急性毒性
経口
※:本物質(CAS登録番号:13588-28-8)は、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)の市販品(DPGME異性体混合物、CAS登録番号:34590-94-8)を構成する4つの異性体の1つに該当し、有害性データが存在する市販品の組成比の2~5%を占める(SIAR (2001))。
【分類根拠】
(1)、(2)より、本物質の異性体混合物(CAS登録番号:34590-94-8)では区分に該当しない。ただし、本物質のみを用いた試験データはなく、データ不足のため分類できない。
【参考データ等】
(1)ラットのLD50(DPGME異性体混合物):5,180~5,400 mg/kg(SIAR (2001)、Patty (6th, 2012))
(2)本物質の異性体混合物(CAS登録番号:34590-94-8)は区分に該当しないに分類されている(2010年度GHS分類結果)。
経皮
【分類根拠】
(1)、(2)より、本物質の異性体混合物(CAS登録番号:34590-94-8)では区分に該当しない。ただし、本物質のみを用いた試験データはなく、データ不足のため分類できない。
【参考データ等】
(1)ウサギのLD50(DPGME異性体混合物):9,500~> 19,000 mg/kg(SIAR (2001)、Patty (6th, 2012))
(2)本物質の異性体混合物(CAS登録番号:34590-94-8)は区分に該当しないに分類されている(2010年度GHS分類結果)。
吸入: ガス
【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】
(1)、(2)より、本物質の異性体混合物(CAS登録番号:34590-94-8)では区分に該当しない。ただし、本物質のみを用いた試験データはなく、データ不足のため分類できない。
【参考データ等】
(1)ラットLC50(DPGME異性体混合物、7時間):> 500 ppm (4時間換算:> 5.30 mg/L(661 ppm))(SIAR (2001)、Patty (6th, 2012))
(2)本物質の異性体混合物(CAS登録番号:34590-94-8)は区分に該当しないに分類されている(2010年度GHS分類結果)。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
【参考データ等】
(1)本物質を含む異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)について、ウサギを用いた複数の皮膚刺激性試験で、いずれも刺激性みられなかったとの報告がある(SIAR (2002))。
(2)本物質を含む異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)について、ウサギを用いた90日間経皮投与試験では、死亡例が生じた最高用量群(10 mL/kg/day)で軽度の刺激性(軽度の鱗状化)がみられたとの報告がある(DFG MAK (1994)、ECETOC TR95 vol. II (2005))。
(3)本物質を含む異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)について、ウサギ(n= 2)を用いた皮膚刺激性試験(閉塞、2時間適用、5日間観察)では、皮膚刺激性はみられなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
【参考データ等】
(1)本物質を含む異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)について、20%水溶液を10人に1滴適用したところ、軽度の一過性知覚刺激、結膜血管の充血、眼内圧の軽度増加を生じた。全ての影響は2時間以内に消失したとの報告がある(MOE 初期評価暫定的有害性評価シート (2011)、SIAR (2002)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。
(2)本物質を含む異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)について、ウサギを用いた眼刺激性試験において、結膜と眼瞼の縁に刺激性変化がみられたが、7日以内に回復したとの報告がある(SIAR (2002)、ECETOC TR95 vol. II (2005))。
呼吸器感作性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
【参考データ等】
(1)本物質を含む異性体混合物であるDPGME(CAS登録番号:34590-94-8)について、200人の背部皮膚にDPGMEを5日間接触させ、3週間後にDPGMEを同じ部位に48時間適用したが、皮膚感作性反応はみられなかった。また、50人の皮膚にDPGMEを1日おきに4~5時間計10回適用し、3週間後に24~48時間適用したが、皮膚感作性反応はみられなかったとの報告がある。(SIAR (2002)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
【参考データ等】
(1)In vivoでは、構造関連物質のPropylene glycol monomethyl ether(PGME、CAS登録番号:107-98-2)について、マウスの骨髄の赤血球を用いた小核試験(投与経路不明)で、最高用量(6,000 mg/kg)まで陰性との報告がある(SIAR (2001))。
(2)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験、及びほ乳類培養細胞(CHL及びCHO)を用いた染色体異常試験で、代謝活性化の有無に関わらず陰性である(SIAR (2001)、Patty (6th, 2012))。
(3)本物質を含む異性体混合物であるDipropylene glycol monomethyl ether(DPGME、CAS登録番号:34590-94-8)の本項目は分類できないである(2010年度GHS分類結果)。
発がん性
【分類根拠】
データがなく分類できない。
【参考データ等】
(1)DPGME(異性体混合物)の構造関連物質であるPropylene glycol monomethyl ether(PGME:CAS登録番号:107-98-2)については、ラット及びマウスを用いた2年間吸入ばく露による発がん性試験で、発がん性は認められないことを示唆する結果が得られている(SIAR (2001))。
(2)DPGME(異性体混合物)の本項は、分類できないと判定されている(2010年度GHS分類結果)。
生殖毒性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。混合物中含量2~5%以下のマイナー異性体である本物質には、異性体混合物のデータを利用しなかった。
【参考データ等】
(1)DPGME(異性体混合物)について、ラットを用いた吸入ばく露による発生毒性試験において、300 ppmまで、母動物毒性、胚・胎児毒性も催奇形性もみられなかったとの報告がある(SIAR (2001)、MOE 初期評価:暫定的有害性評価シート (2011)、Patty (6th, 2012))。
(2)DPGME(異性体混合物)について、ウサギを用いた吸入ばく露による発生毒性試験において、最大濃度の300 ppmまで、母動物、胎児ともに影響はみられなかったとの報告がある(SIAR (2001)、MOE 初期評価:暫定的有害性評価シート (2011)、Patty (6th, 2012))。
(3)DPGMEの構造関連物質のPropylene glycol monomethyl ether(PGME CAS登録番号:107-98-2)について、ラットの吸入ばく露による2世代生殖毒性試験では、1,000 ppmまで受胎能、繁殖指標への有害影響はみられなかったとの報告がある(SIAR (2001))。
(4)DPGME(CAS登録番号:34590-94-8)の本項は、分類できないと判定されている(2010年度GHS分類結果)。