急性毒性
経口
ラットLD50値について >8,000 mg/kg (EHC 64 (1986),EPA RED(2005),HSDB(2003),農薬安全情報(1992)(試験機関:シェーリング社))、>12,800 mg/kg(農薬安全情報(1992)(試験機関:北海道立衛生研究所))と全て区分外に該当しており、ラットLD0値 12800 mg/kg(IUCLID(2000))というデータもあるため、区分外とした。
経皮
ラット及びウサギ LD50値 >4000 mg/kg (EHC 64 (1986),EPA RED(2005))、ラット LD50値 >2,500 mg/kg (農薬安全情報(1992))であり、区分外(国連分類で区分5又は区分外)とした。
吸入
吸入(粉じん): ラットLC0値 7mg/kg(IUCLID(2000))であり、区分5又は区分外と考えられるが、他のデータがなく分類できない。
吸入(蒸気): データなし
吸入(ガス): GHSの定義における固体である。
皮膚腐食性・刺激性
EPA RED(2005)、IUCLID(2000)(OECD TG 404 GLP)及び農薬安全情報(1992)でのウサギを用いた試験において皮膚刺激性が認められなかったとの記述があり、区分外とした。
眼に対する重篤な損傷・刺激性
EPA RED(2005)及び農薬安全情報(1992)には、刺激性なしとの記述が認められるが、IUCLID(2000)記載のウサギを用いた試験(OECD TG 405 GLP)において「わずかに刺激性あり(グレード1)、点眼後全ての動物の結膜に発赤がみられたが、24時間後までには回復した。(Slightly irritating. Grade 1 cojunctival redness in all animals 1 hour post instillation. All eyes normal by 24 hours.)」という記述があり、分類できないとした。
呼吸器感作性又は皮膚感作性
皮膚感作性:IUCLID(2000)(OECDTG406GLP)でのモルモットを用いた試験において感作性は認めらなかったとの記述がある。また、製剤ではあるが、ヒトでの長期間(8,9年)使用後の皮膚感作性によると考えられる2症例の報告[HSDB(2003)]もあるが、EPARED(2005)(MaximizationTest)[農業安全情報(1992)と同一文献]でのモルモットを用いた製剤(13%乳剤)での試験(MaximizationTest)においては感作性なしとの記述もある。以上のことから原体について皮膚感作性を否定できるに十分な根拠はないと考えられるので分類できないとした。
呼吸器感作性:データなし
生殖細胞変異原性
in vivo 変異原性試験(マウスの骨髄を用いた小核試験)(IUCLID(2000))で陰性のため区分外とした。in vitro 試験においてAmes試験の一部で陽性の結果(NTB DB(access on 12.2008))がある。
発がん性
ラット、マウスを用いた混餌試験(IUCLID(2000))、ラット及びイヌを用いた混餌試験(HSDB(2003))でいずれも陰性のため区分外とした。
生殖毒性
IRIS(2003)、IUCLID(2000)及び農薬安全情報(1992)のラットにおける3世代試験において明確な生殖毒性が認められなかったとの記述から、区分外とした。
また、IUCLID(2000)のラット及びウサギでの試験(OECD TG414 GLP)において最高投与量群(1350mg/kg及び1000mg/kg)で摂餌量の減少はみられたが、胎仔への発育に影響が認められなかった。農薬安全情報(1992)のウサギでの試験において胎仔には催奇形性を及ぼさないとの試験結果もある。