安全データシート

クロロシクロヘキサン

改訂日:2024-01-29版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: クロロシクロヘキサン
  • CB番号: CB4483443
  • CAS: 542-18-7
  • 同義語: クロロシクロヘキサン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 農薬原料、ゴム薬原料、医薬・農薬中間体
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H24.3.1、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
環境に対する有害性はGHS改訂4版を使用
物理化学的危険性
引火性液体   区分3
環境に対する有害性
水生環境有害性 (急性)   区分2
水生環境有害性 (長期間)   区分2

GHSラベル要素

絵表示
GHS02GHS09
注意喚起語
警告
危険有害性情報
引火性液体及び蒸気
長期継続的影響により水生生物に毒性   長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性
注意書き
安全対策
熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。-禁煙。
容器を密閉しておくこと。
容器を接地すること、アースをとること。
防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。
火花を発生させない工具を使用すること。
静電気放電に対する予防措置を講ずること。
環境への放出を避けること。
保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
応急措置
皮膚(又は髪)に付着した場合:汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。皮膚を流水、シャワーで洗うこと。
火災の場合には、火元への燃焼源を断ち、適切な消火剤を使用して消火すること。
漏出物を回収すること。
保管
換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
廃棄
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。

3. 組成及び成分情報

  • 単一製品・混合物の区別: 単一製品
  • 化学名又は一般名: クロロシクロヘキサン
  • 別名: クロルシクロヘキサン、モノクロロシクロヘキサン、ヘキサクロロシクロヘキサン、Cyclohexyl chloride、Monochlorocyclohexane、Hexahydrochlorobenzene
  • 濃度又は濃度範囲: 100%
  • 分子式 (分子量): C6H11Cl (118.61)
  • CAS番号: 542-18-7
  • 官報公示整理番号(化審法): (3)-2252
  • 官報公示整理番号(安衛法): (3)-2252
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし。

4. 応急措置

吸入した場合

気分が悪いときは医師に連絡すること。

皮膚に付着した場合

汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。皮膚を流水、シャワーで洗うこと。   皮膚(又は髪)に付着した場合:汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。皮膚を流水、シャワーで洗うこと。
皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。

眼に入った場合

水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。

飲み込んだ場合

気分が悪いときは医師に連絡すること。口をすすぐこと。

予想される急性症状及び遅発性症状の最も重要な兆候及び症状

データなし。

応急措置をする者の保護

データなし。

医師に対する特別注意事項

データなし。

5. 火災時の措置

消火剤

粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素、砂

使ってはならない消火剤

棒状水

特有の危険有害性

当該製品は分子中にハロゲンを含有しているため火災時に刺激性もしくは有毒なヒューム(またはガス)を放出する。   当該製品は[分子中にN,P,S,ハロゲン]を含有しているため火災時に刺激性もしくは有毒なヒューム(またはガス)を放出する。
当該製品は分子中にハロゲンを含有しているため燃焼ガスには、一酸化炭素などの他、ハロゲン酸化物系のガスなどの有毒ガスが含まれるので、消火作業の際には、煙を吸入しないように注意する。   当該製品は[分子中にN,P,S,ハロゲン]を含有しているため燃焼ガスには、一酸化酸素などの他、窒素酸化物系のガスなどの有毒ガスが含まれるので、消火作業の際には、煙を吸入しないように注意する。

特有の消火方法

消火作業は、風上から行う。
周辺火災の場合に移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。
火災発生場所の周辺に関係者以外の立入りを禁止する。
関係者以外は安全な場所に退去させる。
消火に粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素、砂を使用すること。   P370シリーズを記載

消火を行う者の保護

消火作業では、適切な保護具(手袋、眼鏡、マスク等)を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置

作業には、必ず保護具(手袋・眼鏡・マスクなど)を着用する。
多量の場合、人を安全な場所に退避させる。
必要に応じた換気を確保する。

環境に対する注意事項

漏出物を河川や下水に直接流してはいけない。
漏出物を回収すること。

封じ込め及び浄化の方法及び機材

少量の場合、吸着剤(土・砂・ウエスなど)で吸着させ取り除いた後、残りをウエス、雑巾などでよく拭き取る。大量の水で洗い流す。
多量の場合、盛り土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いてからドラムなどに回収する。
付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。
床に漏れた状態で放置すると、滑り易くスリップ事故の原因となるため注意する。
漏出物の上をむやみに歩かない。
火花を発生しない安全な用具を使用する。
回収物の収納容器は、内容物の処分を行うまで密封しておく。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。
安全取扱い注意事項
熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。-禁煙。
容器を密閉しておくこと。
容器を接地すること、アースをとること。
防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。
火花を発生させない工具を使用すること。
静電気放電に対する予防措置を講ずること。
環境への放出を避けること。
保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
火気厳禁
衛生対策
取扱い後は手などをよく洗うこと。

保管

安全な保管条件
換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。   P403+P235:換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
火気厳禁
容器包装材料
データなし。   データなし

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

未設定

許容濃度

日本産衛学会(2010年度版)
未設定

許容濃度

ACGIH(2011年版)
未設定

設備対策

蒸気またはヒュームやミストが発生する場合は、局所排気装置を設置する。
取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。
容器を接地すること、アースをとること。
防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。
火花を発生させない工具を使用すること。
静電気放電に対する予防措置を講ずること。

保護具

呼吸器の保護具
必要に応じて、適切な呼吸器用保護具を着用すること。
手の保護具
保護手袋を着用すること。
眼の保護具
保護眼鏡、保護面を着用すること。
皮膚及び身体の保護具
保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体(Merck (14th, 2006))
無色~僅かに薄い黄色(厚生省報告(2007))
臭い
刺激臭(Merck (14th, 2006))
臭いのしきい(閾)値
データなし。
pH
データなし。

融点・凝固点

-44℃(Merck (14th, 2006))

沸点、初留点及び沸騰範囲

142℃(Merck (14th, 2006))

引火点

32℃(CC)(GESTIS(Access on Feb. 2011))

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし。

燃焼性(固体、気体)

データなし。

燃焼又は爆発範囲

上限:7.5%GESTIS (Access on Feb. 2011)
下限:1.1%GESTIS (Access on Feb. 2011)

蒸気圧

6.73 mmHg(25℃)(Howard (1997))

蒸気密度

4.12(厚生省報告(2007))

比重(相対密度)

1.004(厚生省報告(2007))

溶解度

水:不溶(Merck (14th, 2006))
アルコール等に溶解(Merck (14th, 2006))

n-オクタノール/水分配係数

3.36(EST)(Howard (1997))

自然発火温度

290℃(HSDB (2002))

分解温度

データなし。

粘度(粘性率)

1.73mPa・s(20℃)(GESTIS (Access on Feb. 2011))

10. 安定性及び反応性

反応性

情報なし。

安定性

情報なし。

危険有害反応可能性

データなし。

避けるべき条件

データなし。

混触危険物質

データなし。

危険有害な分解生成物

データなし。

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットで2000 mg/kg投与で死亡はなく、LD50値は >2000 mg/kg(厚労省報告 (2007))である。GHS分類:区分外   ラットで2000 mg/kg投与で死亡はなく、LD50値は >2000 mg/kg(厚労省報告 (2007))であることから区分外とした。
経皮
データなし。GHS分類:分類できない   データなし。
吸入:ガス
GHSの定義における液体である。GHS分類:分類対象外   GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気
データ不足。なお、ラットのLC50値は2時間ばく露で40 mg/L/2h (30 mg/L/4h) (RTECS (2006))と報告されているが、詳細不明である。また、LC50値(40 mg/L)は飽和蒸気圧濃度(43 mg/L)の90%以上のため、試験条件はミストが混在する蒸気とみなし。た。GHS分類:分類できない   データ不足。なお、ラットのLC50値は2時間ばく露で40 mg/L/2h (30 mg/L/4h) (RTECS (2006))と報告されているが、List 3の情報であり、詳細不明である。また、LC50値(40 mg/L)は飽和蒸気圧濃度(43 mg/L)の90%以上のため、試験条件はミストが混在する蒸気とみなした。
吸入:粉じん及びミスト
データなし。GHS分類:分類できない   データなし。

皮膚腐食性及び刺激性

データなし。なお、シクロヘキサンとして、ヒトの皮膚に対し軽度の刺激性との記載(HSDB(2002))がある。GHS分類:分類できない   データなし。なお、シクロヘキサンとして、ヒトの皮膚に対し軽度の刺激性との記載(HSDB(2002))がある。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

データなし。GHS分類:分類できない   データなし。

呼吸器感作性

データなし。GHS分類:分類できない   データなし。

皮膚感作性

データなし。GHS分類:分類できない   データなし。

生殖細胞変異原性

in vivo試験のデータがないので、分類できない。なお、in vitro試験として、エームス試験およびチャイニーズハムスターの肺由来細胞を用いた染色細胞異常試験でいずれも陰性(厚労省報告 (2006))が報告されている。GHS分類:分類できない   in vivo試験のデータがないので、分類できない。なお、in vitro試験として、エームス試験およびチャイニーズハムスターの肺由来細胞を用いた染色細胞異常試験でいずれも陰性(厚労省報告 (2006))が報告されている。

発がん性

データなし。GHS分類:分類できない   データなし。

生殖毒性

ラットに経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験において、親動物の一般毒性として高用量群で流涎および体重増加抑制が現れたが、性機能および生殖能、新生児の生存、外表などの指標に変化はなく、本物質に起因する生殖毒性の証拠は認められなかった(厚労省報告 (2007))。しかし、妊娠末期の胎仔検査における催奇形性を含む仔の発生に及ぼす影響については、データ不十分のため「分類できない」とした。GHS分類:分類できない   ラットに経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験において、親動物の一般毒性として高用量群で流涎および体重増加抑制が現れたが、性機能および生殖能、新生児の生存、外表などの指標に変化はなく、本物質に起因する生殖毒性の証拠は認められなかった(厚労省報告 (2007))。しかし、妊娠末期の胎仔検査における催奇形性を含む仔の発生に及ぼす影響については、データ不十分のため「分類できない」とした。

12. 環境影響情報

生態毒性

水生環境有害性(急性)
甲殻類(ミジンコ)の48時間EC50 =4.018mg/L(AQUIRE, 2012) から、区分2とした。GHS分類:区分2   甲殻類(ミジンコ)の48時間EC50 =4.018mg/L(AQUIRE, 2012) から、区分2とした。
水生環境有害性(長期間)
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(難分解、BODによる分解度:0%(既存点検, 1977))、急性毒性区分2であることから、区分2とした。GHS分類:区分2   信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(難分解、BODによる分解度:0%(既存点検, 1977))、急性毒性区分2であることから、区分2とした。

オゾン層への有害性

当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。GHS分類:分類できない

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。

汚染容器及び包装

容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14. 輸送上の注意

国際規制

国連番号
1993
国連品名
その他の引火性液体(他の危険性を有しないもの)
国連危険有害性クラス
3
容器等級
海洋汚染物質
該当

国内規制

海上規制情報
船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報
航空法の規定に従う。
陸上規制情報
消防法の規定に従う。

特別安全対策

移送時にイエローカードの保持が必要。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。

緊急時応急措置指針番号

128

15. 適用法令

労働安全衛生法

危険物・引火性の物

消防法

第4類引火性液体、第二石油類非水溶性液体

船舶安全法

引火性液体類、

航空法

引火性液体

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

推奨製品
ブロモシクロヘキサン SDS 1-クロロ-2-メチルプロパン SDS 2-クロロ-2-メチルプロパン SDS トリクロロ鉄(III) SDS コリン クロリド SDS (-)-メンチル クロリド SDS シクロペンテン SDS 2-クロロシクロヘキサノン SDS クロロシクロペンタン SDS 塩化ビニル SDS