急性毒性
経口
ラットを用いた経口投与試験のLD50 336 mg/kg(CERI・NITE有害性評価書 No.18 (2005))、951 mg/kg(CERI・NITE有害性評価書 No.18 (2005))、100 mg/kg(環境省リスク評価第4巻 (2005))、200 mg/kg(PATTY (4th, 2000))から、計算式を用いて得られたLD50 100 mg/kgから、区分3とした。
経皮
モルモットを用いた経皮投与試験のLD50 160 mg/kg(CERI・NITE有害性評価書 No.18 (2005))と300 mg/kg(PATTY (4th, 2000))のうち低い方のLD50値 160 mg/kgから、区分2とした。
吸入
吸入(ガス): GHSの定義による液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
吸入(蒸気): データ不足のため分類できない
吸入(ミスト): データ不足のため分類できない
皮膚腐食性・刺激性
CERI・NITE有害性評価書 No.18 (2005)のモルモットを用いた24時間適用皮膚刺激性試験の結果で「強度の刺激性」が報告されている。 また、CERIハザードデータ集2000-40 (2001)、CERI・NITE有害性評価書 No.18 (2005)、PATTY (4th, 2000)のヒトへの健康影響で「本物質が皮膚に付着すると灼けるような痛みを起こし、すぐに皮膚を洗浄してもかなり激しい皮膚炎を起こす。この炎症は赤褐色となり、消失するのに約1 ヵ月を要する。」との報告がある。 これらから、強い皮膚刺激性を有し、更にヒトでは炎症が消失するのに1ヶ月を要していることから、区分2とした。
眼に対する重篤な損傷・刺激性
CERI・NITE有害性評価書 No.18 (2005)、PATTY (4th, 2000)のウサギ、モルモットを用いた眼刺激性試験結果で「強度の刺激性」と報告されていることから、区分2Aとした。
呼吸器感作性又は皮膚感作性
呼吸器感作性: データなし 皮膚感作性: CERI・NITE有害性評価書 No.18 (2005)、PATTY (4th, 2000)のモルモットを用いた皮膚感作性試験結果で「陽性」という結果が得られていること。CERIハザードデータ集2000-40 (2001)、CERI・NITE有害性評価書 No.18 (2005)、環境省リスク評価第4巻 (2005)、PATTY (4th, 2000)にて、「ヒトに対して、感作性がある」としていることから、区分1とした。
生殖細胞変異原性
CERI・NITE有害性評価書 No.18 (2005)、NITE初期リスク評価書 No.18 (2005)、NTP DB (Access on March 2006)の記述から、経世代変異原性試験なし、生殖細胞/体細胞in vivo変異原性試験なし、生殖細胞/体細胞in vivo遺伝毒性試験なし、in vitro変異原性試験で複数指標の(強)陽性結果なし、であることから「分類できない」とした。
発がん性
データなし
生殖毒性
環境省リスク評価第3巻 (2004)の記述から、ラットの反復投与試験において、生殖器官に重量変化がみられているが、毒性学的な重要性は低く、また、他に適切な生殖毒性試験報告がないため「分類できない」とした。
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)
ヒトについては、「一過性の眼、鼻及び咽頭の軽度の刺激、頭痛、嘔吐、神経過敏、食欲不振」(CERIハザードデータ集 2000-40 (2001))等の記述、実験動物については、「攻撃性行動、自発運動低下、努力性呼吸、けいれん、し眠」(NITE初期リスク評価書 No.18 (2005))等の記述があることから、標的臓器は神経系と考えられ、気道刺激性を有すると考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1、区分2に相当するガイダンス値でみられた。 以上より、分類は区分1(神経系)、区分3(気道刺激性)とした。
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)
実験動物については、「流涎、衰弱、活動の減退、振戦、痙攣」(環境省リスク評価第4巻 (2005))、「流涎と肺充血」(HSDB (2002))等の記述から、神経系、呼吸器が標的臓器と考えられた。なお実験動物に対する影響は区分2に相当するガイダンス値の範囲で見られた。 以上より、分類は区分2(神経系、呼吸器)とした。
吸引性呼吸器有害性
データなし