安全データシート

ビスフェノールA

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: ビスフェノールA
  • CB番号: CB5854419
  • CAS: 80-05-7
  • 同義語: ビスフェノールA,ビスフェノール A

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 可塑性ポリエステル原料,ポリカーボネート樹脂・エポキシ樹脂合成原料,塩化ビニル樹脂添加剤,ポリエステル樹脂中間体,難燃剤・熱硬化剤樹脂・塩ビ樹脂添加剤,インキ樹脂用・塗料・接着剤用・窯業鋳型用バインダー添加剤 (NITE CHRIP)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
H29.3.1、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改定版 (ver1.1): JIS Z7252:2014準拠) を使用
GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性   区分1
皮膚感作性   区分1
生殖毒性   区分1B
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)   区分1 (呼吸器)、区分3 (麻酔作用)
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)   区分2 (消化管、呼吸器)
分類実施日(環境有害性)
環境に対する有害性はH18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用
環境に対する有害性
水生環境有害性 (急性)   区分2
水生環境有害性 (長期間)   -

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS05GHS07GHS08GHS09
注意喚起語
危険
危険有害性情報
H317 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ。
H318 重篤な眼の損傷。
H335 呼吸器への刺激のおそれ。
H360 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ。
H411 長期継続的影響によって水生生物に毒性。
注意書き
安全対策
P202 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P261 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
P272 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P273 環境への放出を避けること。
P280 保護手袋/保護眼鏡/保護面を着用すること。
応急措置
P302 + P352 皮膚に付着した場合:多量の水で洗うこと。
P304 + P340 + P312 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し,呼吸しやすい姿勢で休息させること。 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P305 + P351 + P338 + P310 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に連絡すること。
P308 + P313 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。
P333 + P313 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P391 漏出物を回収すること。
保管
P403 + P233 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P405 施錠して保管すること。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 分子量: 228.29 g/mol
  • CAS番号: 80-05-7
  • 化審法官報公示番号: 4-123
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
医師に相談する。 この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸い込んだ場合、新鮮な空気の場所に移す。 呼吸していない場合には、人工呼吸を施す。 医師に相談する。
皮膚に付着した場合
石けんと多量の水で洗い流す。 医師に相談する。
眼に入った場合
多量の水で15分以上よく洗浄し、医師の診察を受けること。
飲み込んだ場合
意識がない場合、口から絶対に何も与えないこと。 口を水ですすぐ。 医師に相談する。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

適切な消火剤
水噴霧、耐アルコール泡消火剤、粉末消火剤、二酸化炭素を使用すること。

5.2 特有の危険有害性

炭素酸化物
可燃性。

5.3 消防士へのアドバイス

消火活動時には必要に応じて 自給式呼吸装置を装着する。

5.4 詳細情報

データなし

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

保護具を使用する。 粉じんの発生を避ける。 蒸気、ミスト、またはガスの呼吸を避ける。 十分な換気を確保する。 安全な場所に避難する。 粉じんを吸い込まないよう留意。個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

安全を確認してから、もれやこぼれを止める。 物質が排水施設に流れ込まないようにする。 環境への放出は必ず避けなければならない。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

粉じんを発生させないように留意して回収し、廃棄する。 掃いてシャベルですくいとる。 廃棄に備え適切な容器に入れて蓋をしておく。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

安全取扱注意事項
皮膚や眼への接触を避けること。 粉じんやエアゾルを発生させない。安全取扱注意事項曝露を避けるー使用前に特別指示を受ける。
火災及び爆発の予防
粉じんが発生する場所では、換気を適切に行う。
衛生対策
十分な衛生的作業を行い安全規定に従って取扱う。 休憩前や終業時には手を洗う。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 6.1C: 可燃性、急性毒性カテゴリー3 / 毒性化合物または慢性効果を引き起こす化合物
保管条件
容器を密閉し、乾燥した換気の良い場所に保管する。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
十分な衛生的作業を行い安全規定に従って取扱う。 休憩前や終業時には手を洗う。
保護具
眼/顔面の保護
顔面シールドおよび保護メガネ NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規
格で試験され、認められた眼の保護具を使用する。
皮膚及び身体の保護具
手袋を着用して取扱う。 使用前に、必ず手袋を検査する。 (手袋外面に触れずに)適切に手袋
を脱ぎ、本製品の皮膚への付着を避ける。 適用法令およびGLPに従い、使用後に汚染手袋を廃
棄する。 手を洗い、乾燥させる。
選ばれた防護手袋は、EU指令2016/425の仕様と、それから派生する規格EN374を満たすもので
なければならない。
身体の保護
化学防護服, 特定の作業場に存在する危険物質の濃度および量に応じて、保護装置のタイプを選
択しなければならない。
呼吸用保護具
リスクアセスメントによりろ過式呼吸用保護具が適切であると示されている場所では、工学的
制御のバックアップとして、N100型(US)またはP3型(EN 143)呼吸用保護具カートリッジ
付き全面形呼吸用保護具を使用する。呼吸用保護具が唯一の保護手段である場合、全面形送気
マスクを使用する。 NIOSH(US)またはCEN(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、
認められた呼吸用保護具および部品を使用する。
環境暴露の制御
安全を確認してから、もれやこぼれを止める。 物質が排水施設に流れ込まないようにする。 環
境への放出は必ず避けなければならない。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
白色 (ICSC(J) (2011))
臭い
軽度のフェノール臭 (HSDB (2016))
臭いのしきい(閾)値
データなし
pH
データなし

融点・凝固点

153℃ (HSDB (2016))

沸点、初留点及び沸騰範囲

360.5℃ (760 mmHg) (HSDB (2016))

引火点

227℃ (closed cup) (HSDB (2016))

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

燃焼性(固体、気体)

データなし

燃焼又は爆発範囲

データなし

蒸気圧

4.0×10-8 mmHg (25℃) (HSDB (2016))

蒸気密度

7.87 (空気=1) (計算値)

比重(相対密度)

1.195 (25℃/25℃) (HSDB (2016))

溶解度

水: 300 mg/L (25℃) (HSDB (2016)) Soluble in aqueous alkaline solution, alcohol, acetone; slightly soluble in carbon tetrachloride. (HSDB (2016)) Soluble in acetic acid (HSDB (2016))

n-オクタノール/水分配係数

log Kow = 3.32 (HSDB (2016))

自然発火温度

510~570℃ (ICSC(J) (2011))

分解温度

220℃ (HSDB (2016))

粘度(粘性率)

データなし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

データなし

10.2 化学的安定性

推奨保管条件下では安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

データなし

10.5 混触危険物質

強酸化剤

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
GHS分類: 区分外 ラットのLD50値として、3,300 mg/kg、4,100 mg/kg (EU-RAR (2010)、HSDB (Access on June 2016))、5,000 mg/kg (EU-RAR (2010)) の3件の報告がある。これらに基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。
経皮
GHS分類: 区分外 ウサギのLD50値として、>2,000 mg/kg (EU-RAR (2010))、3,000 mg/kg、3,600 mg/kg (HSDB (Access on June 2016)) の3件の報告に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。ラットのLC50値 (6時間) として、> 0.17 mg/m3 (4時間換算値:> 0.11 mg/L) (EU-RAR (2010)、DFGOT vol.13 (1999)、BUA 203 (1995)) との報告があるが、この値のみでは区分の特定ができないため、分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

GHS分類: 区分外 ウサギの皮膚刺激性試験結果 (4時間塗布、OECD TG 404) では皮膚刺激性は認められなかったことから (DFGOT suppl (2011)、EU-RAR (2010))、区分外とした。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

GHS分類: 区分1 ウサギの眼刺激性試験 (OECD TG 405) では角膜、虹彩への影響が適用後28日まで持続して観察された (DFGOT suppl (2011)、EU-RAR (2010))。また、ウサギで軽度~中等度の刺激性も報告されていることから (DFGOT vol. 13 (1999))、眼損傷性があると判断され、区分1とした。

呼吸器感作性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

GHS分類: 区分1 モルモットのビューラー法による皮膚感作性試験では、50%溶液の誘発で12.5% (16例中2例) に陽性反応が認められたが (DFGOT suppl (2011))、ガイダンス値の15%以下であった。また、モルモットのマキシマイゼーション法では陰性 (DFGOT vol. 13 (1999))、マウスを用いた皮膚感作性試験 (LLNA法変法) では30%溶液の誘発で陰性であった (DFGOT vol. 13 (1999)、EU-RAR (2010))。一方、ヒトでは、本物質の他、エポキシ化合物等を取り扱った皮膚炎発症作業者を対象としたパッチテストでは、本物質に陽性反応を示す例が認められている (EU-RAR (2010)) が、本物質の製造工場従事者を対象とした疫学調査では、110~500例のすべての従事者で皮膚感作性は陰性であったとする報告もある (EU-RAR (2010)、DFGOT vol. 13 (1999))。本物質は感作性物質として、Frosch接触アレルゲンリスト (Frosch et al. Contact Dermatitis 5th Ed. (2011)) に収載されている。 以上、多くの動物試験やヒトの疫学調査で陰性との報告もあるものの、明確な証拠が不十分であることから、区分1とした。 本物質は、EU CLP分類において、「Skin sens. 1 H317」に分類されている (ECHA C&L Inventory (Access on December 2015))。

生殖細胞変異原性

GHS分類: 分類できない ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、ラット、マウスの骨髄細胞を用いる小核試験で陰性、マウス骨髄細胞の染色体異常試験で陽性、陰性の結果、マウス骨髄細胞の姉妹染色分体交換試験で陰性、ラットの肝臓を用いるDNA付加体形成試験で陽性である (NITE初期リスク評価書 (2005)、EU-RAR (2010)、DFGOT suppl (2011)、環境省リスク評価第3巻 (2004)、NTP DB (Access on June 2016))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験で陰性、遺伝子突然変異試験で陽性、陰性の結果、小核試験で陽性、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性、陰性の結果である (NITE初期リスク評価書 (2005)、EU-RAR (2010)、DFGOT suppl (2011)、環境省リスク評価第3巻 (2004))。なお、EU-RAR (2010)は、本物質にin vivoにおいて意味のある変異原性を示さないと結論している。

発がん性

GHS分類: 分類できない ラット、又はマウスを用いた2年間の経口経路 (混餌投与) による発がん性試験では、ラット、マウスともに発がん性の証拠は示されなかった (NTP TR 215 (1982)、EU-RAR (2010))。その後、複数のイニシエーターを用いた本物質のプロモーター活性の有無の検討では複数の臓器に対してプロモーター作用は全く検出されなかった (EU-RAR (2010))。また、出生前に本物質にばく露された動物の乳腺に前がん病変と腫瘍性変化がみられたと報告されたが、評価手法に技術的な問題があり信頼性に疑問があることに加えて、複数ある生殖毒性試験で乳腺に前がん病変が一貫してみられておらず、発がん性の証拠としては不十分であるとされた (EU-RAR (2010))。これらの出生前後に本物質投与を行った追加試験でも発がんのプロモーター作用を示す証拠は得られず、初期の2年間発がん性試験結果における発がん性の証拠なしとの結論を支持するものとして、EUは実験動物のデータを総合判断した結果、本物質は発がん作用を有さないと示唆されると結論している (EU-RAR (2010))。 以上、EUの結論からは区分外とも考えられるが、吸入、経皮など経口以外の経路での発がん性情報が不足しており、本項は分類できないとした。

生殖毒性

GHS分類: 区分1B ラットに低用量 (0.2~200 µg/kg/day) を投与した2世代試験では生殖能への影響はみられていないが、ラットを用いた3世代試験では各世代とも500 mg/kg/day で一般毒性 (体重の軽度低下 (雌雄)、尿細管の変性(雌のみ)) と共に生殖毒性 (同腹児数の減少) がみられた (EU-RAR (2010))。また、マウスに極低用量から高用量まで (0.003~600 mg/kg/day) 投与した2世代試験では生殖能への影響はみられなかったが、マウスを用いた連続交配試験において、F0の600 mg/kg/day以上で妊娠腹数の減少が生じ、同腹児数と同腹生存児数の減少が第4~第5腹まで連続してみられた。この生殖影響は親動物に一般毒性影響のない用量でみられた (EU-RAR (2010))。以上の生殖毒性試験を通して、生殖影響のNOAELはラット3世代試験から 50 mg/kg/day と設定された。一方、ラット、マウスを用いた標準的な発生毒性試験ではビスフェノールAが発生毒性物質であるとの証拠は得られていない。ただし、上記のラット3世代試験では500 mg/kg/dayでF1~F3児動物に離乳までの体重の低値推移と性成熟遅延が認められ、またマウス2世代試験でも600 mg/kg/dayでF1児動物の体重の低値とともに、F1、F2雄児動物の離乳時に精巣下降不全、及び精細管の低形成がみられており、次世代への発生・発達影響が示されている (EU-RAR (2010))。 以上、本物質は実験動物で生殖発生毒性を示す証拠が十分あり、特にマウス連続交配試験では親動物に一般毒性影響がない用量で生殖能低下がみられていることから、本項は区分1Bとした。 なお、EUは本物質の生殖毒性をRepr. 1B に分類している (ECHA RAC Background document (2014))。

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

GHS分類: 区分1 (呼吸器)、区分3 (麻酔作用) 本物質のヒトでの単回ばく露のデータはない。実験動物ではラットを用いた単回吸入ばく露試験で、鼻腔上皮組織の軽微な炎症と鼻腔から口腔にかけての粘膜の軽微な潰瘍形成が区分1のガイダンス値範囲の濃度で認められたとの記載がある (EU-RAR (2010))。またラットの単回経口投与試験で2,000 mg/kgの用量で傾眠と衰弱が認められたが死亡例はなかったとの記載がある (EU-RAR (2010))。さらにラット、マウス、ウサギへの単回経口投与で、興奮とそれに続いて緊張減退、痙攣、運動失調、下痢そして尿量の増加が認められたとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2005)、DEFGOT vol. 13 (1999))。以上より区分1 (呼吸器)、区分3 (麻酔作用) とした。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

GHS分類: 区分2 (消化管、呼吸器) ヒトについての情報はない。 ラットを用いた強制経口投与による28~32日間反復投与毒性試験において、区分2相当の200 mg/kg/day (28日間投与、90日間換算:62 mg/kg/day) で消化管への影響 (結腸粘膜の過形成、十二指腸及び空腸の中心乳び腔拡張) の報告がある (NITE初期リスク評価書 (2005))。また、ラットを用いた吸入毒性試験おいて、区分2相当の50 mg/m3 (6時間/日、65日間暴露:ガイダンス値換算;0.036 mg/L) で呼吸器への影響 (鼻腔、呼吸粘膜の炎症、扁平上皮過形成) の報告がある (NITE初期リスク評価書 (2005)、DFGOT suppl (2011)、EU-RAR (2010))。したがって、区分2 (消化管、呼吸器) とした。

吸引性呼吸器有害性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
流水式試験 LC50 - Pimephales promelas (ファットヘッドミノウ) - 4.6 mg/l
- 96 h
(OECD 試験ガイドライン 203)
流水式試験 LC50 - Cyprinodon variegatus (シープスヘッドミノー) - 11 mg/l
- 96 h
(OECD 試験ガイドライン 203)
ミジンコ等の水生無脊
止水式試験 EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - 10.2 mg/l - 48 h
椎動物に対する毒性
備考: (ECHA)
藻類に対する毒性
止水式試験 ErC50 - Pseudokirchneriella subcapitata (緑藻) - 2.73 - 3.1 mg/l -
96 h
(US-EPA)
微生物毒性
EC50 - 活性汚泥 - 58.4 mg/l - 3 h
備考: (外部MSDS)

12.2 残留性・分解性

生分解性
好気性 - 曝露時間 28 d
結果: 89 % - 易分解性。
(OECD 試験ガイドライン 301F)

12.3 生体蓄積性

生体蓄積性 Cyprinus carpio (コイ) - 42 d
(ビスフェノールA)
生物濃縮因子(BCF): 5.1 - 13.3
(MITI試験)

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

12.6 内分泌かく乱性

データなし

12.7 他の有害影響

長期継続的影響によって水生生物に毒性。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
免許を有する廃棄物処理業者に、余剰物で再使用不可の溶液として処理を依頼する。 可燃性溶剤に溶解または混合し、アフターバーナーとスクラバーが備えられた化学焼却炉で焼却する。汚染容器及び包装製品入り容器と同様に処分する。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 3077    IMDG (海上規制): 3077    IATA-DGR (航空規制): 3077

14.2 国連輸送名

ェノールA)
IMDG (海上規制): ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, SOLID, N.O.S. (4,4'-
isopropylidenediphenol)
IATA-DGR (航空規制): Environmentally hazardous substance, solid, n.o.s. (4,4'-
isopropylidenediphenol)
ADR/RID (陸上規制): ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, SOLID, N.O.S. (ビスフ

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 9    IMDG (海上規制): 9    IATA-DGR (航空規制): 9

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): III IMDG (海上規制): III IATA-DGR (航空規制): III

14.5 環境危険有害性

ADR/RID: 該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 該当
該当

14.6 特別の安全対策

14.7 混触危険物質

強酸化剤
詳細情報
危険物(液体 >5Lまたは固体 >5kg)を有する内装容器を含む、単一容器および複合容器に必要とされる
EHSマーク(ADR 2.2.9.1.10, IMDGコード 2.10.3)5 kg / L 以下で、危険物クラス 9 に該当しないパッケー

15. 適用法令

化審法

旧第2種監視化学物質(旧法第2条第5項) 優先評価化学物質(法第2条第5項) 旧第3種監視化学物質(旧法第2条第6項)

大気汚染防止法

有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申)

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)

外国為替及び外国貿易管理法

輸出貿易管理令別表第1の16の項

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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