安全データシート

ジ(2‐エチルヘキシル)ジチオホスフェート

改訂日:2024-01-29版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: ジ(2‐エチルヘキシル)ジチオホスフェート
  • CB番号: CB7896590
  • CAS: 5810-88-8
  • 同義語: ジ(2‐エチルヘキシル)ジチオホスフェート

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 主な用途は潤滑油添加物及びさび止めである(HSDB (2003))。潤滑油添加剤の原料(15710の化学商品 (2010))。
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H23.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
物理化学的危険性
健康に対する有害性
注) 上記で区分の記載がない危険有害性は政府向けガイダンス文書で規定された[分類対象外]、[区分外]または[分類できない]に該当するものであり、後述の該当項目の説明を確認する必要がある。
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分1
皮膚腐食性・刺激性   区分1
急性毒性(経皮)   区分4
ラベル要素
絵表示又はシンボル
GHS05
注意喚起語
危険
危険有害性情報
重篤な眼の損傷
重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷
皮膚に接触すると有害
注意書き
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
【廃棄】
施錠して保管すること。
【保管】
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
飲み込んだ場合、皮膚(または髪)に付着した場合、吸入した場合、眼に入った場合は、ただちに医師に連絡すること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
汚染された衣類を再使用す場合には洗濯をすること。
皮膚(または髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。皮膚を流水、シャワーで洗うこと。
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
皮膚に付着した場合:気分が悪い時は医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
【応急措置】
眼に入った場合、ただちに医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
適切な保護手袋を着用すること。
取扱後は手をよく洗うこと。
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
適切な保護手袋、保護衣を着用すること。
【安全対策】

3. 組成及び成分情報

  • 化学名又は一般名: ジ(2‐エチルヘキシル)ジチオホスフェート
  • 別名: ジチオりん酸O,O‐ビス(2‐エチルヘキシル)、(O,O'-Di(2-ethylhexyl) dithiophosphoric acid)、ホスホロジチオ酸O,O-ビス(2-エチルヘキシル)、ジチオりん酸ビス(2-エチルヘキシル)、(Phosphorodithioic acid O,O-bis(2-ethylhexyl) ester)
  • 分子式 (分子量): C16H35O2PS2(354.548)
  • CAS番号: 5810-88-8
  • 官報公示整理番号(化審法・安衛法): (2)-1896
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし
  • 濃度又は濃度範囲: 100%

4. 応急措置

吸入した場合

空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
ただちに医師に連絡すること。

皮膚に付着した場合

ただちに医師に連絡すること。
汚染された衣類を再使用す場合には洗濯をすること。
汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
多量の水と石鹸で洗うこと。

眼に入った場合

ただちに医師に連絡すること。
水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。

飲み込んだ場合

ただちに医師に連絡すること。
口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。

予想される急性症状及び遅発性症状

経口摂取 : データなし
眼 : データなし
皮膚 : データなし
吸入 : データなし

最も重要な兆候及び症状

データなし

応急措置をする者の保護

データなし

医師に対する特別注意事項

データなし

5. 火災時の措置

消火剤

泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類

使ってはならない消火剤

データなし。

特有の危険有害性

消火後再び発火するおそれがある。
加熱により容器が爆発するおそれがある。
静電気で引火するおそれがある。
極めて燃え易い、熱、火花、火炎で容易に発火する。
引火性の高い液体および蒸気。

特有の消火方法

安全に対処できるならば着火源を除去すること。
容器が熱に晒されているときは、移動しない。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。

消火を行う者の保護

適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具および緊急措置

密閉された場所に立入る前に換気する。
関係者以外の立入りを禁止する。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
全ての着火源を取り除く。

環境に対する注意事項

環境に放出しないこと。

回収・中和

不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。

封じ込め及び浄化方法・機材

危険でなければ漏れを止める。

二次災害の防止策

排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
消防法の規定に従う。
局所排気・全体換気
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項
眼に入った場合、ただちに医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
適切な保護手袋を着用すること。
取扱後は手をよく洗うこと。
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
適切な保護手袋、保護衣を着用すること。
接触回避
データなし。

保管

技術的対策
消防法の規定に従う。
保管条件
施錠して保管すること。
容器包装材料
データなし。

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

未設定

許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標)

日本産衛学会
未設定
ACGIH
未設定

設備対策

ばく露を防止するため、作業場には適切な全体換気装置、局所排気装置を設置すること。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には,適切な洗眼器と安全シャワーを設置すること。

保護具

呼吸器の保護具
適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具
適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具
適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具
適切な保護衣を着用すること。

衛生対策

取扱い後はよく手を洗うこと。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体 : IUCLID (2000)
データなし
臭い
データなし
pH
データなし

融点・凝固点

-13 ℃ : EPA_HPV(2005)

沸点、初留点及び沸騰範囲

385 ℃ : EPA_HPV(2005)

引火点

180 ℃ (OC) : Ullmanns(E) (6th, 2003)

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

0.000019 mmHg (25℃) : SRC Phys Prop (Access on Nov. 2010)

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

0.98 g/cm3 : Ullmanns(E) (6th, 2003)

溶解度

ベンゼン、ヘプタン、クロロホルムに可溶 : Lide (90th, 2009)
0.000877mg/L (25℃)(EST) : SRC Phys Prop (Access on Nov. 2010)

オクタノール・水分配係数

7.99 (EST) : SRC Phys Prop (Access on Nov. 2010)

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

安定性

法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる

危険有害反応可能性

データなし

避けるべき条件

データなし

混触危険物質

データなし

危険有害な分解生成物

データなし

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値は2097 mg/kg (2140 μL/kg)(RTECS (1997),元文献:American Industrial Hygiene Association Journal vol. 23, p95 (1962))に基づき、元文献の記載内容を確認した。※本物質の融点情報はEPA_HPV(2005) ではmp -13℃である。なお、Lide(90th, 2009), Sax(11th, 2004)にはcrystalsとの記載がある。(GHS分類:区分外)
経皮
ラットLD50値は1215 mg/kg (1250 μL/kg)(RTECS (1997),元文献:American Industrial Hygiene Association Journal vol. 23, p95 (1962))に基づき、元文献の記載内容を確認した。(GHS分類:区分4)
吸入
吸入(粉じん・ミスト):   データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(蒸気):   データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(ガス):   GHSの定義における液体である。(GHS分類:分類対象外)

皮膚腐食性・刺激性

ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、無希釈の試験物質0.01 mLを24時間の開放適用により壊死を生じ、刺激性の程度は10段階評価のグレード7(最大グレード10)であったとの報告(RTECS (1997),元文献:American Industrial Hygiene Association Journal vol. 23, p.95 (1962))に基づき、元文献の記載内容を確認した。(GHS分類:区分1)

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ウサギの眼に適用24時間後に、角膜の状態を重視して傷害の程度を評価する10段階評価法(最も重度の場合グレード10)により、グレード8であった(HSDB (2003))こと、かつ、皮膚腐食性・刺激性の分類では皮膚腐食性物質(区分1)とした。(GHS分類:区分1)

呼吸器感作性又は皮膚感作性

皮膚感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)

生殖細胞変異原性

データなし。(GHS分類:分類できない)

発がん性

データなし。(GHS分類:分類できない)

生殖毒性

データなし。(GHS分類:分類できない)

12. 環境影響情報

生態毒性

水生環境有害性(急性有害性)
データなし。(GHS分類:分類できない)
水生環境有害性(長期間有害性)
データなし。(GHS分類:分類できない)

オゾン層への有害性

当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。(GHS分類:分類できない)

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。

汚染容器及び包装

空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。

14. 輸送上の注意

該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報に基づく修正の必要がある。

国連番号
1760
品名
その他の腐食性物質(液体)
Proper Shipping Name
CORROSIVE LIQUID, N.O.S.
クラス
8
PG
海洋汚染物質
非該当

国際規制

海上規制情報
IMOの規定に従う。

国際規制

航空規制情報
ICAO・IATAの規定に従う。

国内規制

陸上規制情報
消防法の規定に従う。
海上規制情報
船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報
航空法の規定に従う。

特別安全対策

重量物を上積みしない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

緊急時応急措置指針番号

154

15. 適用法令

労働安全衛生法

危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号)

消防法

第4類引火性液体、第三石油類非水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)

船舶安全法

腐食性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)

航空法

腐食性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。