安全データシート

N-(シクロヘキシルチオ)フタルイミド

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: N-(シクロヘキシルチオ)フタルイミド
  • CB番号: CB9315619
  • CAS: 17796-82-6
  • 同義語: N-(シクロヘキシルチオ)フタルイミド

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 有機ゴム薬品
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H21.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)を使用
物理化学的危険性
火薬類   分類対象外
可燃性・引火性ガス   分類対象外
可燃性・引火性エアゾール   分類対象外
支燃性・酸化性ガス類   分類対象外
高圧ガス   分類対象外
引火性液体   分類対象外
可燃性固体   分類できない
自己反応性化学品   分類対象外
自然発火性液体   分類対象外
自然発火性固体   分類できない
自己発熱性化学品   分類できない
水反応可燃性化学品   分類対象外
酸化性液体   分類対象外
酸化性固体   分類対象外
有機過酸化物   分類対象外
金属腐食性物質   分類できない
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分外
急性毒性(経皮)   区分外
急性毒性(吸入:ガス)   分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない
急性毒性(吸入:粉じん)   分類できない
急性毒性(吸入:ミスト)   分類対象外
皮膚腐食性・刺激性   区分外
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分2
呼吸器感作性   分類できない
皮膚感作性   区分1
生殖細胞変異原性   区分外
発がん性   分類できない
生殖毒性   区分外
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分外
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   区分2(肺)
吸引性呼吸器有害性   分類できない
環境に対する有害性
水生環境急性有害性   区分1
水生環境慢性有害性   区分1

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS07GHS08
注意喚起語
警告
危険有害性情報
強い眼刺激
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
長期にわたる、または反復暴露による臓器の障害のおそ
れ: 肺
注意書き
[安全対策]
粉じん、煙、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護眼鏡を着用すること。
[応急措置]
皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。皮膚刺激または発疹が生じ
た場合:医師の診断、手当てを受けること。汚染された衣類を脱ぐこと。そし
て再使用する場合には洗濯をすること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用して
いて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。眼の刺激が続
く場合は、医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : N-(シクロヘキシルチオ)フタルイミド
  • 濃度又は濃度範囲: : >98.0%(N)
  • CAS RN: : 17796-82-6
  • 別名 : Cyclohexyl N-Phthalimidyl Sulfide
  • 化学式: : C14H15NO2S
  • 官報公示整理番号 化審法: : (5)-3358
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。気分が悪い時
は、医師の診断、手当てを受けること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で
洗うこと。皮膚刺激または発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受ける
こと。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。

飲み込んだ場合:

気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

個人用保護具を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

作業者が直接暴露されないように、できるだけ密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵マスク、簡易防塵マスク等。
手の保護具:
保護手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体
データなし
臭い
データなし
pH
データなし

融点・凝固点

93~94℃ : NITE総合検索 (Access on June 2009)

沸点、初留点及び沸騰範囲

データなし

引火点

177℃ (開放式) : NITE総合検索 (Access on June 2009)

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

データなし

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

データなし

溶解度

データなし

オクタノール・水分配係数

データなし

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, 窒素酸化物, 硫黄酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットを用いた経口投与試験のLD50値2,600 mg/kg(IUCLID (2000)、HSDB(2005))、4,600 mg/kg、8,200 mg/kg(IUCLID (2000))等の記述があり、最小値の2,600 mg/kgは国連GHS急性毒性区分5に該当するが、国内では不採用区分につき、区分外とした。
経皮
ウサギを用いた経皮投与試験のLD50値>5,010 mg/kg(IUCLID (2000)、HSDB(2005))、>2,510 mg/kg、>7,940 mg/kg(IUCLID (2000))の記述があることから、区分外とした。
吸入
吸入(ガス):   GHS定義上の固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
吸入(蒸気):   データがないので分類できない。
吸入(粉じん):   データがないので分類できない。

皮膚腐食性・刺激性

ウサギを用いたDraize試験で「not irritating、PII: 1.7/8」(IUCLID(2000))と「not irritating、PII: 1.2/8」(IUCLID(2000))の記述があることから、区分外とした。

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ウサギを用いたDraize試験で「irritating、Draizeスコア48/110」(IUCLID(2000))、「irritating、Draizeスコア35/110」(IUCLID(2000))、「Mildly irritating、Draizeスコア22.3-24.6/110」(HSDB(2005))の記述があり、「not irritating」(IUCLID(2000))の記述もあるが、区分2に相当するデータが多いことから、区分2とした。

呼吸器感作性又は皮膚感作性

呼吸器感作性:データがないので分類できない。
皮膚感作性:ヒトのパッチテストで「sensitizing」(IUCLID(2000))の記述があり、「ヒトへのアレルギー反応がみられた」(HSDB(2005))との記述もあることから、区分1とした。

生殖細胞変異原性

体細胞in vivo変異原性試験(ラットを用いた染色体異常試験)で「陰性」(HSDB(2005))、in vitro変異原性試験(ネズミチフス菌を用いたAmes試験、マウスリンフォーマ試験)で「陰性」(IUCLID(2000)、HSDB(2005))の記述があることから、区分外とした。

発がん性

主要な国際的評価機関による評価がなされておらず、データ不足のため分類できない。 なお、HSDB(2005)に、ラットを用いた24ヶ月間混餌試験(PRL Protocol、GLP)についての記述があり、その引用文献(USCh(2003))を確認したところ、「ヒト健康に発がん作用を及ぼさない」旨の記述があった。

生殖毒性

ラットを用いた2世代生殖毒性試験(Bio/dynamics Laboratory method、GLP)で生殖毒性がみられず(IUCLID(2000)、HSDB(2005))、ウサギを用いた催奇形性試験(Bio/dynamics Laboratory method、GLP)で、母動物に体重減少がみられた用量で催奇性がみられなかった(IUCLID(2000))ことから、区分外とした。

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

ラットを用いた単回経口投与試験において、投与量3,160 mg/kgまでの試験で「臨床観察で活動低下、食欲低下がみられたが、剖検の結果すべての臓器で正常であった」(HSDB(2005))旨の記述から、区分外とした。

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

ラットを用いた28日間経口投与試験(PRL Protocol、GLP)(IUCLID(2000)、HSDB(2005))で引用文献(USCh(2003))を確認したところ、区分2のガイダンス値の範囲内で「体重減少はみられたが、血液所見、臓器重量、剖検結果に影響ない」旨の記述がある。一方、ラットを用いた90日間吸入ばく露試験(Bio/dynamics Protocol、GLP)で区分2のガイダンス値の範囲内で「肺のラッセル音、散在性肉芽腫」(HSDB(2005))がみられたことから、区分2(肺)とした。

吸引性呼吸器有害性

データがないので分類できない。

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし

生体蓄積性(BCF):

情報なし

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
情報なし
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

適切な保護具を着用する。
地方条例や国内規制に従う。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
却炉で焼却する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

該当なし。

国連分類:

国連の分類基準に該当せず。

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

新規指定化学物質(第一種 )(平成20年11月21日公布、平成21年10月1日施行、PRTR:平成22年4月1日把握開始、平成23年4月1日届出開始 ) N-(シクロヘキシルチオ)フタルイミド (政令番号:1-155 )

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

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