急性毒性
経口
【分類根拠】 (1) より、区分に該当しない。
【根拠データ】 (1) ラットのLD50: > 10,000 mg/kg (SIDS (2006))
経皮
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: ガス
【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】 (1) 、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) OECD TG 404に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で非刺激性 (Not irritating) と判定されている (SIDS (2006)、REACH登録情報 (Access on September 2019))。 (2) 本物質は皮膚刺激性を示さず、眼に対して軽度の刺激性を示す。また、感作性はほとんどない (SIDS (2006))。
【参考データ等】 (3) 61人のボランティアのうち、1人に刺激性を認めたのみと報告されているが、妥当性の検証は行われていない (SIDS (2006))。 (4) 本物質の10%液はヒトのパッチテストで19人のボランティアのうち、1人に軽度刺激性を認めた (SIDS (2006)、ATSDR (2012)。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2Bとした。
【根拠データ】 (1) OECD TG 405に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験で軽度刺激性と判定されており、全ての所見は7日後以内に回復した (SIDS (2006)、REACH登録情報 (Access on September 2019))。 (2) 本物質は皮膚刺激性を示さず、眼に対して軽度の刺激性を示す。また、感作性はほとんどない (SIDS (2006))。
呼吸器感作性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】 (1) 、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) のOECD TG 406において、皮膚反応は認められず陰性と結論されている (REACH登録情報 (Accessed on September、2019))。 (2) 本物質は皮膚刺激性を示さず,眼に対して軽度の刺激性を示す。また、感作性はほとんどない (SIDS (2006))。
【参考データ等】 (3) 61人のボランティアによるhuman repeated insult skin sensitisation test において、1人に刺激性を認めたのみと報告されているが、妥当性の検証は行われていない (SIDS (2006)、REACH登録情報 (Accessed on September (2019))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】 本物質のin vivoデータはないものの、証拠の重み付け (WoE) に基づき、(1) より、本物質はガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。
【根拠データ】 (1) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性の報告がある (SIDS (2006)、食品安全委員会 添加物評価書 (2013)_硫酸カリウム)。食品安全委員会による評価では、硫酸のカリウム塩を被験物質とした試験においていずれも陰性の結果が得られていることから、総合的な判断として、添加物「硫酸カリウム (CAS番号 7778-80-5)」は生体にとって特段問題となる遺伝毒性はないと結論付けられている。
発がん性
【分類根拠】 テータ不足のため分類できない。
生殖毒性
【分類根拠】 (1)、(2) のように発生影響についてわずかな情報が得られたのみで、性機能・生殖能に関するデータがないことからデータ不足で分類できないとした。
【参考データ等】 (1) 雌マウスの妊娠8~12日に極めて大用量 (2,800 mg/kg/day) を強制経口投与した発生毒性試験において、母動物に異常はみられず、催奇形性等はみられていない。なお、児動物に生後1日での体重の高値がみられたが生後3日には差はみられていない (SIDS (2006))。 (2) 雌マウスの妊娠8日あるいは9日に1用量 (60 mg/kg) を単回皮下注射した発生毒性試験において、母動物に体重増加がみられ、胎児に骨化遅延がみられた (SIDS (2006))。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)
【分類根拠】 (1) より、区分1 (消化管) とした。
【根拠データ】 (1) ヒトにおいて医療目的で緩下剤として約300 mg/kg、最大限20 gの用量で経口投与により使用されたが、激しい下痢と腹部疝痛を生じるために、使用されなくなりつつある (SIDS (2006))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)
【分類根拠】 (1)、(2) より、吸入及び経口経路について区分に該当しない。
【根拠データ】 (1) 本物質の粉じんに2ヵ月~31年間ばく露された男性作業者119名を対象とした横断研究において、全例の尿中から本物質が2.2 g/Lを超える濃度で検出され、30%の作業者で3 g/dayを超える無機硫酸塩排泄がみられた。作業者への粉じんばく露で唯一みられた症状は鼻の刺激と鼻水であった (SIDS (2006))。 (2) 雄ラットを用いた4週間混餌投与試験で、最高用量の約2,000 mg/kg/dayまで毒性影響はみられなかった (SIDS (2006))。
誤えん有害性*
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。