黄銅 化学特性,用途語,生産方法
定義
黄銅は,亜鉛を銅に加えたものを基台とする銅合金。真鍮(しんちゅう)ともいう。青銅よりは出現が後れたが、これと並んでもっとも多い銅合金で、本来は銅‐亜鉛の二元合金。銅の中に亜鉛は約38%(重量%)固溶するので、ここまでのα(アルファ)相合金は優れた展延性があり、亜鉛量が増すとともに強さを増し、合金の色は銅の赤から黄色みを増していく。このため古くから成形加工性のよい強力銅合金として30%亜鉛のものが七三(しちさん)黄銅として利用され、また、これより亜鉛の少ないものは安価な金色合金として用いられた。固溶限を超えると硬いβ(ベータ)とよばれる体心立方晶の固溶体が混じってきて、亜鉛四十数%でβ1相になるので、βの混じった硬くて強い合金で、なおαが主体のために適度の加工性のある40%亜鉛の合金が四六(しろく)黄銅として、硬さや耐摩耗性の必要なところに使われた。この七三、四六に加えて近年は、弾性材料などに、αの固溶限いっぱいに亜鉛を加えた65/35のものが「ろくご・さんご合金」とよばれてつくられている。
解説
シンチュウ(真鍮)とも。銅に亜鉛を加えた合金。代表的な銅合金の一つで,組成は種々。色は亜鉛量により赤黄色〜黄色。かたさ,強さ,展延性がよく,加工,鋳造に適する。日用品,機器部品などに多用されるのは,亜鉛30%の7-3黄銅と亜鉛35%の黄銅で,前者は特に展延性がよく複雑な加工に向く。亜鉛20%以下のものは丹銅という。また黄銅に鉛,スズ,マンガン,ニッケルなどの第三元素を加え性質を向上させた特殊黄銅もある。
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用途
銅 Cuと亜鉛 Znの合金。真鍮 (しんちゅう) ともいう。普通黄銅のほかにも品種が多い (→特殊黄銅 ) 。普通黄銅にはα黄銅 (七三真鍮,Cu/Zn≒7/3 の意) とβ黄銅 (四六真鍮,Cu/Zn≒6/4 ) の2系統がある。α黄銅は均質な銅の1次固溶体合金で,色はやや赤みがある。常温でよく鍛造圧延できるが粘いので切削性は悪く,また冷間加工後放置すると大気中の微量のアンモニアに侵され時期割れを起す欠点がある。低温加熱で加工ひずみを除くかメッキ,塗装で保護するとよい。絞り性がよいので薬莢,電球口金など深絞り製品に使われ,カートリッジ (薬莢) 黄銅の異称がある。β黄銅は実際はα相と Cu対 Znがほぼ1対1のβ相の混合組織で,色は黄白色。β相が硬いため冷間加工はできないが,高温ではよく鍛造圧延に耐え,切削性はよい。しかし暖かい海水などの塩類溶液中では,亜鉛だけ溶け出してあとに海綿状の銅が残る特異な腐食があり,これをβ黄銅の脱亜鉛現象という。しかし大気中の耐食性はよいほうで,板,条,製紙用金網ロール,家庭用品,一般板金用に用途が広い。両種とも不純物の影響が小さいことはこの合金の特色で,JISでも不純物許容度は 0.8~3.0 %以上と大きい。 JISの C2600,C2700はα黄銅,C2800はβ黄銅に相当する。なお普通黄銅は鋳造性は悪く,鋳造用にはスズ,鉛その他の元素を添加する。
工業用途
Brass is an alloy of copper and zinc. In manufacture,lump zinc is added to molten copper,and the mixture is poured either into castingsready for use or into billets for further workingby rolling, extruding, forging, or a similar process.Brasses containing 75 to 85% copper arered-gold and malleable; those containing 60 to70% are yellow and also malleable; and thosecontaining 50% or less copper are white, brittle,and not malleable.
Copper–zinc alloys whose zinc contentranges up to 40% with the copper crystal structureface-centered cubic (fcc) are consideredbrass. This solid solution alpha brass has goodmechanical properties, combining strength withductility. Corrosion resistance is very good, butelectrical conductivity is considerably lowerthan for copper.
Beta brass contains nearly equal proportionsof copper and zinc. Specific brasses aredesignated as follows: gilding (95% copper;5% zinc), red (85:15), low (80:20), and admiralty(70:29, with balance of tin). Naval brassis 59 to 62% copper, with about 1% tin, lessthan that of lead and iron, and the remainderzinc. With small amounts of other metals,other names are used. Leaded brass is used forcastings. These alloys have essentially thesame range of zinc content as the straightbrasses. Lead is present, ranging from lessthan 1 to 3.25%, to improve machinability and related operations. Lead also improves antifrictionand bearing properties.
黄銅 上流と下流の製品情報
原材料
準備製品