS分類:分類できない)

生殖毒性

データなし。(GHS分類:分類できない)

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

ラットに4.12~5.98 mg/Lの濃度(粉じん)を4時間吸入ばく露した試験(OECD TG 433; GLP)において、2/10匹に努力性呼吸と被毛の乱れ、全例の肺ににびまん性のやや白い病巣を伴った不完全な虚脱が見られた(IUCLID (2000))。なお、経口投与試験では、ラットに5000 mg/kg bwの投与で死亡はなく、正常な体重増加を示し、剖検でも異常は見られていない(IUCLID (2000))。(GHS分類:区分2(肺))

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

セリウム等の希土類元素ヒュームのばく露を長年に亘り受けた労働者の肺では希土類元素の蓄積が見られ、肉芽腫、気腫、間質の線維化の肺病変と肺活量の低下が報告されている(環境省リスク評価 第8巻(2010))。また、酸化セリウム研磨剤にばく露後から少なくとも15年以上経過した後、呼吸困難のため受診した58歳の男性に軽度の胸膜肥厚と肺閉塞が見られ、病理検査の結果、慢性肥厚性胸膜炎と診断された事例(環境省リスク評価 第8巻(2010))、35年間光学レンズの研磨作業に従事し、離職後13年経過後に酸化セリウムのばく露に関連する希土類元素じん肺が判明した68歳男性の事例(PATTY (5th, 2001))の報告がある。これらの事例は希土類元素の肺における長期間の残留を示すものであり、酸化セリウムのばく露が関与しているとされる有害事象発生の報告は多い。一方、ラットに粉じんばく露による13週間反復吸入試験において、剖検では5 mg/m3以上のほぼ半数で横隔膜の拡張、退色、全例で気管支リンパ節の変化、51mg/m3以上の全動物で肺の退色、組織検査では、5 mg/m3以上の雌雄の気管支リンパ節でリンパ組織増生と色素沈着、肺で色素沈着、51 mg/m3以上の雌雄の肺で肺胞上皮の過形成、咽頭で化生及び色素沈着がそれぞれ認められた(環境省リスク評価 第8巻(2010))。(GHS分類:区分1(肺))

吸引性呼吸器有害性

データなし。(GHS分類:分類できない)

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

データなし

12.2 残留性・分解性

生分解性の判定方法は無機物質には適用されない。

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

12.6 内分泌かく乱性

データなし

12.7 他の有害影響

データなし

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.2 国連輸送名

ADR/RID (陸上規制): 非危険物
IMDG (海上規制): Not dangerous goods
IATA-DGR (航空規制): Not dangerous goods

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): - IMDG (海上規制): - IATA-DGR (航空規制): -

14.5 環境危険有害性

ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当
非該当

14.6 特別の安全対策

14.7 混触危険物質

詳細情報
国際輸送に関する国連勧告の定義上は、危険物に該当しない。

15. 適用法令

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

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