安全データシート

四酸化ニ窒素

改訂日:2024-01-29版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 四酸化ニ窒素
  • CB番号: CB5159572
  • CAS: 10544-72-6
  • 同義語: 四酸化ニ窒素

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 酸化反応時の触媒、アクリル誘導体蒸留時の重合防止剤、ロケット推進薬原料
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H21.3.27、政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)を使用
物理化学的危険性
金属腐食性物質   分類できない
有機過酸化物   分類対象外
酸化性固体   分類対象外
酸化性液体   分類対象外
水反応可燃性化学品   分類対象外
自己発熱性化学品   分類対象外
自然発火性固体   分類対象外
自然発火性液体   分類対象外
自己反応性化学品   分類対象外
可燃性固体   分類対象外
引火性液体   分類対象外
高圧ガス   低圧液化ガス
支燃性・酸化性ガス類   区分1
可燃性・引火性エアゾール   分類対象外
可燃性・引火性ガス   区分外
火薬類   分類対象外
健康に対する有害性
吸引性呼吸器有害性   分類対象外
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   区分1(呼吸器)
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分2(呼吸器)
生殖毒性   分類できない
発がん性   分類できない
生殖細胞変異原性   区分2
皮膚感作性   分類できない
呼吸器感作性   分類できない
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分1
皮膚腐食性・刺激性   区分1
急性毒性(吸入:ミスト)   分類対象外
急性毒性(吸入:粉じん)   分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気)   分類対象外
急性毒性(吸入:ガス)   分類できない
急性毒性(経皮)   分類できない
急性毒性(経口)   分類できない
環境に対する有害性
水生環境慢性有害性   分類できない
水生環境急性有害性   分類できない
ラベル要素
絵表示又はシンボル
GHS03GHS05GHS04GHS06
注意喚起語
危険
危険有害性情報
長期又は反復ばく露による呼吸器の障害
呼吸器の障害のおそれ
遺伝性疾患のおそれの疑い
重篤な眼の損傷
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
加圧ガス:熱すると爆発するおそれ
発火又は火災助長のおそれ:酸化性物質
注意書き
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
【廃棄】
施錠して保管すること。
日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。
換気の良い場所で保管すること。
【保管】
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
ばく露した時、又は気分が悪い時は、医師に連絡すること。
ばく露又はその懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
皮膚に付着した場合、眼に入った場合、飲み込んだ場合、吸入した場合は、直ちに医師に連絡すること。
吸入した場合、被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
皮膚又は毛に付着した場合、直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぎ又は取り除くこと。皮膚を流水又はシャワーで洗うこと。
飲み込んだ場合、口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
火災の場合には、安全に対処できるならば漏洩を止めること。
【応急措置】
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
ガスを吸入しないこと。
適切な個人用保護具を使用すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
適切な保護眼鏡、保護面を着用すること。
適切な保護手袋、保護衣を着用すること。
取扱い後はよく手を洗うこと。
減圧バルブにはグリースや油を使わないこと。
衣類、その他の可燃物から遠ざけること。
【安全対策】

3. 組成及び成分情報

  • 化学名又は一般名: 四酸化ニ窒素
  • 別名: 四二酸化窒素 (Nitrogen tetroxide)
  • 分子式 (分子量): N2O4(92.01)
  • CAS番号: 10544-72-6
  • 官報公示整理番号(化審法・安衛法): (1)-486
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし
  • 濃度又は濃度範囲: 100%

4. 応急措置

吸入した場合

直ちに医師に連絡すること。
被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。

皮膚に付着した場合

直ちに医師に連絡すること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
皮膚を流水またはシャワーで洗うこと。
直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、又は取り去ること。

目に入った場合

直ちに医師に連絡すること。
水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。

飲み込んだ場合

直ちに医師に連絡すること。
口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。

予想される急性症状及び遅発性症状

データなし

最も重要な兆候及び症状

データなし

応急措置をする者の保護

データなし

医師に対する特別注意事項

データなし

5. 火災時の措置

消火剤

水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類

使ってはならない消火剤

棒状放水

特有の危険有害性

破裂したボンベが飛翔するおそれがある。
加熱により容器が爆発するおそれがある。
可燃物と接触すると、発火又は爆発の危険性がある。
液体アンモニアと爆発的に反応する。
アルコールと混合すると爆発する。
火災によって刺激性、腐食性及び/又は毒性のガスを発生するおそれがある。

特有の消火方法

損傷したボンベは専門家だけが取り扱う。
漏洩部や安全装置に直接水をかけてはいけない。凍るおそれがある。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。

消火を行う者の保護

適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具および緊急措置

ガスが拡散するまでその区域を立入禁止とする。
漏洩場所を換気する。
低地から離れる。
風上に留まる。
関係者以外の立入りを禁止する。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
作業者は適切な保護具(『8.ばく露防止措置及び保護措置』の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。

環境に対する注意事項

環境中に放出してはならない。

回収・中和

危険でなければ漏れを止める。

封じ込め及び浄化方法・機材

可能ならば、漏洩している容器を回転させ、液体でなく気体が放出するようにする。
危険でなければ漏れを止める。

二次災害の防止策

住居地域及び工業地域の住民に直ちに警告し、危険地域から避難する。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項
皮膚、粘膜等に触れると、炎症を起こす。
漏洩すると、材料を腐食させる危険性がある。
漏洩すると、発火、爆発する危険性がある。
可燃性ガスと混合すると、発火、爆発の危険性がある。
多量に吸入すると、窒息する危険性がある。
使用後は、バルブを完全に閉め、口金キャップを取り付け、保護キャップを付ける。
容器の取り付け、取り外しの作業の際は、漏洩させないよう、十分注意する。
容器は丁寧に取り扱い、衝撃を与えたり、転倒させない。
周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。
眼に入れないこと。
皮膚と接触しないこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
ガスを吸入しないこと。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
使用前に使用説明書を入手すること。
取扱い後はよく手を洗うこと。
減圧バルブにはグリースや油を使わないこと。
可燃物から遠ざけること。
接触回避
『10.安定性及び反応性』を参照。

保管

技術的対策
容器は保安上1年以内にご使用の上、速やかに販売事業者に返却すること(高圧ガス保安協会指針)。
混触危険物質
『10.安定性及び反応性』を参照。
保管条件
施錠して保管すること。
容器は直射日光や火気を避け、40℃以下の温度で保管すること。
可燃物、酸化されやすい物質、重合促進剤、還元剤、ハロゲン、酸、金属微粉末から離して保管すること。
専用の高圧ガス容器に保管する。
日光から遮断すること。
換気の良い場所で保管すること。
容器包装材料
データなし

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

未設定

許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標)

日本産衛学会(2007年版)
未設定
ACGIH(2007年版)
未設定

設備対策

ばく露を防止するため、装置の密閉化又は局所排気装置を設置すること。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
減圧バルブにはグリース及びオイルを使用しないこと。

保護具

呼吸器の保護具
適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具
適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具
適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具
適切な保護衣を着用すること。

衛生対策

この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
気体
無色
臭い
データなし
pH
データなし

融点・凝固点

-11.2℃ : Sax (11th, 2004)

沸点、初留点及び沸騰範囲

21.15℃ : Sax (11th, 2004)

引火点

不燃性気体 : ホンメル (1996)

自然発火温度

不燃性気体 : ホンメル (1996)

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

646mmHg (25℃) : ホンメル (1996)

蒸気密度

2.8 : GESTIS (Access on December 2008)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

2.620(20℃): Gangolli (2nd, 1999)

溶解度

濃硫酸、濃硝酸 : 可溶 : Lange (16th, 2005)
水 : 可溶 : GESTIS (Access on December 2008)

オクタノール・水分配係数

データなし

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

安定性

法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる

危険有害反応可能性

可燃物と接触すると、発火又は爆発の危険性がある。
液体アンモニアと爆発的に反応する。
アルコールと混合すると爆発する。

避けるべき条件

可燃物との接触

混触危険物質

アルコール、液体アンモニア

危険有害な分解生成物

データなし

11. 有害性情報

急性毒性

経口
データなし
経皮
データなし
吸入
吸入(粉じん、ミスト):   GHS定義のガスである。
吸入(蒸気):   GHS定義のガスである。
吸入(ガス):   ラットのLC50値29ppmV、マウスLC50値50.1ppmV、ウサギLC50値84.3ppmV〔RTECS(2008)〕があるが投与時間が不明でデータ不足。

皮膚腐食性・刺激性

ヒトへの毒性で皮膚腐食性〔HSDB(2002)〕の報告があり、EU分類はC; R34であることから区分1とした。

眼に対する重篤な損傷・刺激性

EU分類C; R34であり、皮膚腐食性物質〔HSDB2002)〕なので区分1とした。

呼吸器感作性又は皮膚感作性

皮膚感作性:データなし
呼吸器感作性:データなし

生殖細胞変異原性

マウスの精母細胞を用いたin vivo染色体異常試験(生殖細胞in vivo変異原性試験)で陰性であり〔EHC 188(1997)〕、ラット肺細胞のin vivo染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)やマウス肺細胞のin vivo DNA損傷試験(体細胞in vivo遺伝毒性試験)では陽性〔EHC 188(1997)〕で、生殖細胞in vivo遺伝毒性試験のデータは無いので区分2とした。なお、Ames試験やChinese hamster細胞を用いたin vitro変異原性試験でも陽性結果が得られている〔EHC 188(1997)〕。これら毒性試験データは、N2O4がNO2の二量体で大気圧下NO2と平衡化しており容易にNO2に解離するため〔EHC 188(1997)〕、NO2による試験結果である。

発がん性

NO2ばく露が発がん性に直接に影響すると判断できる十分な情報がない。毒性試験データは、N2O4がNO2の二量体で大気圧下NO2と平衡化しており容易にNO2に解離するため〔EHC 188(1997)〕、NO2による試験結果である。

生殖毒性

データなし

12. 環境影響情報

水生環境急性有害性

データなし

水生環境慢性有害性

データなし

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。

汚染容器及び包装

空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。

14. 輸送上の注意

国際規制

海上規制情報
IMOの規制に従う。
航空規制情報
輸送禁止
UN No.
1067
Proper Shipping Name.
Dinitrogen tetroxide
Class
2.3

国内規制

陸上規制情報
該当しない
海上規制情報
船舶安全法の規制に従う。
航空規制情報
輸送禁止

特別安全対策

重量物を上積みしない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

緊急時応急措置指針番号

124

15. 適用法令

船舶安全法

高圧ガス(危規則第3条危険物告示別表第1)

航空法

輸送禁止(施行規則第194条)

港則法

高圧ガス・毒性高圧ガス

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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