安全データシート

N-メチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩

改訂日:2024-01-29版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: N-メチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩
  • CB番号: CB1217557
  • CAS: 137-42-8
  • 同義語: N-メチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 土壌燻蒸剤
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H21.3.27、政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)を使用
物理化学的危険性
火薬類   分類対象外
可燃性・引火性ガス   分類対象外
可燃性・引火性エアゾール   分類対象外
支燃性・酸化性ガス類   分類対象外
高圧ガス   分類対象外
引火性液体   分類対象外
可燃性固体   区分外
自己反応性化学品   分類対象外
自然発火性液体   分類対象外
自然発火性固体   区分外
自己発熱性化学品   区分外
水反応可燃性化学品   分類できない
酸化性液体   分類対象外
酸化性固体   分類対象外
有機過酸化物   分類対象外
金属腐食性物質   分類できない
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分4
急性毒性(経皮)   区分4
急性毒性(吸入:ガス)   分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない
急性毒性(吸入:粉じん)   区分外
急性毒性(吸入:ミスト)   分類対象外
皮膚腐食性・刺激性   区分2
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分2B
呼吸器感作性   分類できない
皮膚感作性   区分1
生殖細胞変異原性   区分外
吸引性呼吸器有害性   分類できない
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   分類できない
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分3(気道刺激性)
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分2(血液)
生殖毒性   区分2
発がん性   分類できない
環境に対する有害性
水生環境慢性有害性   区分1
水生環境急性有害性   区分1
ラベル要素
絵表示又はシンボル
GHS05GHS07GHS09
注意喚起語
警告
危険有害性情報
長期的影響により水生生物に非常に強い毒性
水生生物に非常に強い毒性
呼吸器への刺激のおそれ
血液の障害のおそれ
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
アレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれ
眼刺激
皮膚刺激
皮膚に接触すると有害
飲み込むと有害
注意書き
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
適切な個人用保護具を使用すること。
粉じん、蒸気、ヒューム、スプレーを吸入しないこと。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
環境への放出を避けること。
【応急措置】
飲み込んだ場合、気分が悪い時は、医師に連絡すること。
飲み込んだ場合、口をすすぐこと。
皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。
皮膚に付着した場合、気分が悪い時は、医師に連絡すること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
ばく露した時、又は気分が悪い時は、医師に連絡すること。
吸入した場合、被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
吸入した場合、気分が悪い時は医師に連絡すること。
漏出物は回収すること。
【保管】
施錠して保管すること。
容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
【廃棄】
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
ばく露又はその懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
皮膚に付着した場合、皮膚刺激又は発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受けること。
眼に入った場合、眼の刺激が持続する場合は医師の診断、手当てを受けること。
眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
皮膚に付着した場合、汚染された衣類を脱ぐこと。
皮膚に付着した場合、皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを求めること。
適切な保護手袋、保護衣を着用すること。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
【安全対策】

3. 組成及び成分情報

  • 化学名又は一般名: N-メチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩
  • 別名: メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、メタムナトリウム塩、(Metam-sodium)、 N‐メチルアミノジチオぎ酸ナトリウム、(N-Methylaminodithioformic acid sodium salt)、ナトリウム=N‐メチルアミノアミノメタンチオノチオラート、(Sodium N-methylaminomethanethionothiolate)、ナトリウム=メチルカルバモジチオアート、(Sodium methylcarbamodithioate)
  • 分子式 (分子量): C2H4NNaS2(129.18)
  • CAS番号: 137-42-8
  • 官報公示整理番号(化審法・安衛法): (2)-1797
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし
  • 濃度又は濃度範囲: 100%

4. 応急措置

吸入した場合

空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。

皮膚に付着した場合

多量の水と石鹸で洗うこと。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
汚染された衣類を脱ぐこと。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
皮膚刺激又は発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受けること。

目に入った場合

水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。

飲み込んだ場合

口をすすぐこと。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。

予想される急性症状及び遅発性症状

データなし

最も重要な兆候及び症状

データなし

応急措置をする者の保護

データなし

医師に対する特別注意事項

データなし

5. 火災時の措置

消火剤

水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類

使ってはならない消火剤

棒状放水

特有の危険有害性

不燃性であり、それ自身は燃えないが、加熱されると分解して、腐食性及び/又は毒性の煙霧を発生するおそれがある。
火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。

特有の消火方法

危険でなければ火災区域から容器を移動する。

消火を行う者の保護

適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具および緊急措置

全ての着火源を取り除く。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
密閉された場所に立入る前に換気する。

環境に対する注意事項

環境中に放出してはならない。

回収・中和

漏洩物を掃き集めて空容器に回収し、後で廃棄処理する。

封じ込め及び浄化方法・機材

水で湿らせ、空気中のダストを減らし分散を防ぐ。

二次災害の防止策

プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項
取扱い後はよく手を洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
使用前に使用説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
粉じん、蒸気、ヒューム、スプレーを吸入しないこと。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
眼に入れないこと。
接触回避
データなし

保管

技術的対策
特別に技術的対策は必要としない。
混触危険物質
データなし
保管条件
酸化剤から離して保管する。
冷所、換気の良い場所で保管すること。
容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
施錠して保管すること。
容器包装材料
データなし

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

未設定

許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標)

日本産衛学会(2007年版)
未設定
ACGIH(2007年版)
未設定

設備対策

この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
ばく露を防止するため、装置の密閉化又は局所排気装置を設置すること。

保護具

呼吸器の保護具
適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具
適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具
適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具
適切な保護衣を着用すること。

衛生対策

取扱い後はよく手を洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体
無色
臭い
不快臭
pH
データなし

融点・凝固点

91~92℃ : IUCLID (2000)

沸点、初留点及び沸騰範囲

108~110℃ : IUCLID (2000)

引火点

不燃性 : Merck (14th, 2006)

自然発火温度

自然発火しない : IUCLID (2000)

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

<0.0000017hPa (25℃) : IUCLID (2000)

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

1.15~1.23g/cm3 (20℃) : IUCLID (2000)

溶解度

水 : 72.2g/100ml (20℃) : Merck (14th, 2006)
アルコールに適度に溶ける。 : Merck (14th, 2006)
アセトン、エタノール、キシレンに適度に溶ける。 : Ullmanns(E) (6th, 2003)

オクタノール・水分配係数

logP = -2.15 : IUCLID (2000)

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

安定性

法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる

危険有害反応可能性

データなし

避けるべき条件

データなし

混触危険物質

データなし

危険有害な分解生成物

データなし

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値1700-1800mg/kg(EHC 78(1988))に基づく。
経皮
ウサギLD50値1300mg/kg(EHC 78(1988))に基づく。
吸入
吸入(ガス):   常温で固体である。
吸入(蒸気):   データなし
吸入(粉じん):   ラットLC50値>6.8mg/L [OECD Guideline 403] (IUCLID (2000))に基づき区分外(国連GHSの区分5または区分外)とした。なお、飽和蒸気濃度は3.15×10(-6)mg/Lであることから粉じんによるばく露と考えられる。

皮膚腐食性・刺激性

ウサギを用いた試験(OECD Guide-line 404)の結果として刺激性あり(irritating)と記述されている((IUCLID (2000)))。また、ウサギ皮膚に試験物質を希釈せず24時間適用した別の試験では、観察期間(7日間)を通して紅斑と浮腫が観察され、中等度の刺激性(moderately irritating)と判定されている((IUCLID (2000)))。以上の試験結果に基づき区分2とした。

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ウサギ結膜嚢に滴下した試験で刺激性なし(not irritating)との報告(IUCLID (2000))もあるが、ウサギを用いた別の試験では24時間後に軽度の発赤を認めたが1週間後には消失し、軽度の刺激性(slightly irritating)と評価された結果(IUCLID (2000))に基づき区分2Bとした。

呼吸器感作性又は皮膚感作性

呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:モルモットを用いた皮膚感作性試験(Buehler test)で陽性(IUCLID (2000))を示し、かつEU分類がR43である(EU-Annex 1 (access on 8 2008))ことから区分1とした。

生殖細胞変異原性

チャイニーズハムスターに経口投与後の骨髄細胞を用いた染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)での陰性(IUCLID (2000))に基づく。なお、in vitroの試験ではエームス試験とHGPRTアッセイで陰性(IUCLID (2000))、染色体異常試験では陽性(IUCLID (2000))の結果が得られている。

発がん性

データなし

生殖毒性

ラットの二世代にわたり経口ばく露した生殖試験において、体重増加抑制と摂餌量の低下をもたらしたが生殖能および出生仔に及ぼす影響は認められなかった(IUCLID (2000))。しかし、ラットおよびウサギの器官形成期に経口投与した発生毒性試験で試験物質による影響が疑われる髄膜瘤の発生が見られ(IUCLID (2000))、特にウサギでは死亡着床数の著しい増加と生存胎仔数の減少とともに着床後胚損失率が増加し、かつ同一用量で体重増加抑制と摂餌量の低下が観察されている(IUCLID (2000))ことから区分2とした。

12. 環境影響情報

水生環境急性有害性

魚類(ブルーギル)でのLC50=0.175mg/L(測定値)(IUCLID 2000)から、区分1とした。

水生環境慢性有害性

急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定される(SRC: BioWin V4.10)ことから、区分1とした。

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。

汚染容器及び包装

空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。

14. 輸送上の注意

国際規制

海上規制情報
IMOの規制に従う。
航空規制情報
ICAO/IATAの規制に従う。
UN No.
2771
Proper Shipping Name.
Thiocarbamate pesticide, solid, toxic
Class
6.1

国内規制

陸上規制情報
該当しない
海上規制情報
船舶安全法の規制に従う。
航空規制情報
航空法の規制に従う。

特別安全対策

移送時にイエローカードの保持が必要。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。

緊急時応急措置指針番号

151

15. 適用法令

海洋汚染防止法

個品運送P(施行規則第30条の2の3、国土交通省告示)
有害液体物質(X類物質)(施行令別表第1)

船舶安全法

毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)

航空法

毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)

港則法

毒物類・毒物

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

推奨製品
ジエチルカルバモジチオ酸ナトリウム SDS N-メチルジチオカルバミン酸ナトリウム SDS ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム二水和物 SDS エチレンビス(ジチオカルバミン酸ナトリウム) SDS ジベンジルジチオカルバミン酸ナトリウム水和物 SDS