急性毒性
経口
IARC 45(1989)のjet propulsion fuel(JP-5)のラットLD50値が>48000mg/kgとの記述、およびIUCLID(2000)のstraight run keroseneをラットに経口投与したGLP試験において5000mg/kgで死亡が認められなかったとの記述から、区分外とした。
経皮
IUCLID(2000)のstraight run keroseneをウサギに経皮投与したGLP試験において2000mg/kgで死亡が認められなかったとの記述から、区分外とした。
吸入:ガス
GHSの定義による液体。
吸入:蒸気
データなし。
吸入:粉じん及びミスト
IUCLID(2000)のstraight run keroseneをラットに吸入暴露したGLP試験において5.28mg/Lで死亡が認められなかったとの記述から、区分外とした。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
EHC(20, 1982)、ACGIH(7th, 2001)、PATTY(4th, 1994)およびIARC(45, 1989)のヒトで皮膚への接触により刺激性が認められたとの記述から、区分2とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
PATTY(4th, 1994)の眼を刺激しないとの記述、ならびにIUCLID(2000)のウサギを用いたDraize test(GLP試験)で刺激性が認められなかったとの記述から、区分外とした。
呼吸器感作性
データなし。
皮膚感作性
IUCLID(2000)のモルモットを用いたBuehler test(GLP試験)で感作性が認められなかったとの記述はあるが、Priority1において明確に感作性を否定するデータがないことから、分類できないとした。
生殖細胞変異原性
【特記】体細胞を用いるin vivo変異原性試験であるラット骨髄細胞を用いる染色体異常試験で jet fuel Aについて陽性の結果がある(IARC 45, 1989)が、kerosineについては陰性の結果(ACGIH 7th, 2001、IARC 45, 1989、IUCLID, 2000)があり、マウス骨髄を用いた小核試験でもdiesel No.1について陰性の結果(ACGIH 7th, 2001)、さらに、げっ歯類を用いる優性致死試験でもkeroseneおよびjet fuelについて陰性の結果(ACGIH 7th, 2001)があることから、区分外とした。
発がん性
【特記】IARC 45(1989)でJet fuel(kerosene, 8008-20-6)およびDistillate(light)fuel oilsがグループ3に分類されているが、ACGIH(2001)ではkerosene/Jet fuelsがA3に分類されていることから、最近の評価であるACGIHの分類に基づき、区分2とした。
生殖毒性
ACGIH(7th, 2001)、IARC(45, 1989)およびNTP(TR 310, 1986)の妊娠ラットへの投与試験で生殖毒性が認められなかったとの記述はあるが、親動物への影響についての記述がないため、投与量(蒸気圧から計算できる飽和濃度未満)が適切であるか否かの判断ができないことから、分類できないとした。