インジウム(III)トリクロリド 化学特性,用途語,生産方法
外観
白色~ほとんど白色粉末~結晶
種類
研究開発用試薬製品としては、塩化インジウム(I)も塩化インジウム(III)も共に製品化されていますが、どちらかというと塩化インジウム(III)の方が市場流通の多い物質です。
無水物の他、塩化インジウム(III)については、四水和物も市販されています。10g、25g、50g、250gなどの容量で販売されており、実験室で取り扱いやすい容量での提供が一般的です。基本的には室温保管可能な試薬製品ですが、塩化インジウム(III)四水和物は冷蔵保管が必要な試薬製品です。
性質
塩化インジウム(III)は、分子量221.18、融点586℃、沸点655℃であり、常温では白色粉末の固体です。密度は3.46g/mLであり、潮解性を示し、水に溶解します。
解説
塩化インジウムとは、の塩化物です。
一般的には塩化インジウム(I) (英: Indium(I) chloride)と塩化インジウム(Ⅲ) (英: Indium(III) chloride) の2種類が存在します。塩化インジウム(Ⅲ)は組成式InCl3で表される物質で、CAS登録番号は10025-82-8です。別名である、三塩化インジウムの名称で呼ばれる場合もあります。一般的には、塩化インジウム(III)の方が、取り扱われたり販売されたりすることが多いです。
用途
インジウムメッキ,電子材料原料
合成
塩化インジウム(III)は、単体のインジウムを塩素と反応させることによって合成が可能です。この反応は直ちに進行する速い反応です。また、塩化インジウム(III)は、メタノール-ベンゼン混合溶媒中、電気化学電池を用いた合成が報告されています。
効能
診断補助薬, 放射性医薬品
商品名
塩化インジウム (日本メジフィジックス)
化学的特性
white crystalline powder
Hygroscopic. Decomposes in
water to InCl3 and In. M.p. 235°C; decomposes below the m.p.,
apparently to InCl3 and InCl; b.p. ~570°C; d 3.65. Rhombic
crystals.
使用
Catalyzes the enantioselective ring-opening of meso-aziridines with thiols.1,2 A highly efficient catalyst in water for the preparation of furyl glycosides.3
調製方法
According to Klemm, metallic In is oxidized in InCl3 in a stream of Cl2, which has been carefully dried with concentrated H2SO4 and P2O5. A thoroughly dried quartz apparatus whose components have been fused or connected by ground joints is used. Chlorination proceeds rather vigorously at first, with a pale glow, and it proceeds through the mono- and dichloride steps. These compounds are melts. The end product of the chlorination, InCl3, sublimes around 600°C as lustrous spangles which appear on the walls of the receiver. The Indium chloride (LnCl3) may be purified by subliming in a stream of N2 (or CO2) to which some Cl2 has been added. The sublimate can cool in a stream of inert, Cl2-free gas to remove excess chlorine.
一般的な説明
Indium(III) chloride (InCl
3) is an indium halide that is a Lewis acid in a variety of organic reactions.
危険性
See indium.
化学反応
図1. 塩化インジウム(III)の化学反応
塩化インジウム(III)はルイス酸であり、ドナーリガンドと複合体を形成します。また、ジエチルエーテル溶液中で、塩化インジウム(III)は水素化リチウムLiHと反応してLiInH4を形成します。この物質は、in situで還元剤と反応して、第4級アミンや水素化インジウム(InH3)とリンの複合体などを形成する物質です。
ジエチルエーテル中で塩化インジウム(III)をグリニャール試薬 (MeMgI) またはメチルリチウム (LiMe) などと反応させることにより、トリメチルインジウムInMe3が合成できます。また、ルイス酸触媒としての塩化インジウムは、フリーデル・クラフツ反応やディールス・アルダー反応などに用いられる物質です。
使用用途
塩素インジウムは、有機合成化学においてルイス酸として用いられたり、放射性医薬品・造血骨髄診断薬として医療の現場で使用されたりしている物質です。例えば、化学・物理学分野では、色素増感太陽光電池の光陽極の作製、シリレノールおよびインドールのマイケル付加反応における触媒などに用いられます。
医薬品としては、塩化インジウム111InClが塩素インジウム(111In)注として発売されています。塩素インジウム(111In)注を静脈内に注射して、骨髄シンチグラムをとることによって、骨髄の造血機能の診断が可能です。塩素インジウム(111In)の作用機序は次の通りです。
まず、111Inが血清中のトランスフェリンと結合し、それから、幼若赤血球に取り込まれて111Inが活性骨髄に集積します。この作用を用いて、造血骨髄の分布や機能、造血骨髄疾患の診断が行われています。
純化方法
The anhydrous salt forms yellow deliquescent crystals which can be sublimed at 600o in the presence of Cl2/N2 (1:1) [does not melt]. It is resublimed in the presence of Cl2/N2 (1:10) and finally heated to 150o to expel excess Cl2. It is soluble in H2O and should be stored in a tightly closed container. [Baxter & Alter J Am Chem Soc 55 1943 1933.]
参考文献
D.H. Templeton, G.F. Carter, J. Phys. Chem., 58, 940 (1954), DOI: 10.1021/j150521a002.
インジウム(III)トリクロリド 上流と下流の製品情報
原材料
準備製品