安全データシート

2-メチル-2-ヘプテン-6-オン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 2-メチル-2-ヘプテン-6-オン
  • CB番号: CB4729000
  • CAS: 110-93-0
  • EINECS番号: 203-816-7
  • 同義語: 6-メチル-5-ヘプテン-2-オン,メチルヘプテノン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: ビタミン、香料、医薬品等ファインケミカルの中間原料。食品、化粧品等の芳香剤添加成分
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H23.1.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
物理化学的危険性
引火性液体   区分3
健康に対する有害性
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分3(麻酔作用)
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分2B
環境に対する有害性
注) 上記で区分の記載がない危険有害性は政府向けガイダンス文書で規定された[分類対象外]、[区分外]または[分類できない]に該当するものであり、後述の該当項目の説明を確認する必要がある。
<環境分類実施日に関する情報>
水生環境慢性有害性   区分外
水生環境急性有害性   区分3

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS02
注意喚起語
警告
危険有害性情報
H412 長期継続的影響によって水生生物に有害。
H226 引火性液体及び蒸気。
注意書き
安全対策
P210 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
応急措置
P370 + P378 火災の場合:消火するために粉末消火剤 (ドライパウダー)、乾燥砂を使用すること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C8H14O
  • 分子量: 126.20 g/mol
  • CAS番号: 110-93-0
  • EC番号: 203-816-7
  • 化審法官報公示番号: 2-2480
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後は水を飲ませる(多くても2杯)。気分が悪い場合は医師の診察を受ける。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし

5.2 特有の危険有害性

炭素酸化物
蒸気は空気より重く、床に沿って広がることがある。
高温で空気と反応して爆発性混合物を生じる。

5.3 消防士へのアドバイス

火災時には、自給式呼吸器を着用する。

5.4 詳細情報

容器を危険ゾーンから移動させて水で冷やすこと。 消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: 蒸気、エアゾールを吸入してはならない。 十分な換気を確保する。 熱や発火源から遠ざける。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。 爆発のおそれ。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 液体吸収剤(例. Chemizorb® )で処置すること。 正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

火災及び爆発の予防
炎、熱および発火源から遠ざける。静電気放電に対する予防措置を講ずること。
衛生対策
汚した衣類は替えること。本物質を扱った後は手を洗うこと。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 3: 可燃性液体
保管条件
容器を密閉し、乾燥した換気の良い場所に保管する。 熱や発火源から遠ざける。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類は替えること。本物質を扱った後は手を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 保護眼鏡
皮膚及び身体の保護具
身体の保護
難燃静電気保護服。
呼吸用保護具
気化ガス/エアロゾル発生時に必要
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。 爆発のおそれ。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体
無色~黄色
臭い
柑橘類レモングラスの臭い
pH
データなし

融点・凝固点

-67.1 ℃ : Sax (11th, 2004)

沸点、初留点及び沸騰範囲

172-174 ℃ (1014 hPa) : SIDS (Access on Jun. 2010)

引火点

56 ℃ (CC) : IUCLID (2000)

自然発火温度

250 ℃ : IUCLID (2000)

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

1 hPa (20℃) : IUCLID (2000)

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

データなし (0.851 g/cm3 (20 ℃) : SIDS (Access on Jun. 2010)

溶解度

エーテル、エタノールに易溶 : Lide (90th, 2009)
3.02 g/L (25 ℃) : SIDS (Access on Jun. 2010)

オクタノール・水分配係数

log Kow: 2.4 : SIDS (Access on Jun. 2010)

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

蒸気/空気混合物は、強く温めると爆発性となる。

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

加熱

10.5 混触危険物質

強酸化剤, 強還元剤, 強塩基類

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値: 3570 mg/kg bw、4100 mg/kg bw (SIDS (Access on Jun. 2010) 。(GHS分類:区分外)
経皮
ウサギLD50値: >5000 mg/kg bw (SIDS (Access on Jun. 2010)) により区分外とした。(GHS分類:区分外)
吸入
吸入(ミスト):   ラットLC50値 >13.96 mg/L/4h [ >6.98 mg/L/8hからの換算値](SIDS (Access on Jun. 2010))。なお、試験濃度(6.98 mg/L)が飽和蒸気圧濃度(5.18 mg/L)より高いので、粉じん/ミストの基準値を適用した。(GHS分類:区分外)
吸入(蒸気):   データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(ガス):   GHSの定義における液体である。(GHS分類:分類対象外)

皮膚腐食性・刺激性

ウサギに試験物質原液を20時間適用した試験で紅斑を認めたのみで48時間後には回復し、軽度の刺激性(slightly irritating)(SIDS (Access on Jun. 2010))。(GHS分類:区分外(JIS分類基準))

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ウサギの試験で適用24時間後のDraize scoreは角膜混濁1、結膜発赤1、結膜浮腫0であり、8日後には完全に回復(SIDS (Access on Jun. 2010))。(GHS分類:区分2B)

呼吸器感作性又は皮膚感作性

皮膚感作性:本物質はモルモットのmodified Draize TestおよびOpen Epicutaneous Testによる皮膚感作性試験、およびヒトでのマキシマイゼーション試験においていずれも感作性を示さず、感作性物質ではない(SIDS (Access on Jun. 2010))。(GHS分類:区分外)
呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)

生殖細胞変異原性

マウスに腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(in vivo体細胞変異原性試験)で陰性(SIDS (Access on Jun. 2010))。なお、in vitro試験ではエームス試験で陰性 (Access on Jun. 2010))。(GHS分類:区分外)

発がん性

データなし。(GHS分類:分類できない)

生殖毒性

妊娠ラットの器官形成期に経口投与による発生毒性試験において、母動物の一般毒性が現れた高用量(1000 mg/kg/day)およびそれ以下の用量で妊娠および発生の指標に影響は認められず、催奇形性の兆候は見出されていない(SIDS (Access on Jun. 2010))。一方、ラットに13週間反復経口投与により高用量(1000 mg/kg/day)で精子形成に影響を与え、精巣毒性を引き起こした(SIDS (Access on Jun. 2010))。(GHS分類:データ不足で分類できない。)

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

ラットに1360 mg/kg以上の経口投与により、鈍麻、無緊張、呼吸困難、腹臥位および側臥位の症状が用量の増加とともに強くなったが、4650 mg/kg以下の生存動物では投与5日以内には症状は回復し、解剖の結果、異常は見られなかった(SIDS (Access on Jun. 2010))。また、ラットに2000~5000 mg/kgを経口投与した別の試験で観察された主な症状は即座の興奮に続く運動失調であり(SIDS (Access on Jun. 2010))、さらに、高濃度の吸入ばく露直後に平衡障害が認められたが翌日には回復したと報告されている(SIDS (Access on Jun. 2010))。(GHS分類:区分3(麻酔作用))

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

ラットの3ヵ月間経口投与試験(OECD TG 408, GLP準拠)において、全用量(50~1000 mg/kg/day)で影響が見られ、標的臓器は腎臓、肝臓および精巣であると記載されている(SIDS (Access on Jun. 2010))。肝臓では肝重量増加と小葉中心性肝細胞肥大が高用量(1000 mg/kg/day)で認められ、精巣への影響は精巣萎縮が高用量(1000 mg/kg/day)で認められたが、対照群および他の投与群では見出されていない。腎臓についてはα-2µグロブリンの蓄積に因る影響で雄の全用量で発生したが、ヒトでの毒性学的関連性のないラット特有の現象であることが知られている。(GHS分類:経口では区分外に相当するが、データ不足で分類できない。)

吸引性呼吸器有害性

データなし。(GHS分類:分類できない)

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
止水式試験 LC50 - Leuciscus idus (コイの一種) - 50 mg/l - 96 h
(DIN(ドイツ工業規格) 38412)
ミジンコ等の水生無脊
止水式試験 EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - 74 mg/l - 48 h
椎動物に対する毒性
(DIN(ドイツ工業規格) 38412)
藻類に対する毒性
止水式試験 ErC50 - Desmodesmus subspicatus (緑藻) - 約 116 mg/l - 72 h
(DIN(ドイツ工業規格) 38412)
微生物毒性
止水式試験 EC50 - 活性汚泥 - 800 mg/l - 0.5 h
(OECD 試験ガイドライン 209)

12.2 残留性・分解性

生分解性
好気性 - 曝露時間 28 d
結果: 約91 % - 易分解性。
(OECD 試験ガイドライン 301F)

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

12.6 内分泌かく乱性

データなし

12.7 他の有害影響

非該当
オゾン層への有害性
環境への放出は必ず避けなければならない。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 1224    IMDG (海上規制): 1224    IATA-DGR (航空規制): 1224

14.2 国連輸送名

IATA-DGR (航空規制): Ketones, liquid, n.o.s. (6-methyl-5-heptene-2-one)
IMDG (海上規制): KETONES, LIQUID, N.O.S. (6-methyl-5-heptene-2-one)
ADR/RID (陸上規制): KETONES, LIQUID, N.O.S. (6-メチル-5-ヘプテン-2-オン)

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 3    IMDG (海上規制): 3    IATA-DGR (航空規制): 3

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): III IMDG (海上規制): III IATA-DGR (航空規制): III

14.5 環境危険有害性

非該当
ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当

14.6 特別の安全対策

なし

14.7 混触危険物質

強酸化剤, 強還元剤, 強塩基類

15. 適用法令

労働安全衛生法

危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号)

消防法

第4類引火性液体、第二石油類非水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)

船舶安全法

引火性液体類(危規則第3条危険物告示別表第1)

航空法

引火性液体(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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