安全データシート

(E)-1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセニル)-1-ブテン-3-オン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: (E)-1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセニル)-1-ブテン-3-オン
  • CB番号: CB6456520
  • CAS: 79-77-6
  • EINECS番号: 201-224-3
  • 同義語: β-イオノン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: ファインケミカル(ビタミン、香料)の中間体として使用。
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
GHS改訂4版を使用
平成24年。政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)を使用
物理化学的危険性
自己反応性化学品   タイプG
環境に対する有害性
オゾン層への有害性   分類実施中
水生環境有害性 (長期間)   分類実施中
水生環境有害性 (急性)   分類実施中

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS09
注意喚起語
なし
危険有害性情報
H411 長期継続的影響によって水生生物に毒性。
注意書き
安全対策
P273 環境への放出を避けること。
応急措置
P391 漏出物を回収すること。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C13H20O
  • 分子量: 192.3 g/mol
  • CAS番号: 79-77-6
  • EC番号: 201-224-3
  • 化審法官報公示番号: 3-2387
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後の嘔吐には対応が必要。誤嚥の危険。気道の開放状態を保つこと。 嘔吐物の誤嚥後は呼吸不全のおそれ。 直ちに医師を呼ぶ。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし
適切な消火剤
泡 二酸化炭素(CO2) 粉末

5.2 特有の危険有害性

火災時に有害な燃焼ガスや蒸気を生じるおそれあり。
高熱で空気と反応して爆発性混合物を生じる
蒸気は空気より重く、床に沿って広がることがある。
可燃性。
炭素酸化物

5.3 消防士へのアドバイス

火災時には、自給式呼吸器を着用する。

5.4 詳細情報

消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: 蒸気、エアゾールを吸入してはならない。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 液体吸収剤(例. Chemizorb® )で処置すること。 正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 10: 可燃性液体
保管条件
密閉のこと。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類は替えること。本物質を扱った後は手を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 保護眼鏡
皮膚及び身体の保護具
必要なし
呼吸用保護具
エアゾル形成時以外は不要。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体(SIDS(Access on Dec. 2012))
淡黄色(MSDS(Sigma-Aldrich(2012))
臭い
ヒマラヤ杉様の臭気(Ullmanns(E)(6th, 2003))
臭いのしきい(閾)値
0.007 ppb(SIDS(Access on Dec. 2012))
pH
7(MSDS(Sigma-Aldrich(2012))

融点・凝固点

-35℃(SIDS(Access on Dec. 2012))

沸点、初留点及び沸騰範囲

267℃(1013hPa)(SIDS(Access on Dec. 2012))

引火点

127℃(CC)(SIDS(Access on Dec. 2012)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし。

燃焼性(固体、気体)

データなし。

燃焼又は爆発範囲

下限: 1 vol.% 上限: 5.6 vol.%(SIDS(Access on Dec. 2012))

蒸気圧

0.009 hPa(25℃)(SIDS(Access on Dec. 2012))

蒸気密度

データなし。

密度

0.496g/cm3(Ullmanns(E)(6th, 2003))

溶解度

ベンゼン、クロロホルム、エーテル、 70%エタノールに可溶。(Gangolli (2nd, 1999))
水:0.128 g/L (25℃)(SIDS(Access on Dec. 2012))

n-オクタノール/水分配係数

4.0 (25℃)(SIDS(Access on Dec. 2012))

自然発火温度

250℃(IUCLID(2000))

分解温度

データなし。

粘度(粘性率)

10.8 mPa・s(20℃)(SIDS(Access on Dec. 2012))

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

引火点より下のおよそ15ケルビンからの範囲は危険とみなされている。
高熱で空気と反応して爆発性混合物を生じる

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

強酸化剤
次と激しく反応

10.4 避けるべき条件

強力な熱

10.5 混触危険物質

データなし

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットの5日間反復経口投与試験(用量:500, 1000, 2000, 4000, 8000 mg/kg bw/day)において、2000 mg/kg/day以下の用量で死亡が見られなかった(SIDS (Access on Dec. 2012))ことから、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5または区分外)とした。なお、本物質(βヨノン)40%とαヨノン60%を含む異性体混合物のラットのLD50値は4590 mg/kg/day(SIDS (Access on Dec. 2012))と報告されている。GHS分類:区分外
経皮
データなし。GHS分類:分類できない
吸入:ガス
GHSの定義における液体である。GHS分類:分類対象外
吸入:蒸気
データなし。GHS分類:分類できない
吸入:粉じん及びミスト
データなし。GHS分類:分類できない

皮膚腐食性及び刺激性

ウサギの皮膚に本物質原液0.5 mLを4時間の半閉塞適用した試験(OECD TG 404, GLP)において、紅斑および浮腫のスコア値は全観察時点で0であり、刺激性なし(not irritating)との結果(SIDS (Access on Dec. 2012))に基づき、区分外とした。なお、本物質(βヨノン)40%とαヨノン60%を含む異性体混合物をヒト11人に24時間のパッチテストの結果、皮膚反応は生じなかった(SIDS (Access on Dec. 2012))と報告されている。GHS分類:区分外

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

ウサギの眼に本物質原液0.1 mLを適用した試験(OECD TG 405, GLP)で軽度の刺激性がみられたが、24, 48, 72時間の平均評点は角膜混濁:0.1、虹彩炎:0.2、結膜発赤:1.0、結膜浮腫:0.1であり、すべての刺激性反応は72時間以内に消失した(SIDS(Access on Dec. 2012))との報告に基づき区分外とした。GHS分類:区分外

呼吸器感作性

データなし。GHS分類:分類できない

皮膚感作性

モルモットを用いた皮膚感作性試験(マキシマイゼーション法)の結果、感作性は見られなかった(SIDS(Access on Dec. 2012))と報告されているが、試験群5匹(OECDガイドラインでは少なくとも10匹必要)と対照群4匹による限定的な試験であり、区分外とするには疑義がある。したがって、データ不足のため「分類できない」とした。GHS分類:分類できない

生殖細胞変異原性

マウスの腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(OECD TG 474, GLP)(体細胞in vivo変異原性試験)で陰性の結果(SIDS (Access on Dec. 2012))に基づき区分外とした。なお、in vitro試験ではエームス試験で陰性(SIDS (Access on Dec. 2012)が報告されている。GHS分類:区分外

発がん性

データなし。GHS分類:分類できない

生殖毒性

ラットの妊娠6~19日に経口投与(用量:25、100、400 mg/kg/day、)した発生毒性試験において、親動物の一般毒性として100 mg/kg/day以上で投与直後に流涎、400 mg/kg/dayで平均体重の有意な低下がみられたが、妊娠指標に対する影響、発生毒性および催奇形性はいずれも認められず(SIDS (Access on Dec. 2012))、本物質は仔の発生に悪影響を及ぼさないと考えられた。一方、ラットの経口投与による二世代生殖試験おいて、3度の出産を経て母動物、仔動物、F1世代の仔動物に有意な差はなく、また、生殖能に対する影響も認められなかった(USEPA/HPV (2004))が、試験用量は8~10 mg/kg/dayと極めて低用量の1用量のみであり、性機能・生殖能に対する悪影響をみるには用量的に不十分である。したがって、データ不足のため「分類できない」とした。GHS分類:分類できない

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

本物質40%とα-ヨノン60%を含む異性体混合物を経口投与(LD50値:4940 mg/kg)し、死亡は4時間~4日で発生し、毒性症状として抑制と振戦が報告されている(SIDS (Access on Dec. 2012))が、それ以上の詳細は不明であり、データ不足のため「分類できない」とした。GHS分類:分類できない

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

ラットの90日間混餌投与試験(OECD TG 408, GLP、用量:100, 1000, 10000 ppm (7.5, 77.5, 760.5 mg/kg bw/day))において、標的臓器は肝臓、腎臓および甲状腺と報告されているが、肝臓については肝細胞肥大が認められ、代謝または排泄能を増加させるための適応性変化と見なされ(SIDS (Access on Dec. 2012))、腎臓についてはα2マイクログロブリンの産生が免疫組織化学的に確認され、雄ラット特有の現象で他の動物種に外挿されない(SIDS (Access on Dec. 2012))ことから、肝臓および腎臓での影響はヒトに対する悪影響を示すものではない。一方、甲状腺への影響が見られたのはガイダンス値範囲の上限を超えた用量である(SIDS (Access on Dec. 2012))。以上より、ガイダンス値範囲内では悪影響はみられなかったもののガイダンス値範囲上限(100 mg/kg/day)付近での影響は不明であり、また、他経路のデータもないことから、本項の分類としては「分類できない」とした。GHS分類:分類できない

吸引性呼吸器有害性

データなし。GHS分類:分類できない

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
止水式試験 LC50 - Leuciscus idus (コイの一種) - 6.81 mg/l - 96 h
(DIN(ドイツ工業規格) 38412)
ミジンコ等の水生無脊
止水式試験 EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - 4.03 mg/l - 48 h
椎動物に対する毒性
(OECD 試験ガイドライン 202)
藻類に対する毒性
止水式試験 ErC50 - Desmodesmus subspicatus (緑藻) - 22.15 mg/l - 72 h
(DIN(ドイツ工業規格) 38412)
止水式試験 EC10 - Desmodesmus subspicatus (緑藻) - 7.1 mg/l - 72 h
(DIN(ドイツ工業規格) 38412)
微生物毒性
止水式試験 EC50 - 活性汚泥 - 100 - 200 mg/l - 3 h
(OECD 試験ガイドライン 209)

12.2 残留性・分解性

生分解性
好気性 - 曝露時間 28 d
結果: 70 - 80 % - 易分解性。
(OECD 試験ガイドライン 301F)

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

12.6 内分泌かく乱性

データなし

12.7 他の有害影響

適正に本剤を使用した場合には、環境問題は予測されない。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 3082    IMDG (海上規制): 3082    IATA-DGR (航空規制): 3082

14.2 国連輸送名

Ionone)
IATA-DGR (航空規制): Environmentally hazardous substance, liquid, n.o.s. (trans-ß-
(trans-ß-Ionone)
IMDG (海上規制): ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, LIQUID, N.O.S.
(2,6,6-Trimethyl-1-cyclohexen-1-yl)-3-buten-2-one)
ADR/RID (陸上規制): ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, LIQUID, N.O.S. ((E)-4-

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 9    IMDG (海上規制): 9    IATA-DGR (航空規制): 9

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): III IMDG (海上規制): III IATA-DGR (航空規制): III

14.5 環境危険有害性

該当
ADR/RID: 該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 該当

14.6 特別の安全対策

14.7 混触危険物質

5 kg / L 以下で、危険物クラス 9 に該当しないパッケージ
詳細情報

15. 適用法令

化審法

優先評価化学物質(法第2条第5項)

消防法

第4類引火性液体、第三石油類非水溶性液体

16. その他の情報

略語と頭字語

LC50: 致死濃度 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均
LD50: 致死量 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

推奨製品
プソイドイオノン SDS ほう酸トリメチル SDS 2-ヒドロキシ安息香酸 SDS シクロヘキセン SDS α-iso-メチルイオノン SDS (E)-1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセニル)-1-ブテン-3-オン SDS メチルビニルケトン SDS 2-シクロヘキセン-1-オン SDS β-イオノン SDS