安全データシート

シアヌル酸 トリアリル

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: シアヌル酸 トリアリル
  • CB番号: CB7666588
  • CAS: 101-37-1
  • EINECS番号: 202-936-7
  • 同義語: シアヌル酸トリアリル,トリアリルシアヌレート

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 架橋用コモノマーとして各種ビニルポリマーの強度,耐熱性の改質に用いる。たとえばタイヤコード用接着剤,後架橋硬化型の塩化ビニル樹脂,ポリエチレン,エチレン系共重合体,フッ素ゴム,ケイ素ゴム等に用いられる。
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H23.1.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
健康に対する有害性
注) 上記で区分の記載がない危険有害性は政府向けガイダンス文書で規定された[分類対象外]、[区分外]または[分類できない]に該当するものであり、後述の該当項目の説明を確認する必要がある。
<環境分類実施日に関する情報>
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   区分2(中枢神経系、肝臓)
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分2(中枢神経系)
急性毒性(経口)   区分4

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS07GHS09
注意喚起語
警告
危険有害性情報
H411 長期継続的影響によって水生生物に毒性。
H302 飲み込むと有害。
注意書き
安全対策
P273 環境への放出を避けること。
P270 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P264 取扱い後は皮膚をよく洗うこと。
応急措置
P391 漏出物を回収すること。
P301 + P312 + P330 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。口をすすぐこと。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 別名: Triallyl cyanurate
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C12H15N3O3
  • 分子量: 249.27 g/mol
  • CAS番号: 101-37-1
  • EC番号: 202-936-7
  • 化審法官報公示番号: 5-1059
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
医師に相談する。 この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸い込んだ場合、新鮮な空気の場所に移す。 呼吸していない場合には、人工呼吸を施す。 医師に相談する。
皮膚に付着した場合
石けんと多量の水で洗い流す。 医師に相談する。
眼に入った場合
予防措置として、水で眼を洗浄する。
飲み込んだ場合
意識がない場合、口から絶対に何も与えないこと。 口を水ですすぐ。 医師に相談する。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

適切な消火剤
水噴霧、耐アルコール泡消火剤、粉末消火剤、二酸化炭素を使用すること。

5.2 特有の危険有害性

窒素酸化物(NOx)
炭素酸化物

5.3 消防士へのアドバイス

消火活動時には必要に応じて 自給式呼吸装置を装着する。

5.4 詳細情報

データなし

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

保護具を使用する。 粉じんの発生を避ける。 蒸気、ミスト、またはガスの呼吸を避ける。 十分な換気を確保する。 粉じんを吸い込まないよう留意。個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

安全を確認してから、もれやこぼれを止める。 物質が排水施設に流れ込まないようにする。 環境への放出は必ず避けなければならない。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

粉じんを発生させないように留意して回収し、廃棄する。 掃いてシャベルですくいとる。 廃棄に備え適切な容器に入れて蓋をしておく。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

安全取扱注意事項
皮膚や眼への接触を避けること。 粉じんやエアゾルを発生させない。
火災及び爆発の予防
粉じんが発生する場所では、換気を適切に行う。
衛生対策
十分な衛生的作業を行い安全規定に従って取扱う。 休憩前や終業時には手を洗う。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 11: 可燃性固体
保管条件
容器を密閉し、乾燥した換気の良い場所に保管する。熱に反応する。 湿気に反応する。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
十分な衛生的作業を行い安全規定に従って取扱う。 休憩前や終業時には手を洗う。
保護具
眼/顔面の保護
EN166に 適合するサイドシールド付き保護眼鏡 NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適
切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の保護具を使用する。
皮膚及び身体の保護具
手袋を着用して取扱う。 使用前に、必ず手袋を検査する。 (手袋外面に触れずに)適切に手袋
を脱ぎ、本製品の皮膚への付着を避ける。 適用法令およびGLPに従い、使用後に汚染手袋を廃
棄する。 手を洗い、乾燥させる。
選ばれた防護手袋は、EU指令2016/425の仕様と、それから派生する規格EN374を満たすもので
なければならない。
身体の保護
化学防護服, 特定の作業場に存在する危険物質の濃度および量に応じて、保護装置のタイプを選
択しなければならない。
呼吸用保護具
不快物質への暴露には、P95型(US)又はP1型(EU EN 143)呼吸用粒子保護具を使用する。
より高度な保護には、OV/AG/P99型(US)又はABEK-P2型(EU EN 143)呼吸用保護具カー
トリッジを使用する。 NIOSH(US)またはCEN(EU)などの適切な政府機関の規格で試験さ
れ、認められた呼吸用保護具および部品を使用する。
環境暴露の制御
安全を確認してから、もれやこぼれを止める。 物質が排水施設に流れ込まないようにする。 環
境への放出は必ず避けなければならない。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体
黄色
臭い
わずかな刺激臭
pH
データなし

融点・凝固点

27 ℃ : SRC (Access on Oct. 2010)

沸点、初留点及び沸騰範囲

149-150 ℃[ 1.3 mbar ] : GESTIS (Access on Oct. 2010)

引火点

165-170 ℃ (試験法不明) : GESTIS (Access on Oct. 2010)、80 ℃ (試験法不明) : WebKis-Plus (Access on Oct. 2010)

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

0.0000226 mmHg (25 ℃) : SRC (Access on Oct. 2010)

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

1.155 (30 ℃/4 ℃) : 有機化合物辞典 (1985) (1.11 g/cm3 : GESTIS (Access on Oct. 2010))

溶解度

可溶 : 有機化合物辞典 (1985)
0.76 mg/L : SRC (Access on Oct. 2010)

オクタノール・水分配係数

5.27 : SRC (Access on Oct. 2010)

分解温度

データなし

粘度

12.6 mPa・s (30 ℃) : 有機化合物辞典 (1985)

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

データなし

10.2 化学的安定性

推奨保管条件下では安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

湿気を避ける。

10.5 混触危険物質

強酸化剤, 酸, 鉄および鉄塩。, 銅, 過酸化物

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値: 753 mg/kg、 590 mg/kg(BUA 248 (2003))。(GHS分類:区分4)
経皮
ラットLD50値:>2000 mg/kg [OECD TG 402; GLP](BUA 248 (2003))。ラットに2000 mg/kg投与で死亡例はない。GHS分類:区分外)
吸入
吸入(蒸気):   ラットLC50値: >0.333 mg/L/1h = 0.17 mg/L/4h(BUA 248 (2003))があるが、区分を特定できない。なお、原文に"saturated vapor"と記載されているので、蒸気の区分基準値(mg/L)を適用した。(GHS分類:分類できない)
吸入(粉じん):   データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(ガス):   GHSの定義における固体である。(GHS分類:分類対象外)

皮膚腐食性・刺激性

ウサギを用いた試験(OECD TG 404)において、皮膚一次刺激指数は0であり、刺激性なし(not irritating)(BUA 248 (2003))。(GHS分類:区分外)

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ウサギを用いた試験(OECD TG 405)において、一次刺激指数は1/110であり、刺激性なし(not irritating)(BUA 248 (2003))。(GHS分類:区分外)

呼吸器感作性又は皮膚感作性

皮膚感作性:モルモットを用いた皮膚感作性試験(Guinea pig maximization test; OECD TG406: GLP)において、10匹中1匹が皮膚に軽度の紅斑を示したのみで、陽性率10%で感作性なし(not sensitizing)(BUA 248 (2003))。(GHS分類:分類できない)
呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)

生殖細胞変異原性

マウスに経口投与による骨髄を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)において陰性(BUA 248 (2003))。なお、in vitro試験では、エームス試験、V79細胞を用いたHGPRT遺伝子突然変異試験、およびヒト末梢リンパ球を用いた染色体異常試験でいずれも陰性(BUA 248 (2003))。(GHS分類:区分外)

発がん性

データなし。(GHS分類:分類できない)

生殖毒性

データなし。(GHS分類:分類できない)

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

ラットに353~1116 mg/kgを経口投与した急性毒性試験(LD50値: 353 mg/kg)において、投与後の症状として協調運動障害、筋緊張低下、側臥位、振戦、間代痙攣などが報告されている(BUA 248 (2003))。また、単回投与後に非特異的中毒症状は別として主に中枢神経系への影響が観察された(BUA 248 (2003))。(GHS分類:区分2(中枢神経系))

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

ラットを用いた28日間反復経口投与試験(OECD TG407:GLP)において、56.2 mg/kg/dayで神経障害、協調障害、筋緊張低下、正向反射の消失が見られ、一部の動物では間代痙攣が生じた。さらに、178/215 mg/kg/dayの用量ではALTの有意な増加、アルブミンの減少、肝臓重量の増加、病理組織学的検査では肝臓における単核細胞の炎症反応を伴った単細胞壊死が観察された(BUA 248 (2003))。以上の結果から、中枢神経系と肝臓が標的臓器と考えられる(BUA 248 (2003))と記述され、中枢神経系に対しては56.2 mg/kg/day(90日換算値:17.5 mg/kg/day)、肝臓に対しては178/215 mg/kg/day(90日換算値:55.4/66.9 mg/kg/day)の用量で影響が現れている。(GHS分類:区分2(中枢神経系、肝臓))

吸引性呼吸器有害性

データなし。(GHS分類:分類できない)

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

ミジンコ等の水生無脊
止水式試験 EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - 40 mg/l
椎動物に対する毒性
(OECD 試験ガイドライン 202)
藻類に対する毒性
止水式試験 - Desmodesmus subspicatus (緑藻) - 10.52 mg/l - 72 h
(OECD 試験ガイドライン 201)

12.2 残留性・分解性

生分解性
結果: 10 % - 易分解性ではない。
(OECD テスト ガイドライン 301B)
備考: (外部MSDS)

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
免許を有する廃棄物処理業者に、余剰物で再使用不可の溶液として処理を依頼する。 可燃性溶剤に溶解または混合し、アフターバーナーとスクラバーが備えられた化学焼却炉で焼却する。汚染容器及び包装製品入り容器と同様に処分する。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 3077    IMDG (海上規制): 3077    IATA-DGR (航空規制): 3077

14.2 国連輸送名

Triallyloxy-1,3,5-triazine)
IATA-DGR (航空規制): Environmentally hazardous substance, solid, n.o.s. (2,4,6-
(2,4,6-Triallyloxy-1,3,5-triazine)
IMDG (海上規制): ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, SOLID, N.O.S.
リアリロキシ-1,3,5-トリアジン)
ADR/RID (陸上規制): ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, SOLID, N.O.S. (2,4,6-ト

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 9    IMDG (海上規制): 9    IATA-DGR (航空規制): 9

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): III IMDG (海上規制): III IATA-DGR (航空規制): III

14.5 環境危険有害性

該当
ADR/RID: 該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 該当

14.6 特別の安全対策

なし

14.7 混触危険物質

強酸化剤, 酸, 鉄および鉄塩。, 銅, 過酸化物

15. 適用法令

16. その他の情報

略語と頭字語

LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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