メチルピリジン

メチルピリジンはピリジンの同族体であり，ピリジンは芳香族炭化水素であり，6員環でもあり，ある側面でベンゼンと類似するが，ベンゼンと異なり，例えばトルエンは異性体がなく，それに対してメチルピリジンは３つの種類の異性体があり，即ち2-メチルピリジン[1]、3-メチルピリジン[2]及び4-メチルピリジン[3]。その相対分子量は93.13である。コールタールに天然に存在し，化学的に不活性であり，側鎖の酸化反応及び窒素の置換反応等の反応が発生でき，又は塩基触媒作用でアルデヒド、ケトンとともに縮合等の反応が発生する。 [1] α-メチルピリジン、α-ピコリンとも呼ばされる。無色の液体である。強い刺激臭がある。その相対密度が0.9462である。融点が-66.8℃である。沸点が128.8℃である。屈折率が1.4957である。引火点が26℃である。水とアセトンに溶解でき，アルコール、エーテルと融合できる。水とともに共沸混合物を生成し，そのうち本品の含有量は52%であり，共沸点が93.5℃である。ラット用経口投与量がLD501410 mg/kg。 用途：2-ビニルピリジンを生産する原料である；農薬製品を生産する原料であり，例えば“カルフェントラゾン”、“ピリジン-2,5-メチルエステル”、“ ジプロピルイソシンクロメート”、“ クロロピリジン”、“二酸化ピリジン-2-カルボン酸”、“ヨウ化メチル-2-ピリジンカルボアルドキシム”、“ ピクロラム”等。 [2] β-メチルピリジン、β-ピコリンとも呼ばされる。無色透明の液体である。刺激性のある臭いがある。少し甘い味がする。その相対密度が0.9560、0.9613(15℃)。融点が-18.3℃である。沸点が143.9℃である。屈折率が1.5403である。引火点が36℃（閉式）である。水、エタノール及びエーテルと融合できる。本品は水とともに共沸混合物を生成し，本品の含有量は27%であり，その共沸点が96.7℃である。本品は[1]と[3]と異なり，そのメチル基の反応性が悪い。皮膚に対して刺激作用を持って，それに皮膚を通じて吸収され，その蒸気は眼と気道を刺激し，炎症を引き起こし，さらに水疱、嘔吐、頭痛等の症状を引き起こすことができる。ラット用経口投与量がLD50790mg/kgである。 用途：農薬製品を生産する原料であり，除草剤、殺虫剤、殺菌剤の生産に用いられ，例えば“ノルニコチン”、“ パーノン”及び殺鼠剤の“ピヌヌロン”等；食品添加物であり，肉製品を加工する時に2-メチルピリジンを添加し，ミオグロビンと結合し，酸化を防止し，肉の鮮やかさを保持することができる；[2]をパン、ケーキ、米製品、乳製品、ハム及びソーセージ等の食品に添加し，ビタミンを強化する役割を果たし，ビタミンBに代わって用いることができる；ビタミン強化剤として乳児用粉乳、妊娠中に女性用粉乳、食品及び飲料に用いることができる。また医薬製品として，ナイアシン欠乏症を治療するために用いられる；飼料添加物；ニコチンアミドの生産に用いられ又はニコチンアミドを置き換える。アルコール改質剤；染料中間体；ゴムの加硫剤フィルムの増感剤を生産する原料等である。 [3] γ-メチルピリジン、γ-ピコリンとも呼ばされる。無色の液体である。可燃性を有する。不快な臭いがある。甘い味がする。不純物があれば，その色が徐々に黄色くなる。その相対密度が0.9558である。融点が3.7℃である。沸点が144.9℃である。屈折率が1.5064（17℃）である。引火点が56℃である。水、エタノール及びエーテルに溶解できる。本品は水とともに共沸混合物を生成し，そのうち本品の含有量が63.5%であり，その共沸点が97.4℃である。皮膚、目と粘膜に対して刺激性があり, 悪臭があり,その濃度が1×10-6であっても感じられるため, 早期予防できる。中毒後に，吐き気、嘔吐、頭痛を引き起こし，さらに内臓や中枢神経疾患を引き起こすことができる。ラット用経口投与量がLD501290mg/kgである。 用途：医薬製品を生産する原料であり，結核薬の“イソニコチン酸ヒドラジド”、 抗うつ薬の“ニアラミド”、 解毒剤の“オビドキシム”の生産に用いられる；農薬製品を生産する原料であり，殺虫剤や除草剤の生産に用いられる；また染料、ゴム薬品、織物防水剤、樹脂用硬化剤として用いられる；それに３-ピコリン酸、2-アミノ-4-メチルピリジン（動物用の医薬品）、ピリジン-4-カルボン酸（抗凝固剤）等を生産する原料である。