安全データシート

酸化ベリリウム

改訂日:2024-01-29版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 酸化ベリリウム
  • CB番号: CB3118746
  • CAS: 1304-56-9
  • 同義語: 酸化ベリリウム

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 電子工業材料(半導体) 触媒 原子炉 セラミックス原料
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H18.8.22 (環境に対する有害性についてはH18.3.31)、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用
物理化学的危険性
金属腐食性物質   分類できない
有機過酸化物   分類対象外
酸化性固体   分類できない
酸化性液体   分類対象外
水反応可燃性化学品   区分外
自己発熱性化学品   区分外
自然発火性固体   区分外
自然発火性液体   分類対象外
自己反応性化学品   分類対象外
可燃性固体   区分外
引火性液体   分類対象外
高圧ガス   分類対象外
支燃性・酸化性ガス類   分類対象外
可燃性・引火性エアゾール   分類対象外
可燃性・引火性ガス   分類対象外
火薬類   分類対象外
健康に対する有害性
吸引性呼吸器有害性   区分2
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   区分1(呼吸器 血液系 )
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分1(呼吸器 )
生殖毒性   区分2
発がん性   区分1A
生殖細胞変異原性   分類できない
皮膚感作性   分類できない
呼吸器感作性   分類できない
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分2A
皮膚腐食性・刺激性   区分2
急性毒性(吸入:ミスト)   分類対象外
急性毒性(吸入:粉じん)   分類できない
急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない
急性毒性(吸入:ガス)   分類対象外
急性毒性(経皮)   分類できない
急性毒性(経口)   分類できない
環境に対する有害性
水生環境慢性有害性   分類できない
水生環境急性有害性   分類できない
ラベル要素
絵表示又はシンボル
GHS06GHS08
注意喚起語
危険
危険有害性情報
飲み込み、気道に侵入すると有害のおそれ
長期又は反復ばく露による血液系、呼吸器の障害
呼吸器の障害
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
発がんのおそれ
強い眼刺激
皮膚刺激
注意書き
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
【廃棄】
施錠して保管すること。
【保管】
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
ばく露又はその懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
ばく露した場合:医師に連絡すること。
眼に入った場合、眼の刺激が持続する場合は医師の診断、手当てを受けること。
眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
皮膚に付着した場合、汚染された衣類を脱ぐこと。
皮膚に付着した場合、皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを求めること。
皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。
飲み込んだ場合、直ちに医師に連絡すること。
飲み込んだ場合、無理に吐かせないこと。
【応急措置】
取扱い後はよく手を洗うこと。
粉じん、ヒューム、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
適切な個人用保護具を使用すること。
適切な保護眼鏡、保護面を着用すること。
適切な保護手袋を着用すること。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
【安全対策】

3. 組成及び成分情報

  • 化学名又は一般名: 酸化ベリリウム
  • 分子式(分子量): BeO (25.011)
  • CAS番号:: 1304-56-9
  • 官報公示整理番号(化審法・安衛法): (1)-94
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし
  • 濃度又は濃度範囲: 1

4. 応急措置

吸入した場合

気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。

皮膚に付着した場合

汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
汚染された衣類を脱ぐこと。
皮膚刺激又は発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受けること。
多量の水と石鹸で洗うこと。

目に入った場合

眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。

飲み込んだ場合

直ちに医師に連絡すること。
無理に吐かせないこと。
口をすすぐこと。

予想される急性症状及び遅発性症状

眼 : 発赤、痛み。
皮膚 : 発赤。
吸入 : 咳、息切れ、咽頭痛。症状は遅れて現われることがある。

最も重要な兆候及び症状

大量の短期ばく露により生ずる急性肺炎の症状は3日経過するまで現われない。

応急措置をする者の保護

データなし

医師に対する特別注意事項

データなし

5. 火災時の措置

消火剤

水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類

使ってはならない消火剤

棒状放水

特有の危険有害性

消火水は汚染を引き起こすおそれがある。
不燃性であり、それ自身は燃えないが、加熱されると分解して、腐食性及び/又は毒性の煙霧を発生するおそれがある。

特有の消火方法

消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。
移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。

消火を行う者の保護

適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具および緊急措置

密閉された場所に立入る前に換気する。
関係者以外の立入りを禁止する。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
作業者は適切な保護具(『8.ばく露防止措置及び保護措置』の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。

環境に対する注意事項

環境中に放出してはならない。

回収・中和

漏洩物を掃き集めて密閉できる空容器に回収し、後で廃棄処理する。

封じ込め及び浄化方法・機材

水で湿らせ、空気中のダストを減らし分散を防ぐ。

二次災害の防止策

プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項
排気用の換気を行うこと。
眼に入れないこと。
皮膚と接触しないこと。
飲み込みを避けること。
粉じん、ヒューム、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
使用前に使用説明書を入手すること。
接触回避
データなし

保管

技術的対策
特別に技術的対策は必要としない。
混触危険物質
データなし
保管条件
施錠して保管すること。
容器を密閉して保管すること。
容器包装材料
データなし

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

0.002mg/m3(Beとして)

許容濃度(ばく露限界値、生物学的ばく露指標)

日本産衛学会(2007年版)
0.002mg/m3(Beとして)
ACGIH(2007年版)
TWA (0.002 mg/m3) (Beとして) STEL (0.01 mg/m3) (Beとして)

設備対策

ばく露を防止するため、装置の密閉化又は局所排気装置を設置すること。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。

保護具

呼吸器の保護具
適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具
適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具
適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具
適切な保護衣を着用すること。

衛生対策

取扱い後はよく手を洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体(結晶)
白色
臭い
データなし
pH
データなし

融点・凝固点

2530℃ : NITE総合検索 (Access on Aug. 2008)

沸点、初留点及び沸騰範囲

約3000℃ : NITE総合検索 (Access on Aug. 2008)

引火点

データなし

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

不燃性 : ICSC (2004)

爆発範囲

データなし

蒸気圧

データなし

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

3.01 : NITE総合検索 (Access on Aug. 2008)

溶解度

0.02mg/L (30℃) : NITE総合検索 (Access on Aug. 2008)
水に不溶 (20℃): ICSC (2004)

オクタノール・水分配係数

データなし

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

安定性

法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる

危険有害反応可能性

データなし

避けるべき条件

加熱、粉じんの拡散

混触危険物質

データなし

危険有害な分解生成物

加熱すると、有毒なヒュームを生じる。

11. 有害性情報

急性毒性

経口
データなし
経皮
データなし
吸入
吸入(粉じん):   データなし
吸入(蒸気):   データなし
吸入(ガス):   GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。

皮膚腐食性・刺激性

HSDB (2006) のヒト疫学事例に「皮膚と眼にやけどを起こす」とあり、ICSC (2000) に「発赤」とあることから、皮膚に刺激性を示すと考えられ、区分2とした。

眼に対する重篤な損傷・刺激性

HSDB (2006) のヒト疫学事例に「皮膚と眼にやけどを起こす」とあり、ICSC (2000) に「発赤、痛み」とあることから、眼に刺激性を示すと考えられ、区分2Aとした。

呼吸器感作性又は皮膚感作性

呼吸器感作性:データなし 皮膚感作性:データなし

生殖細胞変異原性

データ不足 (in vivoデータなし) のため分類できない。 なお、ベリリウム化合物の生殖変異原性については、ID487、硫酸ベリリウム、CAS:7787-56-6も参照のこと。

発がん性

NTP (2005) でK (Beryllium (CAS 7440-41-7) and Beryllium Compounds)、IARC (1993) で1 (BERYLLIUM AND BERYLLIUM COMPOUNDS) に分類されていることから、区分1Aとした。

生殖毒性

ATSDR (2002)、CICAD 32 (2001)の記述から、親動物の一般毒性についての記述はないが、胎児に奇形や死亡がみられていることによる。

12. 環境影響情報

水生環境急性有害性

データがなく分類できない。

水生環境慢性有害性

データがなく分類できない。

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。

汚染容器及び包装

空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。

14. 輸送上の注意

国際規制

海上規制情報
IMOの規制に従う。
航空規制情報
ICAO/IATAの規制に従う。
UNNo.
1566
ProperShippingName.
Beryllium compound, n.o.s.
Class
6.1

国内規制

陸上規制情報
該当しない
海上規制情報
船舶安全法の規制に従う。
航空規制情報
航空法の規制に従う。

特別安全対策

重量物を上積みしない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

緊急時応急措置指針番号

154

15. 適用法令

労働安全衛生法

特定化学物質特別管理物質(特定化学物質等障害予防規則第38条3)
名称等を表示すべき危険物及び有害物(法57条1、法56条1項のもの、令17条・別表第3)(政令番号:1-6)
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、法第56条第1項、政令第17条別表第3)(政令番号:1-6)
製造許可が必要な物質(政令第17条別表第3) (政令番号:1-6)
作業環境評価基準(法第65条の2第1項) (政令番号:27)
特定化学物質第1類物質(特定化学物質等障害予防規則第2条1項第1号) (政令番号:6)

大気汚染防止法

優先取組物質 (中央環境審議会答申)(政令番号:190)

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

第1種指定化学物質、特定第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1、施行令第4条)(政令番号:1-294)

船舶安全法

毒物類・毒物

航空法

毒物類・毒物

港則法

毒物類・毒物

労働基準法

疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条・別表第1の2第4号1・昭53労告36号)

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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