急性毒性
経口
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、ラットのLDLo値として、1,200 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) の報告があり、区分4以上が示唆されるが、このデータのみでは分類できない。
経皮
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、インジウム及びその化合物は皮膚刺激性を示すとの記載 (HSDB (Access on June 2016)) があるが、出典がList 3相当の情報源であり、原著が確認できなかったため採用しなかった。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
GHS分類: 区分2A 可溶性インジウムは眼に対して重度の刺激性を示すとの記載 (ACGIH (7th, 2001)) から区分2Aとした。
呼吸器感作性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
生殖細胞変異原性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
発がん性
GHS分類: 分類できない 本物質自体の発がん性に関する情報はなく、データ不足のため分類できない。 なお、酸化インジウム (CAS番号 1312-43-2) の本項に記載した通り、関連化合物の既存分類結果として、IARCがリン化インジウムに対しグループ2Aに (IARC 86 (2006))、日本産衛学会が難溶性の無機インジウム化合物に対し2Aに分類している (許容濃度の勧告 (2015)) が、本物質は可溶性化合物であり、既存分類結果を準用できない。
生殖毒性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。ヒトでは硫酸インジウムでの単回ばく露の例は報告されていない。実験動物では、ウサギでの経口投与のLDLo値は1,300 mg/kgであり、消化管からの吸収により、痙攣性麻痺、消化管の壊死性変性、間質性腎炎が起こる。ラットでの経口投与のLDLo値は1,200 mg/kgで、胃の潰瘍または出血、及び消化管の壊死が起こると報告されている (以上はPATTY (6th, 2012) による)。しかしながら投与量の情報が区分の判定には不十分である。なお、環境省リスク評価第11巻 (2013) にインジウムは気道を刺激するとの記載があるが、出典はICSCであり、原典が確認できない。また金属インジウムのみに関する記載かあるいはインジウム化合物一般に関する記載かが明確でない。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
GHS分類: 分類できない 本物質に関する情報はない。 なお、本物質と同様、可溶性インジウムである塩化インジウム (Ⅲ) (CAS番号 10025-82-8) では、ラットを用いた混餌による3ヵ月間反復投与毒性試験で1,200 及び2,000 mg/kg/dayで体重増加抑制がみられたとの報告 (PATTY (6th, 2012)、環境省リスク評価第11巻 (2013)) があるが、吸入経路でのデータはない。しかし、単回ばく露であるが、ラットを用い塩化インジウム (Ⅲ) のエアロゾルに1時間吸入ばく露した試験 (用量:0.2, 2.0, 20 mg/m3) において、ばく露7日後の肺障害と比例して拘束性肺病変とアセチルコリンに対する気道感受性の亢進が観察され、さらに42日後の肺コラーゲン濃度は、ばく露濃度に依存して増加していた。この結果は、塩化インジウム (Ⅲ) のばく露が急性の肺炎症の原因であることを示しているとの報告がある (産衛誌49巻 (2007)、環境省リスク評価第11巻 (2013))。同じく可溶性インジウムである硝酸インジウム (Ⅲ) (CAS番号 137770-61-1) では、ウサギを用いた経口経路での (頻度不明) 20週間試験において、21,920 mg/kgで、び漫性肝細胞壊死、脾臓重量変化、血液変化の報告がある (PATTY (6th, 2012)) が詳細不明であり、また吸入経路でのデータはない。 以上のように、本物質の情報はなく、本物質と同様の可溶性インジウムについての情報も十分ではない。したがって、データ不足で分類できないとした。
吸引性呼吸器有害性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。