急性毒性
経口
ラットのLD50値(>2000 mg/kg、2830 mg/kg(雄)、3730 mg/kg(雌))(SIDS (2004))。GHS分類:区分外(国連GHS分類基準の区分5)。
経皮
ラットに2000 mg/kg を投与して死亡はなく、LD50値は >2000 mg/kg bw(SIDS (2004))。GHS分類:区分外
吸入:ガス
GHSの定義における液体である。GHS分類:分類対象外 GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気
データなし。GHS分類:分類できない データなし。
吸入:粉じん及びミスト
ラットに5.4 mg/L(ミスト)を4時間ばく露(OECD TG 403; GLP)により死亡はなく、LC50値は>5.4 mg/L/4h(SIDS (2004))。GHS分類:区分外。
皮膚腐食性及び刺激性
ウサギ3匹に試験物質原液0.5 mLを4時間の半閉塞適用した試験(OECD TG 404; GLP)において、唯一刺激性スコアが0より大きい場合はパッチ除去30〜60分後1匹に観察された紅斑のスコア1のみで、24、48、72時間後の観察では全動物のスコアは0で刺激性なし(not irritating)(SIDS (2004))。GHS分類:区分外。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
ウサギ3匹の眼に本物質原液0.1 mLを適用した試験(OECD TG 405; GLP)において、適用後24, 48, 72時間の3時点の3匹のスコアの平均は、角膜混濁 1、虹彩炎 0.4、結膜発赤 2.0、結膜浮腫 0.9であり、23日後においても3匹中2匹にスコア1の角膜混濁、スコア2および3の結膜発赤が認められ、強い刺激性(highly irritating)と評価された(SIDS (2004))。GHS分類:区分2A。なお、ウサギ3匹の眼に本物質原液を適用した別の試験では軽度の結膜刺激、および軽度で、かつ一過性の角膜傷害を起こしたが、数日から1週間以内に回復したとの報告あり(ECETOC 95 (2005))。 ウサギ3匹の眼に本物質原液0.1 mLを適用した試験(OECD TG 405; GLP)において、適用後24, 48, 72時間の3時点の3匹のスコアの平均は、角膜混濁 1、虹彩炎 0.4、結膜発赤 2.0、結膜浮腫 0.9であり、23日後においても3匹中2匹にスコア1の角膜混濁、スコア2および3の結膜発赤が認められ、強い刺激性(highly irritating)と評価された(SIDS (2004))。GHS分類:区分2A。なお、ウサギ3匹の眼に本物質原液を適用した別の試験では軽度の結膜刺激、および軽度
呼吸器感作性
データなし。GHS分類:分類できない データなし。
皮膚感作性
モルモットを用いた皮膚感作性試験(Buehler法: OECD TG 406, GLP)において、陽性率は0%(0/20)で皮膚感作性なし(not sensitizing)(SIDS (2004))・GHS分類:区分外。
生殖細胞変異原性
マウス経口投与による骨髄を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)では、高用量(2000 mg/kg)を投与した動物において小核の出現率が僅かに上昇し、1回目の試験では統計的有意に到達したが2回目では達しなかった(その傾向は認められた)。この研究の報告者はこの知見の原因を低体温とした。低体温は高用量の動物のみで生じ、低体温からの二次性の影響として小核が増加することが他の化学物質により明らかにされている。非常に高い用量における in vitro の陰性の結果と in vivo の曖昧な結果は生理的ストレスに起因する可能性があり、したがってプロピレングリコールフェニルエーテルは環境中でばく露する可能性のある量では遺伝子毒性有害性をもたらさないと考えられる(SIDS (2004))。GHS分類:区分外。なお、in vitro試験では、エームス試験およびヒトリンパ球細胞を用いる染色体異常試験の結果は陰性(SIDS (2004))であった。 マウス経口投与による骨髄を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)では、高用量(2000 mg/kg)を投与した動物において小核の出現率が僅かに上昇し、1回目の試験では統計的有意に到達したが2回目では達しなかった(その傾向は認められた)。この研究の報告者はこの知見の原因を低体温とした。低体温は高用量の動物のみで生じ、低体温からの二次性の影響として小核が増加することが他の化学物質により明らかにされている。非常に高い用量における in vitro の陰性の結果と in vivo の曖昧な結果は生理的
発がん性
データなし。GHS分類:分類できない データなし。
生殖毒性
ラットの飲水投与による2世代生殖毒性試験(OECD TG 416, GLP)において、各世代とも親動物で一般毒性(飲水量および摂餌量の低下、体重増加抑制)がみられた用量(5000 ppm)で、生殖能、生殖器官組織に対する悪影響はなく、仔に対しても同一用量で体重低下、器官重量の変化、性成熟遅延が見出されたのみで発生に及ぼす悪影響は報告されていない(SIDS (2004))。また、妊娠ウサギの器官形成期に経口投与した試験(OECD TG 414, GLP)において、母動物が一般毒性(摂餌量低下、体重増加抑制)を示した用量(540 mg/kg/日)で、胎仔の骨格変異(13肋骨の増加)が増加したが、催奇形性を含む仔の発生に及ぼす悪影響は認められなかった(SIDS (2004))。以上より、性機能および生殖能に対する悪影響および子の発生に対する悪影響のいずれも認められない。GHS分類:区分外。 ラットの飲水投与による2世代生殖毒性試験(OECD TG 416, GLP)において、各世代とも親動物で一般毒性(飲水量および摂餌量の低下、体重増加抑制)がみられた用量(5000 ppm)で、生殖能、生殖器官組織に対する悪影響はなく、仔に対しても同一用量で体重低下、器官重量の変化、性成熟遅延が見出されたのみで発生に及ぼす悪影響は報告されていない(SIDS (2004))。また、妊娠ウサギの器官形成期に経口投与した試験(OECD TG 414, GLP)において、母動物が一般毒性(摂餌量低下、体重増加抑制)