急性毒性
経口
【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。
【根拠データ】 (1)ラットのLD50:18,500 mg/kg(EPA Peticides RED (1996)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))
経皮
【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(OECD TG 402、GLP)(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))
吸入: ガス
【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】 (1)~(3)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)ヒトに対する2%ワセリン混合物の48時間パッチテストでは刺激性はみられなかった(EPA Pesticides RED (1996))。 (2)50名の背部皮膚に32%溶液0.05mL、48時間経皮適用したが、皮膚刺激性はみられなかった(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。 (3)ラットを用いた急性経皮毒性試験(2,000 mg/kg、半閉塞、24時間適用)において、皮膚刺激性はみられなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)ウサギ(n=4)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、GLP、72時間観察)において、全例で1時間後に軽微な結膜発赤がみられたが、24時間以内に回復した(角膜混濁スコア:0/0/0/0、虹彩炎スコア:0/0/0/0、結膜発赤スコア:0/0/0/0、結膜浮腫スコア:0/0/0/0)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed 2022))。
呼吸器感作性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
【参考データ等】 (1)25名のボランティアに対するMaximisation試験(2%溶液)において、感作性反応はみられなかった(EPA Pesticides RED (1996)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。 (2)モルモットを用いたOpen epicutaneous testで陰性の報告がある(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた腹腔内投与による小核試験(単回投与(500 mg/kg)、4日間連続投与(250~2,000 mg/kg/day))で、陰性の報告がある(REACH登録情報 (Accessed 2022))。 (2)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験で代謝活性の有無にかかわらず陰性であった。一方、チャイニーズハムスターの肺由来細胞(CHL)を用いた染色体異常試験では、代謝活性化非存在下で陰性と報告された(S9+は試験未実施)(REACH登録情報 (Accessed 2022))。
発がん性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。(1)は被験体数など標準的な発がん性試験ではないことから、(2)は投与期間が短いことから根拠データとして採用しなかった。
【参考データ等】 (1)ラット(雌雄各20匹/群)を用いた2年間混餌投与による慢性毒性試験で、0.5%(5,00ppm≒ 250 mg/kg/day)まで特定の有害性影響はみられなかった(EPA Pesticides RED (1996))。 (2)雌マウスを用いた4週間皮下投与(25 mg/匹、3回/週、6カ月以上観察)による発がん影響を評価した試験で、6ヵ月後の生存例は媒体対照群、無処置対照群及び検体投与群で各々97/100例、171/203例及び4/16例であった。対照群には皮下の肉腫、乳がん、肺腫瘍等が認められたが、投与群には腫瘍の発生はみられなかった(REACH登録情報 (Accessed 2022))。
生殖毒性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)
【分類根拠】 (1)、(2)より、経口及び経皮経路では区分に該当しない。ただし、吸入経路での毒性情報がなくデータ不足のため分類できない。
【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回経口投与試験において、LD50は18,500 mg/kg(区分に該当しない範囲)と報告され、死亡例は投与後4時間から5日目にみられた。また投与から10分以内に抑うつがみられ、体毛の湿潤がみられたとの報告がある(EPA Pesticides RED (1996)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。 (2)ラットを用いた単回経皮投与試験(OECD TG 402、GLP)において、2,000 mg/kg(区分2の範囲)で死亡例、全身症状、皮膚刺激性はみられなかった(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)
【分類根拠】 (1)、(2)より、経口経路では区分に該当しないと考えられる。ただし、他経路では分類に十分な情報がなく、データ不足のため分類できない。
【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験において、16.5 mg/kg/day(雄)、14.6 mg/kg/day(雌)(区分2の範囲)で有害性影響はみられなかったとの報告がある(EPA Pesticides RED (1996))。 (2)ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/がん原性併合試験において、0.5%(250 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で有害性影響はみられなかったとの報告がある(EPA Pesticides RED (1996))。
誤えん有害性*
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。