安全データシート

クロトン酸

改訂日:2024-01-29版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: クロトン酸
  • CB番号: CB9145403
  • CAS: 3724-65-0
  • 同義語: クロトン酸

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: コモノマーの様々な共重合体の合成
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H23.1.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
物理化学的危険性
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分4
急性毒性(経皮)   区分3
皮膚腐食性・刺激性   区分2
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分2A
<環境分類実施日に関する情報>
注) 上記で区分の記載がない危険有害性は政府向けガイダンス文書で規定された[分類対象外]、[区分外]または[分類できない]に該当するものであり、後述の該当項目の説明を確認する必要がある。
ラベル要素
絵表示又はシンボル
GHS07GHS05
注意喚起語
危険
危険有害性情報
飲み込むと有害
皮膚に接触すると有毒
皮膚刺激
強い眼刺激
注意書き
【安全対策】
取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
適切な保護眼鏡、保護面、保護手袋、保護衣を着用すること。
【応急措置 】
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
直ちに汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
眼の刺激が続く場合:医師の診断、手当てを受けること。
皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
口をすすぐこと。
皮膚に付着した場合:気分が悪い時は医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で優しく洗うこと。
皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
飲み込んだ場合:気分が悪い時は医師に連絡すること。
【保管】
施錠して保管すること。
【廃棄】
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学名又は一般名: クロトン酸
  • 別名: ブタ-2-エン酸 (But-2-enoic acid)、 (2-Butenoic acid)
  • 分子式 (分子量): C4H6O2(86.09)
  • CAS番号: 3724-65-0
  • 官報公示整理番号(化審法・安衛法): (2)-963
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし
  • 濃度又は濃度範囲: 100%

4. 応急措置

吸入した場合

気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。

皮膚に付着した場合

多量の水と石鹸で洗うこと。
気分が悪い時は医師に連絡すること。
皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
直ちに汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。

眼に入った場合

水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診断、手当てを受けること。

飲み込んだ場合

気分が悪い時は医師に連絡すること。
口をすすぐこと。

予想される急性症状及び遅発性症状

吸入 : 灼熱感、咳、頭痛、吐き気、息切れ、咽頭痛
症状は遅れて現われることがある(「注」参照)。
皮膚 : 皮膚熱傷、灼熱感、痛み
眼 : 痛み、かすみ眼、重度の熱傷
経口摂取 : 痛み、灼熱感、下痢、咽頭痛、嘔吐

最も重要な兆候及び症状

肺水腫の症状は 2~3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である。

応急措置をする者の保護

データなし

医師に対する特別注意事項

医師または医師が認定した者による適切な吸入療法の迅速な施行を検討する。

5. 火災時の措置

消火剤

水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類

使ってはならない消火剤

データなし。

特有の危険有害性

加熱されると分解して、腐食性及び/又は毒性の煙霧を発生するおそれがある。
火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。

特有の消火方法

危険でなければ火災区域から容器を移動する。
安全に対処できるならば着火源を除去すること。

消火を行う者の保護

適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具および緊急措置

直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
密閉された場所に立入る前に換気する。
全ての着火源を取り除く。

環境に対する注意事項

環境中に放出してはならない。

回収・中和

漏洩物を掃き集めて空容器に回収し、後で廃棄処理する。

封じ込め及び浄化方法・機材

水で湿らせ、空気中のダストを減らし分散を防ぐ。

二次災害の防止策

プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
消防法の規定に従う。
局所排気・全体換気
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項
取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
適切な保護眼鏡、保護面、保護手袋、保護衣を着用すること。
接触回避
10項に示す混触危険物質との接触を回避する。

保管

技術的対策
消防法の規定に従う。
保管条件
施錠して保管すること。
容器包装材料
データなし。

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

未設定

許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標)

日本産衛学会
未設定
ACGIH
未設定

設備対策

この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には,適切な洗眼器と安全シャワーを設置すること。
ばく露を防止するため、作業場には適切な全体換気装置、局所排気装置を設置すること。

保護具

呼吸器の保護具
適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具
適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具
適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具
適切な保護衣を着用すること。

衛生対策

取扱い後はよく手を洗うこと。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体
無色、白色~黄色
臭い
刺激臭
pH
データなし

融点・凝固点

71.5 ℃ : Lide (90th, 2009)

沸点、初留点及び沸騰範囲

169 ℃ (101 kPa) : Ullmanns(E) (6th, 2003)

引火点

87.8 ℃ (OC) : Sax (11th, 2004)

自然発火温度

396 ℃ : Ullmanns(E) (6th, 2003)

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

88℃以上では、蒸気/空気の爆発性混合気体を生じることがある。 : ICSC (1996)

蒸気圧

0.506 mmHg (25 ℃) : Howard (1997)

蒸気密度

2.97 : Sax (11th, 2004)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

データなし (1.018 g/cm3 : Ullmanns(E) (6th, 2003))

溶解度

41.5 g/kg (0 ℃), 94 g/kg (25 ℃) : Ullmanns(E) (6th, 2003)
データなし

オクタノール・水分配係数

logP=0.72 (exp) : SRC (Access on Aug. 2010)

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

安定性

法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる

危険有害反応可能性

紫外線や湿気の影響下で重合することがある。水溶液は弱酸である。塩基、酸化剤、還元剤と激しく反応し、火災および爆発の危険をもたらす。

避けるべき条件

データなし

混触危険物質

塩基、酸化剤、還元剤

危険有害な分解生成物

データなし

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値: 400-1000 mg/kg (PATTY (5th, 2001))。(GHS分類:区分4)
経皮
ウサギLD50値: 600 mg/kg (PATTY (5th, 2001)) 。(GHS分類:区分3)
吸入
吸入(ガス):   GHSの定義における固体である。(GHS分類:分類対象外)
吸入(蒸気):   データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(粉じん):   データなし。(GHS分類:分類できない)

皮膚腐食性・刺激性

ウサギまたはモルモットの皮膚に無希釈の試験物質100 mgを適用した試験で、いずれも強い刺激性(strong irritant)(PATTY (5th, 2001))。(GHS分類:区分2)

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ウサギを用いた試験で刺激性(irritating)があり、眼に重度の傷害を起こす(severely damaging)(PATTY (5th, 2001))。(GHS分類:区分2A)

呼吸器感作性又は皮膚感作性

呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
皮膚感作性:モルモットを用いた足蹠注射法による皮膚感作性試験で、5匹中1匹に陽性反応が認められた(PATTY (5th, 2001))。(GHS分類:データ不足で分類できない。)

生殖細胞変異原性

Ames試験で陰性(PATTY (5th, 2001))。(GHS分類:in vivo 試験のデータがなく分類できない。)

発がん性

データなし。(GHS分類:分類できない)

生殖毒性

データなし。(GHS分類:分類できない)

12. 環境影響情報

生態毒性

水生環境有害性(急性有害性)
データなし。(GHS分類:分類できない)
水生環境有害性(長期間有害性)
データなし。(GHS分類:分類できない)

オゾン層への有害性

当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。(GHS分類:分類できない)

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。

汚染容器及び包装

容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14. 輸送上の注意

該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報に基づく修正の必要がある。

国連番号
2823
品名
クロトン酸
Proper Shipping Name
CROTONIC ACID, SOLID
クラス
8
PG
海洋汚染物質
非該当

国際規制

海上規制情報
IMOの規定に従う。

国際規制

航空規制情報
ICAO・IATAの規定に従う。

国内規制

陸上規制情報
消防法規定に従う。
海上規制情報
船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報
航空法の規定に従う。

特別安全対策

移送時にイエローカードの保持が必要。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。

緊急時応急措置指針番号

153

15. 適用法令

消防法

指定可燃物、可燃性固体類(法第9条の4、危険物令第1条の12・別表第4)

船舶安全法

腐食性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)

航空法

腐食性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
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