安全データシート

2,3-ジシアノ-1,4-ジチアアントラキノン

改訂日:2024-01-29版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 2,3-ジシアノ-1,4-ジチアアントラキノン
  • CB番号: CB9117099
  • CAS: 3347-22-6
  • 同義語: 2,3-ジシアノ-1,4-ジチアアントラキノン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 農薬 (殺菌剤) (NITE-CHRIPより引用)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用)
R3.3.12、政府向けGHS分類ガイダンス (令和元年度改訂版 (ver2.0)) を使用
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)   区分2 (血液系、肝臓、腎臓)
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)   区分1 (神経系、呼吸器、腎臓)
生殖毒性   区分2
発がん性   区分2
皮膚感作性   区分1
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性   区分1
急性毒性 (吸入: 粉じん、ミスト)   区分2
急性毒性 (経口)   区分4
分類実施日
(環境有害性)
平成18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)
環境に対する有害性
水生環境有害性 (長期間)   区分1
水生環境有害性 (急性)   区分1

GHSラベル要素

絵表示
GHS05GHS06GHS09
注意喚起語
危険
危険有害性情報
飲み込むと有害 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 重篤な眼の損傷 吸入すると生命に危険 発がんのおそれの疑い 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 神経系、呼吸器、腎臓の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による血液系、肝臓、腎臓の障害のおそれ 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性
注意書き
安全対策
使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 容器を密閉しておくこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 呼吸用保護具を着用すること。
応急措置
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 直ちに医師に連絡すること。 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 漏出物を回収すること。
保管
換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。
廃棄
内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性
情報なし

3. 組成及び成分情報

  • 単一製品・混合物の区別: 単一製品
  • 化学名又は一般名: 2,3-ジシアノ-1,4-ジチアアントラキノン
  • 別名: 5,10-ジヒドロ-5,10-ジオキソナフト[2,3-b]-1,4 -ジチイン-2,3-ジカルボニトリル
  • 別名: ジチアノン
  • 濃度又は濃度範囲: 情報なし
  • 分子式 (分子量): C14H4N2O2S2 (296.32)
  • CAS番号: 3347-22-6
  • 官報公示整理番号
    (化審法)
    : 5-850
  • 官報公示整理番号
    (安衛法)
    : 8-(6)-18
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし

4. 応急措置

吸入した場合

空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
直ちに医師に連絡すること。

皮膚に付着した場合

皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。

眼に入った場合

水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
直ちに医師に連絡すること。

飲み込んだ場合

気分が悪いときは医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
コップ1杯の水を飲ませる。

急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

情報なし

応急措置をする者の保護

情報なし

医師に対する特別な注意事項

情報なし

5. 火災時の措置

適切な消火剤

小火災: 粉末消火剤、二酸化炭素、散水 大火災: 粉末消火剤、二酸化炭素、耐アルコール性泡消火剤、散水

使ってはならない消火剤

情報なし

特有の危険有害性

情報なし

特有の消火方法

情報なし

消火を行う者の保護

情報なし

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置

保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。

環境に対する注意事項

周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。

封じ込め及び浄化の方法及び機材

飛散した物を掃き集めるか、真空掃除機で吸引する等できるだけ飛散発じんしないようにして、空容器等に回収する。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱い注意事項
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
容器を密閉しておくこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
環境への放出を避けること。
粉じんを発生させないようにする。
接触回避
「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。

保管

安全な保管条件
換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
安全な容器包装材料
消防法、国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

未設定

許容濃度

日本産衛学会 (2020年度版)
第3種粉じん: その他の無機及び有機粉じん* 吸入性粉じん: 2 mg/m3 総粉じん: 8 mg/m3 * 多量の粉じんの吸入によるじん肺を予防する観点から、この値以下とすることが望ましいとされる濃度。

許容濃度

ACGIH (2020年版)
PNOS* TLV: 3 mg/m3 (Respirable particles) PNOS* TLV: 10 mg/m3 (Inhalable particles) * Particles (insoluble or poorly soluble) Not Otherwise Specified

設備対策

粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所排気装置を使用する。

保護具

呼吸用保護具
状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。
手の保護具
保護手袋を着用する。
眼の保護具
保護眼鏡や保護面を着用する。
皮膚及び身体の保護具
保護衣を着用する。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

物理状態
固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
褐色
臭い
無臭

融点/凝固点

216℃ (分解を伴う) (農薬抄録 (2012))

沸点、初留点及び沸騰範囲

分解のため測定不能 (農薬抄録 (2012))

可燃性

データなし

爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界

該当しない

引火点

該当しない

自然発火点

該当しない

分解温度

データなし

pH

データなし

動粘性率

該当しない

溶解度

水: 0.14 mg/L (20℃) (HSDB (Access on May 2020)) クロロホルム、アセトン、ベンゼン、メタノール及びジクロロメタンに可溶 (HSDB (Access on May 2020))

n-オクタノール/水分配係数

log Kow = 2.84 (HSDB (Access on May 2020))

蒸気圧

2.03E-011 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020))

密度及び/又は相対密度

1.58 g/cm3 (20℃) (HSDB (Access on May 2020))

相対ガス密度

該当しない

粒子特性

データなし

10. 安定性及び反応性

反応性

「危険有害反応可能性」を参照。

化学的安定性

情報なし

危険有害反応可能性

分子中に窒素を含有しているため、火災等の場合は、一酸化炭素などの他、窒素酸化物系のガスなど毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。

避けるべき条件

情報なし

混触危険物質

情報なし

危険有害な分解生成物

分子中に窒素を含有しているため、火災等の場合は、一酸化炭素などの他、窒素酸化物系のガスなど毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。

11. 有害性情報

急性毒性

経口
【分類根拠】
(1)~(6) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 雌: 約300 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010))
(2) ラットのLD50: 雌: 472 mg/kg、雄: 541 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2012))
(3) ラットのLD50: 雌: 492 mg/kg、雄: 528 mg/kg (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第9号 (1991))
(4) ラットのLD50: 638 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2012)、GESTIS (Access on May 2020)、HSDB (Access on May 2020))
(5) ラットのLD50: 雌: 678 mg/kg、雄: 720 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010)、農薬抄録 (2012))
(6) ラットのLD50: 702 mg/kg (JMPR (2010)、農薬抄録 (2012))
経皮
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010)、農薬抄録 (2012)、GESTIS (Access on May 2020))
(2) ラットのLD50: > 3,200 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2012)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第9号 (1991))
吸入: ガス
【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】
(1)~(6) より、区分2とした。
なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。
ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (3.2E-010 mg/L) よりも高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間): 雄: 0.280 mg/L、雌: 0.368 mg/L (食安委 農薬評価書 (2018))
(2) ラットのLC50 (鼻部ばく露、4時間): 雄: 0.31 mg/L、雌: 0.58 mg/L (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010)、農薬抄録 (2012))
(3) ラットのLC50 (鼻部ばく露、4時間): 0.33 mg/L (JMPR (2010))
(4) ラットのLC50 (鼻部ばく露、4時間): 雄: 1.8 mg/L、雌: 2.4 mg/L (JMPR (2010))
(5) ラットのLC50 (4時間): 雄: 1.82 mg/L、雌: 2.36 mg/L (食安委 農薬評価書 (2018))
(6) ラットのLC50 (鼻部ばく露、4時間): 2.1 mg/L (JMPR (2010)、HSDB (Access on May 2020))
(7) 本物質の蒸気圧: 2.03E-011 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 3.2E-010 mg/L)

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

【分類根拠】
(1)~(4) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) OECD TG 404に準拠した本物質のウサギを用いた皮膚刺激性試験 (4時間閉塞適用) で刺激性を示さない (農薬抄録 (2012))。
(2) 本物質のウサギを用いた皮膚刺激性試験 (4時間閉塞適用) で刺激性を示さない (JMPR (2010))。
(3) 本物質はウサギの皮膚に対しては刺激性を示さない (食安委 農薬評価書 (2018))。
(4) 本物質のウサギを用いた皮膚刺激性試験 (24時間閉塞適用) で刺激性を示さない (農薬抄録 (2012)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第9号 (1991))。

【参考データ等】
(5) 本物質は感受性の高い個人に対しては強い皮膚刺激性を示す可能性がある (HSDB (Access on May 2020))。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

【分類根拠】
(1) より、区分1とした。新しいデータが得られたことから分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ウサギを用いた眼刺激性試験において、角膜混濁、虹彩の充血、結膜の発赤及び浮腫が認められ、2/6例では反応が21日まで持続した (農薬抄録 (2012))。

【参考データ等】
(2) 本物質のウサギを用いた眼刺激性試験で、強い刺激性あるいは可逆性の刺激性を示すと報告されている (JMPR (2010))。
(3) 本物質はウサギの眼に対しては強度の刺激性を示す (食安委 農薬評価書 (2018))。
(4) ウサギを用いた眼刺激性試験において、角膜混濁、虹彩の充血、結膜の発赤及び浮腫を示し、強い刺激性物質と判定された (農薬抄録 (2012)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第9号 (1991))。
(5) EU-CLP分類でEye Dam. 1 (H318) に分類されている (EU CLP分類 (Access on August 2020))。

呼吸器感作性

【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) 本物質のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で軽度または強い感作性が認められた (食安委 農薬評価書 (2018)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第9号 (1991))。
(2) 本物質のモルモットを用いた開放適用による皮膚感作性試験で感作性陽性と報告されている (農薬抄録 (2012))。

【参考データ等】
(3) 本物質のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法、皮内投与 1%) で、感作性あり (陽性率 15.8%) と報告されている (農薬抄録 (2012))。
(4) 本物質のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で、感作性ありとする報告及び陰性とする報告がある (JMPR (2010))。
(5) EU-CLP分類でSkin Sens. 1 (H317)に分類されている(EU CLP分類 (Access on August 2020))。

生殖細胞変異原性

【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、ラットまたはマウスの経口投与による小核試験でそれぞれ陰性、ラット経口投与の染色体異常試験で陰性、ラット経口投与の不定期DNA合成試験で陰性 (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010)、農薬抄録 (2012))。ラット経口投与の腎臓細胞を用いたコメットアッセイで陰性または曖昧な結果の報告がある (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性、陰性の結果。哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験で陽性、遺伝子突然変異試験で陽性、陰性、あいまいな結果の報告がある (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010)、農薬抄録 (2012))。

発がん性

【分類根拠】
(1)~(3) に基づき区分2とした。新たな情報源を用いて検討し分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでS (suggestive evidence of carcinogenicity) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on August 2020):2006年分類) に分類されている。
(2) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験において、雌で腎細胞腺腫の発生率の有意な増加が認められた (食安委 農薬評価書 (2018))。
(3) 雌雄のマウスに本物質を18ヵ月間混餌投与した発がん性試験では、投与に関連した腫瘍性病変の発生頻度増加は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2018))。

生殖毒性

【分類根拠】
(1) より、繁殖能への影響はみられていないが、(2)~(5) より、母動物毒性用量で胎児に対する影響がみられていることから、区分2とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による2世代繁殖試験において、親動物毒性として体重増加抑制、摂餌量減少がみられる用量においても児動物に対する影響、繁殖能に対する影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2018))。
(2) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量で、胎児に着床後胚損失率の上昇、子宮内死亡数の増加及び着床数に対する生存胎児数の割合の低下が認められた (食安委 農薬評価書 (2018))。
(3) 雌マウスの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量で、胎児に骨化遅延、低体重及び胎盤重量減少が認められた (食安委 農薬評価書 (2018))。
(4) 雌ウサギの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重減少、流産(3例)) がみられ、早期吸収胚数の増加に起因する着床後胚損失率の上昇及び生存胎児数の減少、胎盤重量減少がみられた (食安委 農薬評価書 (2018))。
(5) 雌ウサギの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量で、早期胚吸収数の増加、着床後胚損失率の上昇並びに胎盤重量の減少、胎児数の減少がみられている (食安委 農薬評価書 (2018))。

12. 環境影響情報

生態毒性

水生環境有害性 (急性)
魚類 (コイ) の96時間LC50 = 59.6 μg/L (農薬登録申請資料 (2004)) から、区分1とした。
水生環境有害性 (長期間)
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの (log Kow = 2.84 (PHYSPROP Database (2005)))、急速分解性がない (BODによる分解度: 0% (既存化学物質安全性点検データ)) ことから、区分1とした。

オゾン層への有害性

-

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

特別管理産業廃棄物に該当する。特別管理産業廃棄物処理基準に従って処理を行うか、特別管理産業廃棄物の許可業者に運搬又は処分を委託する。

汚染容器及び包装

容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14. 輸送上の注意

国際規制

国連番号
2811
国連品名
TOXIC SOLID, ORGANIC, N.O.S.
国連危険有害性クラス
6.1
副次危険
-
容器等級
II
海洋汚染物質
該当する
MARPOL73/78附属書Ⅱ及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質
-

国内規制

海上規制情報
船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報
航空法の規定に従う。
陸上規制情報
毒物及び劇物取締法、消防法、道路法の規定に従う。

特別な安全上の対策

毒物及び劇物取締法、消防法、道路法の規定によるイエローカード携行の対象物

その他 (一般的) 注意

輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。

緊急時応急措置指針番号*

154

15. 適用法令

労働安全衛生法

-

化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)

第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)【187 2,3-ジシアノ-1,4-ジチアアントラキノン】

毒物及び劇物取締法

毒物(指定令第1条)【10の5 2,3-ジシアノ-1,4-ジチアアントラキノン及びこれを含有する製剤】

航空法

毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】2811 その他の毒物(固体)(有機物) (他の危険性を有しないもの)(他に品名が明示されているものを除く。)】

船舶安全法

毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】2811 その他の毒物(有機物)(固体)(他の危険性を有しないもの)】

化学物質審査規制法

旧第2種監視化学物質(旧法第2条第5項)【旧番号795 2,3-ジシアノ-1,4-ジチアアントラキノン(平成23年4月1日をもって廃止)】 旧第3種監視化学物質(旧法第2条第6項)【旧番号253 2,3-ジシアノ-1,4-ジチアアントラキノン(別名ジチアノン)(平成23年4月1日をもって廃止)】

消防法

貯蔵等の届出を要する物質(法第9条の3・危険物令第1条の10五別表1-8・平元省令2号第1条)【16 2,3-ジシアノ-1,4-ジチアアントラキノン及びこれを含有する製剤(50%以下を含有するものを除く。)】 貯蔵等の届出を要する物質(法第9条の3・危険物令第1条の10六別表2-18・平元省令2号第2条)【32 2,3-ジシアノ-1,4-ジチアアントラキノン50%以下を含有する製剤】

道路法

車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)【3 2,3-ジシアノ-1,4-ジチアアントラキノン及びこれを含有する製剤】

下水道法

水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4) 【注】規制の概要参照【2 シアン化合物】

水質汚濁防止法

有害物質(法第2条、施行令第2条、排水基準を定める省令第1条) 【注】規制の概要参照【2 シアン化合物】

土壌汚染対策法

特定有害物質(法第2条第1項、施行令第1条) 【注】規制の概要参照【5 シアン化合物】

廃棄物処理法

特別管理産業廃棄物(法第2条第5項、施行令第2条の4) 【注】規制の概要参照【5 シアン化合物を含有する特定有害産業廃棄物】

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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