急性毒性
経口
ラットのLD50値として3件のデータ(118 mg/kg、540 mg/kg、680 mg/kg(以上、NTP TR317 (1986)))が得られ、1件が区分3、2件が区分4に該当する。GHS分類:区分4 急性毒性(経口) 区分4
経皮
データなし。GHS分類:分類できない 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
吸入:蒸気
データなし。GHS分類:分類できない 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
吸入:粉じん及びミスト
データなし。GHS分類:分類できない 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
皮膚腐食性及び刺激性
データなし。GHS分類:分類できない 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
データなし。GHS分類:分類できない 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
呼吸器感作性
データなし。GHS分類:分類できない 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
皮膚感作性
データなし。GHS分類:分類できない 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
生殖細胞変異原性
マウスの腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)において陰性の結果(NTP DB (1993))がある。なお、in vitro試験として、エームス試験(NTP DB (1982))およびマウスリンフォーマ試験(NTP DB (Access on May 2011))で陰性、CHO細胞を用いた染色体異常試験(NTP DB (Access on May 2011))では代謝活性を伴う場合に陽性の結果が得られている。GHS分類:区分外 生殖細胞変異原性 区分外
発がん性
ラットおよびマウスを用いた103週間経口投与試験において、投与群で体重低下、また、試験終了時に高用量群の雌ラットおよび高用量群の雄マウスで生存率の低下が認められたが、両動物種の雌雄とも発がん性の証拠は得られなかったとの報告(NTP TR317 (1986))がある。なお、雌ラットと雄マウスの高用量群で死亡率低下に伴う発がん性の検出感度の低下、および雌マウスで甲状腺濾胞細胞の嚢腫および過形成の発生率増加に見られる増殖性変化が報告されている。GHS分類:区分外 発がん性 区分外
生殖毒性
ラットを用い雄に交配前63日から交配期間を通じ、雌は交配前21日から妊娠14日または分娩後21日まで経口投与した試験で、性機能および生殖能に影響は認められなかったが、授乳期間中の死亡仔の割合が増加した(NTP TR317 (1986))。さらに、マウスの妊娠期間中に経口投与により、高用量群で100%が流産または胚吸収を起こし、それ以下の用量では妊娠末期または分娩後に顕著な仔の生存率低下が見られた(NTP TR317 (1986))。親動物の一般毒性に関する記述がない。なお、ラットおよびウサギの器官形成期に経口投与した試験では、催奇形性を含む仔の発生に対する悪影響は報告されていない(NTP TR317 (1986))。GHS分類:区分2 生殖毒性 区分2
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
本物質は抗ヒスタミン剤(H1受容体拮抗薬)として使用され、H1受容体拮抗薬は中枢神経系の興奮または抑制を起こすことが知られている(NTP TR317 (1986))。医薬品添付文書に重大な副作用として、けいれん、錯乱、その他の副作用として精神神経系に対し、鎮静、神経過敏、眠気、めまい、振戦、協調異常などが記載されている(医療用医薬品集 (2010))。また、H1受容体拮抗薬の急性中毒では中枢神経興奮が非常に危険な状態をもたらしかねず、幻覚、興奮、運動失調、協調不能、アテトーシス、痙攣の症状を示す(HSDB (2003))。なお、実験動物でもラットおよびマウスを用いた急性毒性試験における症状として、興奮、筋の振戦、運動失調、痙攣発作が報告されている(NTP TR317 (1986))。GHS分類:区分1(中枢神経系) 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系)
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
本物質は抗ヒスタミン剤(H1受容体拮抗薬)として使用され、H1受容体拮抗薬は中枢神経系の興奮または抑制を起こすことが知られている(NTP TR317 (1986))。医薬品添付文書で重大な副作用として、けいれん、錯乱、その他の副作用として精神神経系に対し、鎮静、神経過敏、眠気、めまい、振戦、協調異常などが記載されている(医療用医薬品集 (2010))。また、動物試験でラットおよびマウスに2、13または104週間の経口投与により、運動亢進、過剰興奮、嗜眠が見られ、高用量では死亡に加え、痙攣、振戦、協調障害が報告されている(NTP TR317 (1986))。以上の結果から標的臓器とし区分1(中枢神経系)とした。次いで、サルに104週間経口投与により、ガイダンス値区分1相当の10 mg/kg/day以上で心拍数減少および電気的収縮期の延長、15 mg/kg/dayでは不整脈および失神に加え、心不全に因る死亡が発生し(NTP TR317 (1986))、ヒトでは医薬品使用による重大な副作用として、ショック、チアノーゼ、呼吸困難、胸内苦悶、血圧低下等の症状が記載されている(医療用医薬品集 (2010))ことから、区分1(心血管系)とした。さらに、血小板減少性紫斑病、骨髄抑制、再生不良性貧血と関連性を示す症例報告があり(NTP TR317 (1986))、かつ、重大な副作用として、再生不良性貧血,無頼粒球症が記載されている(医療用医薬品集 (2010))ことから、区分1(造血系)とした。GHS分類:区分1(中枢神経系、心血管系、造血系) 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(中枢神経系、心血管系、造血系)
吸引性呼吸器有害性
データなし。GHS分類:分類できない 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない