安全データシート

塩素化カンフェン

改訂日:2024-01-29版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 塩素化カンフェン
  • CB番号: CB3669233
  • CAS: 8001-35-2
  • 同義語: 塩素化カンフェン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 殺虫剤。乳牛舎や搾乳動物への使用は推奨しない。
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H23.1.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
物理化学的危険性
健康に対する有害性
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   区分2(中枢神経系)
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   区分1(肝臓、腎臓、甲状腺)
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分1(中枢神経系)
発がん性   区分2
急性毒性(吸入:粉じん)   区分3
急性毒性(経皮)   区分3
急性毒性(経口)   区分3
環境に対する有害性
注) 上記で区分の記載がない危険有害性は政府向けガイダンス文書で規定された[分類対象外]、[区分外]または[分類できない]に該当するものであり、後述の該当項目の説明を確認する必要がある。
<環境分類実施日に関する情報>
水生環境慢性有害性   区分1
水生環境急性有害性   区分1
ラベル要素
絵表示又はシンボル
GHS02 GHS06 GHS08 GHS09
注意喚起語
危険
危険有害性情報
長期的影響により水生生物に非常に強い毒性
水生生物に非常に強い毒性
長期にわたるまたは反復ばく露による中枢神経系臓器の障害のおそれ
長期にわたるまたは反復ばく露による肝臓、腎臓、甲状腺の障害
中枢神経系臓器の障害
発がんのおそれの疑い
飲み込んだり皮膚に接触したり吸入すると有害
注意書き
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
【廃棄】
施錠して保管すること。
換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
【保管】
漏出物を回収すること。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
ばく露した場合、医師に連絡すること。
ばく露またはばく露の懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
吸入した場合、医師に連絡すること。
吸入した場合、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
直ちに汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
皮膚に付着した場合:気分が悪い時は医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。
口をすすぐこと。
飲み込んだ場合、直ちに医師に連絡すること。
【応急措置】
環境への放出を避けること。
適切な個人用保護具を使用すること。
適切な保護手袋、保護衣を着用すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
粉じん、ヒューム、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱後は手をよく洗うこと。
【安全対策】

3. 組成及び成分情報

  • 化学名又は一般名: 塩素化カンフェン
  • 別名: トキサフェン、 (Toxaphene)、ポリクロロ‐2,2‐ジメチル‐3‐メチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプタン、 (Campheclor)
  • 分子式 (分子量): C10H10Cl8(Average)(413.8)
  • CAS番号: 8001-35-2
  • 官報公示整理番号(化審法・安衛法): 化審法-   安衛法-
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし
  • 濃度又は濃度範囲: 100%

4. 応急措置

吸入した場合

医師に連絡すること。
空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。

皮膚に付着した場合

汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
直ちに汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
気分が悪い時は医師に連絡すること。
多量の水と石鹸で洗うこと。

眼に入った場合

眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
水で数分間注意深く洗うこと。

飲み込んだ場合

口をすすぐこと。
直ちに医師に連絡すること。

予想される急性症状及び遅発性症状

経口摂取 : 痙攣、めまい、吐き気、嘔吐。
眼 : 発赤。
皮膚 : 吸収される可能性がある。
発赤。
吸入 : データなし

最も重要な兆候及び症状

データなし

応急措置をする者の保護

データなし

医師に対する特別注意事項

データなし

5. 火災時の措置

消火剤

水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類

使ってはならない消火剤

データなし。

特有の危険有害性

火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。
不燃性であり、それ自身は燃えないが、加熱されると分解して、腐食性及び/又は毒性の煙霧を発生するおそれがある。

特有の消火方法

安全に対処できるならば着火源を除去すること。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。

消火を行う者の保護

適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具および緊急措置

全ての着火源を取り除く。
密閉された場所に立入る前に換気する。
関係者以外の立入りを禁止する。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。

環境に対する注意事項

環境中に放出してはならない。

回収・中和

漏洩物を掃き集めて空容器に回収し、後で廃棄処理する。

封じ込め及び浄化方法・機材

水で湿らせ、空気中のダストを減らし分散を防ぐ。

二次災害の防止策

プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
特別に技術的対策は必要としない。
局所排気・全体換気
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項
適切な個人用保護具を使用すること。
適切な保護手袋、保護衣を着用すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
粉じん、ヒューム、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱後は手をよく洗うこと。
接触回避
10項に示す混触危険物質との接触を回避する。

保管

技術的対策
特別に技術的対策は必要としない。
保管条件
施錠して保管すること。
換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
容器包装材料
データなし。

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

未設定

許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標)

日本産衛学会
未設定(2010年版)
ACGIH
TWA 0.5mg/m3 STEL 1mg/m3 Skin(2010年版)

設備対策

ばく露を防止するため、作業場には適切な全体換気装置、局所排気装置を設置すること。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には,適切な洗眼器と安全シャワーを設置すること。

保護具

呼吸器の保護具
適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具
適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具
適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具
適切な保護衣を着用すること。

衛生対策

取扱い後はよく手を洗うこと。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体
黄色
臭い
松様臭
pH
データなし

融点・凝固点

65-90 ℃ : Merck (14th. 2006)

沸点、初留点及び沸騰範囲

120-155 ℃ (分解) : DFGOT vol.19(2003)

引火点

不燃性 : HSDB (2009)

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

3*10^(-7) mmHg (20 ℃) : Merck (14th. 2006)

蒸気密度

14.3 (air=1) : ICSC (1997)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

1.65 (25 ℃) : HSDB (2009) (データなし)

溶解度

>450 g/100 ml キシレン : HSDB (2009)
0.55 mg/L (20 ℃) : Howard (1997)

オクタノール・水分配係数

Log P=4.82 (EST) : Howard (1997)

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

安定性

法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる

危険有害反応可能性

155℃以上での加熱や燃焼、アルカリ、強い日光、鉄などの触媒の影響下で分解し、塩化水素などの有毒なヒュームを生じる。水の存在下で、多くの金属を侵す。

避けるべき条件

155℃以上での加熱や燃焼。アルカリ、強い日光、鉄などの触媒の影響。

混触危険物質

危険有害な分解生成物

塩化水素などの有毒なヒューム。

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値: 80, 90, 80 mg/kg (ATSDR (1996)), 293, 220 mg/kg (IARC 79 (2001)), 60, 120 mg/kg (EHC 45 (1984))。(GHS分類:区分3)
経皮
ラットLD50値: 雄1075mg/kg、雌780mg/kg (ATSDR (1996))。ウサギLD50値: 1025-1075 mg/kg(EHC 45 (1984))。(GHS分類:区分3)
吸入
吸入(粉じん):   ラットLC50値(粉じん):3.4mg/L /1h = 0.85 mg/L/4h(ATSDR (1996))。なお、試験条件は出典中に粉じんと記載(ATSDR (1996))。(GHS分類:区分3)
吸入(蒸気):   データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(ガス):   GHSの定義における固体である。(GHS分類:分類対象外)

皮膚腐食性・刺激性

ウサギに500 mgを4時間適用した試験でごく軽微な刺激(only mildly irritated.)、また、ヒト皮膚の急性ばく露で刺激を生じなかった(ATSDR (1996))。なお、EU分類はXi; R37/38(EU-Annex 1(Access on May 2009))である。(GHS分類:JIS分類の区分外)

眼に対する重篤な損傷・刺激性

モルモットの眼に14回適用後、眼瞼における軽度の刺激のみで眼には影響がなかったとする報告(ATSDR (1996))があるが、未公表の要約データしかなくプロトコールおよびデータを含め試験の妥当性を評価できないと記述されている(ATSDR (1996))。(GHS分類:データ不足で分類できない。)

呼吸器感作性又は皮膚感作性

皮膚感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)

生殖細胞変異原性

マウスに経口または腹腔内投与による優性致死試験(生殖細胞in vivo 経世代変異原性試験)で陰性(DFGMAK-Doc. 19 (2003))。なお、本物質を航空散布した地域で作業していた8人の女性の末梢血リンパ球で、染色体異常の発生率が対照群の1.6%に対し13.1%であった(IARC 79 (2001))との報告があるが、本物質の直の結果(IARC 79 (2001))がある。(GHS分類:区分外)

発がん性

IARCによりグループ2B(IARC 79 (2001))、ACGIHによりA3(ACGIH (2001))、EUによりカテゴリー3(EU-Annex 1 (Access on May 2009))。なお、ラットおよびマウスに80週間混餌投与した試験において、ラットで甲状腺腫瘍の発生率の増加、マウスでは肝細胞癌の発生率の増加(NTP TR37 (1979))。(GHS分類:区分2)

生殖毒性

ラットを用い3世代(EHC 45 (1984))または2世代(DFGMAK-Doc. 19 (2003))にわたり経口投与した試験において、親動物の一般毒性が示された用量でも性機能、生殖能、受胎、授乳に影響はなく、また、マウスに5世代にわたり経口投与した試験(IARC 79 (2001))でも胎児毒性および催奇形性は見られなかった。さらに、ラットまたはマウスの器官形成期に経口投与により、ラットで過剰肋骨、マウスで脳ヘルニアの発生率の増加が報告されている(IARC 79 (2001))が、いずれも一部母動物の死亡をもたらした高用量群でのみ認められた所見である。これらの器官形成期投与試験では催奇形性を含むその他の影響に関しては記述されていない(IARC 79 (2001))。(GHS分類:区分外)

12. 環境影響情報

生態毒性

水生環境有害性(急性有害性)
魚類(シープスヘッドミノー)での96時間LC50=0.0011mg/L(EHC45、1984)である。(GHS分類:区分1)
水生環境有害性(長期間有害性)
急性毒性区分1であり、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)。(GHS分類:区分1)

オゾン層への有害性

当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。(GHS分類:分類できない)

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。

汚染容器及び包装

空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。

14. 輸送上の注意

該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報に基づく修正の必要がある。

国連番号
2761
品名
有機塩素系殺虫殺菌剤類(固体)(毒性のもの)
Proper Shipping Name
ORGANOCHLORINE PESTICIDE, SOLID, TOXIC
クラス
6.1
PG
P
海洋汚染物質
非該当

国際規制

海上規制情報
IMOの規定に従う。

国際規制

航空規制情報
ICAO・IATAの規定に従う。

国内規制

陸上規制情報
該当しない。
海上規制情報
船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報
航空法の規定に従う。

特別安全対策

重量物を上積みしない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

緊急時応急措置指針番号

151

15. 適用法令

化審法

第1種特定化学物質(法第2条第2項・施行令第1条) (政令番号:1特-12)

労働安全衛生法

名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)

海洋汚染防止法

個品運送P(施行規則第30条の2の3、国土交通省告示)

船舶安全法

毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)

航空法

毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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