急性毒性
経口
【分類根拠】 ラットにおけるLD50値として、(1)のデータに基づき区分4とした。
【根拠データ】 (1)ラットのLD50値:790 mg/kg(PATTY(6th, 2012))
【参考データ等】 (2)ラット及びマウスのLD50値の範囲:400-1,600mg/kg(PATTY(6th, 2012))
経皮
【分類根拠】 ウサギにおけるLD50値として、(1)のデータに基づき区分3とした。
【根拠データ】 (1)ラットのLD50値:410 mg/kg(PATTY(6th, 2012))
吸入:ガス
【分類根拠】 GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気
【分類根拠】 ラットにおける4時間のLC50値として、(1)のデータが報告されており、区分3~区分4に該当する。有害性の高い区分を採用し、区分3とした。ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度(14,736 ppm)の90%よりも低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。新たな情報源の使用により、旧分類から区分を変更した。
【根拠データ】 (1)ラットのLC50値(4時間):2,000 - 4,000 ppmの間(2,000 ppmで0/6、4,000 ppmで6/6の死亡例)(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))
吸入:粉じん及びミスト
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】 (1)、(2)より、区分1とした。なお、細区分可能な情報は得られなかった。
【根拠データ】 (1)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(U.S. 49 CFR 173.240)で本物質の4時間の閉塞適用で、全ての物質に潰瘍若しくは壊死が見られたとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。 (2)動物種不明だが、本物質は中程度から重度の刺激性を有し、壊死、潰瘍、再生の形跡が報告されている(PATTY(6th, 2012))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】 動物試験(2)、(3)では重度の刺激性が報告されているが、(1)より区分1とした。
【根拠データ】 (1)皮膚腐食性/刺激性で区分1である。 (2)ウサギを用いた眼刺激性試験2件において重度の刺激性が報告されている(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。 (3)動物種不明だが、本物質は中程度から重度の刺激性を有することが報告されている(PATTY(6th, 2012))。 (4)眼刺激性試験に基づき本物質は刺激性有りと判断されるが、角膜炎、角膜上皮組織、線維素浮腫が見られるとの報告がある(HSDB(2015))。
呼吸器感作性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】 In vivoのデータがなく、データ不足のため分類できない。
【根拠データ】 (1)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験は陰性であった(PATTY(6th, 2012)、REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。 (2)In vitroでは、哺乳類細胞を用いた突然変異試験は陰性であった(PATTY(6th, 2012)、REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。 (3)In vitroでは、哺乳類細胞を用いた染色体異常試験は陰性であった(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。
発がん性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
生殖毒性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。旧分類では、(1)に基づいて区分2とされたが、1用量のみの試験結果で、母動物毒性の有無も含め詳細が不明なため、分類に利用可能なデータではないと判断した。
【参考データ等】 (1)妊娠ラットに157 mg/kg/dayを妊娠期間を通して経口投与した結果、投与群の児動物に肝臓の構造と構成成分、及び皮膚の構造と発生パターンに障害がみられたとのとの報告がある(HSDB(2012))。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
【分類根拠】 (1)及び(2)のヒトの知見は異性体混合物の所見と考えられるが、1異性体である本物質にも適用可能と判断し、区分1(中枢神経系)とした。なお、新たな情報源の利用により、旧分類から区分を変更した。
【根拠データ】 (1)ヒトにおいて、ピリジンの単純なメチル誘導体で報告されている主な作用は局所刺激と中枢神経抑制であるとの記述がある(PATTY(6th, 2012))。 (2)ヒトにおいて、メチルピリジンによる中毒症状は体重減少、下痢、虚弱、運動失調、意識喪失、中枢神経抑制、頭痛、悪心、嘔吐であるとの記述がある(HSDB(2015)、GESTIS(Accessed Sept. 2018))。
【参考データ等】 (3)実験動物では、雄ラットに本物質を区分2の550~950 mg/kgの用量で強制経口投与した急性毒性試験において、950 mg/kg群では4/10例が死亡し、生存例2/6例に脳軟化症の徴候がみられたとの報告がある(HSDB(2012))。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
【分類根拠】 (1)のデータは異性体混合物の所見と考えられるが、1異性体である本物質にも適用可能と判断し、(1)及び(2)のデータより、区分1(中枢神経系、血液系)とした。
【根拠データ】 (1)ヒトにおいて、メチルピリジンへの慢性ばく露は中枢神経抑制症状に加えて、貧血、眼と顔面の麻痺を生じるとの記述がある(HSDB(2015))。 (2)ラットに5~100 ppmを6ヵ月間吸入ばく露した結果、赤血球数の減少がみられたとの報告があり、ヒトでの知見と符合するが、再現性が示されなかったとの記述がある(HSDB(2015))。
【参考データ等】 (3)実験動物では、ラット、ウサギ、モルモットに25~100 ppmで6ヵ月間吸入ばく露した試験で、モルモットに肝細胞の空胞化がみられたが、発現用量が不明であり、かつ他の動物種で影響がみられていない(PATTY(6th, 2012)、GESTIS(Accessed Sept. 2018))。
吸引性呼吸器有害性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。