急性毒性
経口
ラットLD50値は雄:2489mg/kg , 雌:2324 mg/kg (SIDS (Access on Nov. 2008) および別のラットLD50値は 雄:2006mg/kg, 雌:2130 mg/kg (厚労省報告(Access on Nov. 2008))であり、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)に該当する。
経皮
ラットLD50値>2000mg/kg 、ウサギLD50値12600 mg/kg (SIDS (Access on Nov. 2008)) 、4897 mg/kg (SIDS (Access on Nov. 2008)) は区分外に該当する。
吸入
吸入(粉じん): ラット吸入試験におけるLC50値12mg/L/4h及び、3.6mg/kg/17.5h(15.75mg/kg/4h) (SIDS(Access on Nov. 2008)) は区分外に該当する。
吸入(蒸気): データなし
吸入(ガス): GHSの定義における固体である。
皮膚腐食性・刺激性
ウサギとモルモットの試験において刺激性を示さない (SIDS(Access on Nov. 2008))とあり、別のウサギの試験において軽度の刺激性とあるもののEC分類において刺激性なし(Graded 2 on a scale of 1-10)) (IUCLID, 2000)との記述より区分外とした。
眼に対する重篤な損傷・刺激性
ウサギの試験(US Federal Register 29 FR 13009(1964年))においてnot irritating(軽度の結膜炎は数時間で回復)、ウサギを用いたDraze Testでslightly irritating (角膜混濁、虹彩および結膜に刺激性を認めたが速やかに回復、適用7日後には全て正常)の結果が得られいる(SIDS (Access on Nov. 2008))。別のウサギによる試験では中程度の刺激 (SIDS (Access on Nov. 2008)) とあるが、Draze Testでslightly irritatingの結果から区分2Bとした。
呼吸器感作性又は皮膚感作性
皮膚感作性:モルモットを用いたmaximisation testにおいて感作性は認められないの記載(SIDS (Access on Nov. 2008), IUCLID (2000))により区分外とした。
呼吸器感作性:データなし
生殖細胞変異原性
in vivo変異原性試験のデータがなく、複数指標のin vitro変異原性試験陽性のデータもないことから分類できない。 なお、エームス試験、染色体異常試験で陰性の結果が得られているが、マウスリンフォーマアッセイで陽性の結果(いずれもin vitro変異原性試験)が得られている(SIDS (Access on Nov. 2008))。
発がん性
データなし
生殖毒性
ラットを用いた経口投与による簡易生殖毒性試験において親動物の体重低下,摂餌量の低下の見られる用量で、親動物における発情回数の低下がみられ、仔の産出率、出生率、新生仔の死亡など見られる(厚労省報告(Access on Nov. 2008))ことから区分2とした。
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)
データなし
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)
ラット、モルモット、イヌ、サルを用いた27日間吸入ばく露試験(0.495mg/Lの1用量、8時間/日・5日/週)においてガイダンスの区分2を超える0.495mg/Lの用量でラットに肝臓および肺の炎症、モルモット、イヌ、サルに肺炎が認められるが(SIDS (Access on Nov. 2008))区分外の用量である。ラットを用いた85~110日間の吸入ばく露試験(23時間/日)におけるNOAELは0.02mg/L(ガイダンス値の区分2に相当)とされているがLOAELはもとめられていない、モルモットを用いた85~110日間の吸入ばく露試験(23時間/日)におけるNOAELは0.159mg/Lとされ0.2mg/L(飽和蒸気圧濃度: 0.04 mg/Lよりミストと判断)で肝臓の脂肪変性が見られているがNOAELはガイダンス値の区分2を超えている(SIDS (Access on Nov. 2008))。イヌを用いた90~110日間の吸入ばく露試験(23時間/日)におけるNOAELは0.02mg/Lとされ0.2mg/Lで肺炎が見られ、サルを用いた85~110日間の吸入ばく露試験(23時間/日)におけるNOAELは0.02mg/Lとされ0.2mg/Lで肺炎がみられる(SIDS (Access on Nov. 2008))。いずれもLOAELはガイダンス値の区分2の用量を超えており、ガイダンスの範囲値において影響はみられないと考えられることから区分外とした。なお、 60, 200, 700mg/kgの用量で実施したラットの28日間経口ばく露試験(厚労省報告(Access on Nov. 2008))において腎臓の近位尿細管上皮における硝子滴および好酸体の増加が200mg/kgの用量(90日換算でガイダンス値の区分2に相当)で雄に認められたが、雄ラットにおける特異的反応と考えられることから評価しなかった。
吸引性呼吸器有害性
データなし