急性毒性
経口
※:本物質はo-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:95-50-1)、m-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:541-73-1)、p-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:106-46-7)の各異性体を任意の割合で含む。
【分類根拠】
本物質は混合物であり、その混合比率が不明のためATEを算出できず、分類できないとした。ただし、本物質の成分、組成比及び毒性に係る情報が得られる場合、JIS Z7252を参照し区分を判定する必要がある。
【参考データ等】
(1)o-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:95-50-1)及びm-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:541-73-1)の本項は、区分4と判定している(2015年度GHS分類結果)。
(2)p-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:106-46-7)の本項は、区分に該当しないと判定している(2015年度GHS分類結果)。
経皮
【分類根拠】
本物質は混合物であり、その混合比率が不明のためATEを算出できず、分類できないとした。ただし、本物質の成分、組成比及び毒性に係る情報が得られる場合、JIS Z7252を参照し区分を判定する必要がある。
【参考データ等】
(1)o-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:95-50-1)の本項は、分類できないと判定している(2015年度GHS分類結果)。
(2)m-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:541-73-1)及びp-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:106-46-7)の本項は、区分に該当しないと判定している(2015年度GHS分類結果)。
吸入: ガス
【分類根拠】
本物質(混合物)についてのデータはないが、(1)の各異性体の外観(常温・常圧における三態)より、ガスには該当しないと考えられる。
【参考データ等】
(1)o-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:95-50-1)及びm-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:541-73-1)はGHSの定義における液体、p-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:106-46-7)は固体である(2015年度GHS分類)。
吸入: 蒸気
【分類根拠】
本物質は混合物であり、その混合比率が不明のためATEを算出できず、分類できないとした。ただし、本物質の成分、組成比及び毒性に係る情報が得られる場合、JIS Z7252を参照し区分を判定する必要がある。
【参考データ等】
(1)o-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:95-50-1)の本項は区分4、m-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:541-73-1)の本項は、区分3と判定している(2015年度GHS分類結果)。
(2)p-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:106-46-7)の本項は、区分に該当しない(分類対象外)と判定している(2015年度GHS分類結果)。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】
本物質は混合物であり、その混合比率が不明のためATEを算出できず、分類できないとした。ただし、本物質の成分、組成比及び毒性に係る情報が得られる場合、JIS Z7252を参照し区分を判定する必要がある。
【参考データ等】
(1)o-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:95-50-1)の本項は、分類できないと判定している(2015年度GHS分類結果)。
(2)m-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:541-73-1)及びp-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:106-46-7)の本項は、区分に該当しないと判定している(2015年度GHS分類結果)。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】
本物質は混合物であり、その混合比率が不明のため分類できない。なお、o-ジクロロベンゼン又はm-ジクロロベンゼンを10%以上含む場合は区分2となる。ただし、本物質の成分、組成比及び毒性に係る情報が得られる場合、JIS Z7252を参照し区分を判定する必要がある。
【参考データ等】
(1)o-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:95-50-1)及びm-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:541-73-1)の本項は、区分2と判定している(2015年度GHS分類結果)。
(2)p-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:106-46-1)の本項は、区分に該当しないと判定している(2015年度GHS分類結果)。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】
(1)~(3)の各異性体の分類結果に基づき、区分2とした。ただし、本物質の成分、組成比及び毒性に係る情報が得られる場合、JIS Z7252を参照し区分を判定する必要がある。
【参考データ等】
(1)m-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:541-73-1)の本項は、区分2Aと判定している(2015年度GHS分類結果)。
(2)o-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:95-50-1)の本項は、区分2Bと判定している(2015年度GHS分類結果)。
(3)p-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:106-46-1)の本項は、区分2と判定している(2015年度GHS分類結果)。
呼吸器感作性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。ただし、本物質の成分、組成比及び毒性に係る情報が得られる場合、JIS Z7252を参照し区分を判定する必要がある。
【参考データ等】
(1)o-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:95-50-1)、m-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:541-73-1)、p-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:106-46-7)の本項は、いずれも分類できないと判定している(2015年度GHS分類結果)。
皮膚感作性
【分類根拠】
本物質は混合物であり、その混合比率が不明のため分類できない。なお、p-ジクロロベンゼンを1.0%以上含む場合は少なくとも区分1となる。ただし、本物質の成分、組成比及び毒性に係る情報が得られる場合、JIS Z7252を参照し区分を判定する必要がある。
【参考データ等】
(1)p-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:106-46-1)の本項は、区分1と判定している(2015年度GHS分類結果)。
(2)o-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:95-50-1)及びm-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:541-73-1)の本項は、分類できないと判定している(2015年度GHS分類結果)。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。ただし、本物質の成分、組成比及び毒性に係る情報が得られる場合、JIS Z7252を参照し区分を判定する必要がある。
【参考データ等】
(1)o-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:95-50-1)、m-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:541-73-1)、p-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:106-46-7)の本項は、いずれも分類できないと判定している(2015年度GHS分類結果)。
発がん性
【分類根拠】
本物質のデータはなく分類できないが、(1)~(3)よりp-ジクロロベンゼンを0.1%以上含む場合は少なくとも区分1Bに該当する。ただし、本物質の成分、組成比及び毒性に係る情報が得られる場合、JIS Z7252を参照し区分を判定する必要がある。
【参考データ等】
(1)p-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:106-46-7)について、ラット及びマウスを用いた強制経口投与による2年間発がん性試験において、ラットでは尿細管上皮細胞がんの頻度増加が雄に、マウスでは肝細胞腺腫、肝細胞がんの頻度増加が雌雄にそれぞれ認められた (IARC 73 (1999)、ACGIH (7th, 2001))。
(2)p-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:106-46-7)について、ラット、又はマウスに本物質蒸気を2年間吸入ばく露した試験では、マウスの試験で肝細胞がん、組織球性肉腫の頻度増加が雄に、肝細胞がん、肝細胞腺腫、及び肺の細気管支/肺胞上皮がんの頻度増加が雌にみられたことが報告されている (厚労省委託がん原性試験結果 (Access on August 2015))。
(3)パラ-ジクロルベンゼンは厚生労働省化学物質による健康障害防止指針(がん原性指針)の対象物質である。(令和2年2月7日付け健康障害を防止するための指針公示第 27号)
(4)既存分類結果としては、IARCがグループ2Bに (IARC 73 (1999))、ACGIHがA3に (ACGIH (7th, 2001))、日本産業衛生学会が第2群Bに (産衛学会許容濃度の勧告 (2015))、NTPがRに (NTP RoC (13th, 2014))、EUが Carc. 2 に (EU-RAR (2004))、それぞれ分類している。
生殖毒性
【分類根拠】
本物質は混合物であり、その混合比率が不明のため分類できない。なお、p-ジクロロベンゼンを3%以上含む場合は少なくとも区分2となる。ただし、成分、組成比及び毒性に係る情報が得られる場合、JIS Z7252を参照し区分を判定する必要がある。
【参考データ等】
(1)p-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:106-46-1)の本項は区分2と判定している(2015年度GHS分類)。
(2)o-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:95-50-1)、m-ジクロロベンゼン(CAS登録番号:541-73-1)は分類できないと判定している(2015年度GHS分類)。