安全データシート

リチウムブロミド

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: リチウムブロミド
  • CB番号: CB4302867
  • CAS: 7550-35-8
  • EINECS番号: 231-439-8
  • 同義語: 臭化リチウム,リチウムブロミド

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 冷媒、脱水剤、乾燥剤、空調機器の加湿剤、鎮静剤や催眠薬などの医薬品
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H23.1.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分4
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分2(中枢神経系)
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   区分2(中枢神経系)
環境に対する有害性
水生環境急性有害性   区分外
水生環境慢性有害性   区分外
<環境分類実施日に関する情報>
注) 上記で区分の記載がない危険有害性は政府向けガイダンス文書で規定された[分類対象外]、[区分外]または[分類できない]に該当するものであり、後述の該当項目の説明を確認する必要がある。

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS07
注意喚起語
警告
危険有害性情報
H302 飲み込むと有害。
H315 皮膚刺激。
H317 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ。
H319 強い眼刺激。
注意書き
安全対策
P261 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264 取扱い後は皮膚をよく洗うこと。
P270 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P272 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280 保護手袋/保護眼鏡/保護面を着用すること。
応急措置
P301 + P312 + P330 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。口をすすぐこと。
P302 + P352 皮膚に付着した場合:多量の水で洗うこと。
P305 + P351 + P338 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P333 + P313 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P337 + P313 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 別名: Lithium monobromide
  • 化学特性(示性式、構造式 等): BrLi
  • 分子量: 86.85 g/mol
  • CAS番号: 7550-35-8
  • EC番号: 231-439-8
  • 化審法官報公示番号: 1-110
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 医師に相談する。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 眼科医の診察を受けること。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後はただちに水を飲ませること(多くても2杯) 医師に相談する。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし
適切な消火剤
現場の状況と周辺環境に応じて適切な消火手段を用いる。

5.2 特有の危険有害性

臭化水素ガス
酸化リチウム
不可燃性である。
周辺の火災で有害な蒸気を放出することがある。

5.3 消防士へのアドバイス

自給式呼吸器がある場合のみ危険区域に留まってもよい。安全なゾーンまで離れるか適切な保護衣を着用して、皮膚に触れないようにすること。

5.4 詳細情報

ガス/蒸気/ミストを水スプレージェットで抑える(除去する)。 消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: ほこりを吸い込まないこと。 触れないようにすること。 十分な換気を確保する。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 乾燥剤で処置すること。正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。ほこりを生じないようにすること。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管条件
密閉のこと。 乾燥。吸湿性の.

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔
を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 保護眼鏡
皮膚及び身体の保護具
本推奨は、当社発行の安全データシート,に記載されている製品およびその指定の使用法のみに
適用される。溶解、他の物質との混合、およびEN374に記載の逸脱条件での使用については、
CE認証手袋のサプライヤに問い合わせのこと(例. KCL GmbH, D-36124 Eichenzell, Internet:
www.kcl.de)
フルコンタクト
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:KCL 741 Dermatril® L
飛沫への接触
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:KCL 741 Dermatril® L
身体の保護
保護衣
呼吸用保護具
ほこりが生じた際に必要。
次の規格に準拠しているフィルター式呼吸器保護具を推奨します。DIN EN 143、DIN 14387お
よび使用済み呼吸器保護システムに関連する他の付属規格。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
粉末
白色
臭い
データなし
pH
水溶液は中性またはわずかにアルカリ性 : Merck (14th, 2006)

融点・凝固点

547 ℃ : Merck (14th, 2006)

沸点、初留点及び沸騰範囲

1300 ℃ : Lide (88th, 2008)

引火点

不燃性 : GESTIS (Access on Apr. 2010)

自然発火温度

不燃性 : GESTIS (Access on Apr. 2010)

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

1 mmHg (748℃) : Lange (16th, 2005)

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

データなし (3.464 g/cm3 : Lide (88th, 2008))

溶解度

181g/100 g H2O : Lide (88th, 2008)
アルコール、グリコールに易溶; エーテル、アミルアルコールに可溶 : Merck (14th, 2006)

オクタノール・水分配係数

データなし

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

データなし

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

湿気を避ける。
情報なし

10.5 混触危険物質

強酸

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値: 1383 mg/kg (雄)、1600 mg/kg (雌)(OECD TG 401:GLP準拠)(厚労省報告 (2002)) 。[健康有害性に関しては、他のリチウム化合物も参照のこと](GHS分類:区分4)
経皮
データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入
吸入(ガス):   GHSの定義における固体である(GHS分類:分類対象外)
吸入(蒸気):   データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(粉じん):   データなし。(GHS分類:分類できない)

皮膚腐食性・刺激性

データなし。(GHS分類:分類できない)

眼に対する重篤な損傷・刺激性

データなし。(GHS分類:分類できない)

呼吸器感作性又は皮膚感作性

呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
皮膚感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)

生殖細胞変異原性

エームス試験で陰性(厚労省報告 (2002))、CHL細胞を用いた染色体異常試験で陰性(厚労省報告 (2002))。(GHS分類:in vivo 試験のデータがなく分類できない。)

発がん性

データなし。(GHS分類:分類できない)

生殖毒性

ラットを用いた反復経口投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG 422:GLP準拠)において、性周期、交尾率、受胎率、出産率、着床率、産児数および分娩率などの生殖指標に投与の影響は認められず、出生仔にも投与に起因すると考えられる形態異常はない(厚労省報告 (2002))。 他のリチウム化合物の情報としては、炭酸リチウムを有効成分とする精神神経用剤を妊娠中に服用した女性から生まれた児にエプスタイン奇形(先天性の心血管系奇形)の発生を示す多数の報告(PIM 309F (2000)、Birth Defects (3rd, (2000)、HSDB (2007))があり、かつ、リチウムが胎盤を通過することは知られており(KemI-Riskline NR 2002:16)、医薬品添付文書における使用上の注意として、妊娠または妊娠している可能性のある婦人には投与禁忌とされている(医療用医薬品集(2010))。また、リチウムは血清中に近い割合で乳汁中に排泄される(PIM 309F (2000))ので、使用上の注意として、授乳婦にやむを得ず投与する場合には授乳を中止させると記載(医療用医薬品集 (2010))。(GHS分類:分類できない)

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

ラットを用いる急性経口投与毒性試験(OECD TG 401:GLP準拠)において、投与後の毒性変化としては、雄では投与群(670~2500 mg/kg)のほぼ全例、ならびに雌では930 mg/kg以上の投与群の全例に自発運動の減少が認められ、投与直後に常同行動を示す例、投与後の時間経過に伴い鎮静に至る例、半眼および歩行異常などを示す例があり、中枢神経系が毒性の標的のひとつとして考えられる(厚労省報告 (2002))。 他のリチウム化合物の情報として、炭酸リチウムを有効成分とする精神神経用剤の服用により、血液中のリチウム濃度に依存した中毒症状を生じ(KemI-Riskline NR 2002:16、医療用医薬品集 (2010))、医薬品添付文書には用法に関連する注意として、血中リチウム濃度の測定を勧める記載 (医療用医薬品集 (2010))がある。リチウム治療を受ける患者では血漿中のリチウム濃度が2.5 mMを超えると、意識障害、せん妄、運動失調、全身性筋収縮、錐体外路症候群など重度の神経毒性が数時間から数日の間に発現する可能性がある(KemI-Riskline NR 2002:16)。(GHS分類:区分2(中枢神経系))

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

ラットを用いた反復経口投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG 422:GLP準拠)において、雌雄とも最高用量80 mg/kg/day(90日換算:約40 mg/kg/day)において、雄雌のほぼ全例に常同行動が観察された(厚労省報告 (2002))。また本物質の毒性として、ヒトに対しては臭素による中枢神経系の障害の可能性が指摘されている(厚労省報告 (2002))。なお尿量の増加、白血球百分比に占める単球の増加、血漿中塩素濃度の低下、トリグリセライド濃度の増加など尿、血液および血液生化学検査における指標に変化が報告されたが、雌雄とも病理組織学的検査では投与の影響を示唆する異常が認められていない(厚労省報告 (2002))。 他のリチウム化合物の情報としては、炭酸リチウムを有効成分とする精神神経用剤の服用により、副作用として振戦、傾眠、錯乱などが発生(KemI-Riskline NR 2002:16、医療用医薬品集 (2010))、症状はリチウムの血中濃度に依存し、手の震えから筋力低下、昏睡に至る神経毒性が認められている(KemI-Riskline NR 2002:16)。また、リチウム剤を投与されていた患者の追跡調査では、副作用として振戦、自覚的記憶喪失、創造力低下が報告されている(IUCLID (2000))。神経系以外の副作用には、多尿症、多渇症があり、腎性尿崩症を起こした症例の報告(KemI-Riskline NR 2002:16、医療用医薬品集 (2010))もあり、慢性腎不全を起こすおそれもある(KemI-Riskline NR 2002:16)。(GHS分類:区分2(中枢神経系))

吸引性呼吸器有害性

データなし。(GHS分類:分類できない)

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
LC50 - Oncorhynchus mykiss (ニジマス) - 438 mg/l - 96 h
最大無影響濃度 - Oncorhynchus mykiss (ニジマス) - 128 mg/l - 96 h

12.2 残留性・分解性

生分解性の判定方法は無機物質には適用されない。

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.2 国連輸送名

ADR/RID (陸上規制): 非危険物
IMDG (海上規制): Not dangerous goods
IATA-DGR (航空規制): Not dangerous goods

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): - IMDG (海上規制): - IATA-DGR (航空規制): -

14.5 環境危険有害性

ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当
非該当

14.6 特別の安全対策

14.7 混触危険物質

強酸
詳細情報
国際輸送に関する国連勧告の定義上は、危険物に該当しない。

15. 適用法令

化審法

第2種監視化学物質(法第2条第5項)(政令番号:2監-823)

16. その他の情報

略語と頭字語

STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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