急性毒性
経口
GHS分類: 区分4 ラットのLD50値として、540 mg/kg (SIDS (2002)) との報告に基づき、区分4とした。
経皮
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、PATTY (6th, 2012) には、健常な皮膚から容易に吸収され、皮膚を刺激するとの記載があるが、詳細が不明であるため、分類できないとした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、PATTY (6th, 2012) には、眼を刺激するとの記載があるが、詳細が不明であるため、分類できないとした。
呼吸器感作性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
生殖細胞変異原性
GHS分類: 区分2 In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陽性 (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on October 2016)、SIDS (2002))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陽性である (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on October 2016)、SIDS (2002)、NTP DB (Access on October 2016))。以上より、ガイダンスに従い区分2とした。
発がん性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
生殖毒性
GHS分類: 区分2 ラットに強制経口投与した簡易生殖毒性試験 (OECD TG 421) において、一般毒性影響として脾臓の腫張及び暗赤色化がみられる中用量 (50 mg/kg/day) で、不妊雌が1/13例に 、全児死亡の雌親動物が2/12例に認められた。また、雌雄に体重増加抑制がみられた高用量 (150 mg/kg/day) では分娩中の死亡が雌1/13例に、全児死亡の雌親動物が3/12例に認められた。出生児には異常はみられなかった (環境省リスク評価第7巻 (2009)、厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on October 2016)、SIDS (2002))。以上、受胎能や発生影響はみられなかったが、雌親動物に分娩中死亡や全児死亡がみられおり、本物質は分娩及び哺育能への有害影響が懸念されることから、本項は区分2とした。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
GHS分類: 区分1 (血液系) ヒトでは本物質が強力なメトヘモグロビン生成作用と溶血作用を示すとの記載がある (PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on October 2016))。実験動物ではラットで区分2相当の450 mg/kgの単回経口投与により血中メトヘモグロビン量とスルフヘモグロビン量が有意に増加したとの報告がある (HSDB (Access on October 2016))。ヒトでの影響の報告がList 1の評価書であるため、区分1 (血液系) とした。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
GHS分類: 区分1 (血液系)、区分2 (生殖器 (男性)) ヒトについての情報はない。 実験動物については、ラットを用いた強制経口投与での28日間反復投与毒性試験において、区分1相当の15 mg/kg/day (90日換算値:4.7 mg/kg/day) 以上の群で溶血性貧血、肝臓・脾臓・腎臓重量増加、脾臓のヘモジデリン沈着、骨髄の赤血球系の造血亢進、区分2相当の50 mg/kg/day (90日換算値:15.6 mg/kg/day) 以上の群で肝細胞腫脹、170 mg/kg/day (90日換算値:52.9 mg/kg/day) 群で体重増加の抑制、チアノーゼ、メトヘモグロビン血症、尿細管でリポフスチン沈着、肝臓でヘモジデリン沈着と髄外造血亢進、精巣萎縮、精巣で多核性巨細胞の出現を伴う精子形成低減を認めた (環境省リスク評価第7巻 (2009)、厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on October 2016))。 以上のうち、肝臓及び腎臓への影響については重篤でないことから標的臓器としなかった。 したがって、区分1 (血液系)、区分2 (生殖器 (男性)) とした。
吸引性呼吸器有害性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。