安全データシート

2-フェニル-4-クロロ-5-アミノピリダジン-3(2H)-オン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 2-フェニル-4-クロロ-5-アミノピリダジン-3(2H)-オン
  • CB番号: CB7370108
  • CAS: 1698-60-8
  • 同義語: クロリダゾン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 除草剤。テンサイ畑の一年生広葉雑草の防除に用いられる。
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H21.3.27、政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)を使用
物理化学的危険性
火薬類   分類対象外
可燃性・引火性ガス   分類対象外
可燃性・引火性エアゾール   分類対象外
支燃性・酸化性ガス類   分類対象外
高圧ガス   分類対象外
引火性液体   分類対象外
可燃性固体   分類できない
自己反応性化学品   分類対象外
自然発火性液体   分類対象外
自然発火性固体   分類できない
自己発熱性化学品   分類できない
水反応可燃性化学品   分類対象外
酸化性液体   分類対象外
酸化性固体   分類対象外
有機過酸化物   分類対象外
金属腐食性物質   分類できない
健康に対する有害性
吸引性呼吸器有害性   分類できない
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   分類できない
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   分類できない
生殖毒性   区分外
発がん性   区分外
生殖細胞変異原性   区分外
皮膚感作性   区分外
呼吸器感作性   分類できない
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分外
皮膚腐食性・刺激性   分類できない
急性毒性(吸入:ミスト)   分類対象外
急性毒性(吸入:粉じん)   区分外
急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない
急性毒性(吸入:ガス)   分類対象外
急性毒性(経皮)   区分外
急性毒性(経口)   区分外
環境に対する有害性
水生環境慢性有害性   区分1
水生環境急性有害性   区分1

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS07GHS09
注意喚起語
警告
危険有害性情報
飲み込むと有害
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
水生生物に非常に強い毒性
長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性
注意書き
[安全対策]
粉じん、煙、ミスト、蒸気、スプレーの吸入を避けること。
環境への放出を避けること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:気分が悪い時は、医師に連絡すること。口をすすぐこと。
皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。皮膚刺激または発疹が生じ
た場合:医師の診断、手当てを受けること。汚染された衣類を脱ぐこと。そし
て再使用する場合には洗濯をすること。
漏出物を回収すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : クロリダゾン
  • 濃度又は濃度範囲: : >98.0%(GC)
  • CAS RN: : 1698-60-8
  • 別名 : 5-Amino-4-chloro-2-phenylpyridazin-3(2H)-one , Pyrazon
  • 化学式: : C10H8ClN3O
  • 官報公示整理番号 化審法: : 該当なし

4. 応急措置

吸入した場合:

は、医師の診断、手当てを受けること。
空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。気分が悪い時

皮膚に付着した場合:

こと。
洗うこと。皮膚刺激または発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受ける
直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で

目に入った場合:

て洗うこと。眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。
水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し

飲み込んだ場合:

気分が悪い時は、医師に連絡すること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

る。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
個人用保護具を着用する。

環境に対する注意事項:

環境への悪影響が懸念されるため、河川等へ排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。
粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷蔵庫に保管する。不活性ガスを充填する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
避けるべき保管条件:
熱, 空気
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

作業者が直接暴露されないように、できるだけ密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵マスク、簡易防塵マスク等。
手の保護具:
保護手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体
淡黄色~褐色
臭い
無臭
pH
データなし

融点・凝固点

205℃ : Lide (88th, 2008)

沸点、初留点及び沸騰範囲

データなし

引火点

データなし

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

4.50x10^-7mmHg (20℃) : HSDB (2007)

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

1.54g/cm3 (20℃) : HSDB (2007)

溶解度

メタノール : 34g/kg、アセトン : 28g/kg、エチルアセテート6g/kg : HODOC (3rd, 1997)
水 : 50~500mg/L (20℃) : Ullmanns (6th, 2003)

オクタノール・水分配係数

log P=1.19 (pH 7) : PM (14th, 2006)

分解温度

205~206℃ : Lide (88th, 2008)

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

一酸化炭素, 二酸化炭素, 窒素酸化物, 塩化水素

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットにおけるLD50値 647, 1210, 1000-1470, 1459, 3000, 3030, 3400, 3600, 4200, mg/kg bw(IUCLID (2000))であり、区分4が4例、区分外が5例である。以上の結果から、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)とした。
経皮
ラットにおけるLD50値 >2500, >5000mg/kg およびウサギにおけるLD50値 >4000mg/kg (IUCLID (2000)) に基づき、区分外(国連分類基準は区分5または区分外)とした。
吸入
吸入(粉じん):   ラットのLC50値>30.8mg/L/4h (IUCLID (2000)) は、飽和蒸気圧濃度0.598mg/L以上でありミストである。以上の結果から区分外とした。
吸入(蒸気):   ラットのLC50値>0.15 mg/L/4hおよび>0.25mg/L/4h (IUCLID (2000)) は、飽和蒸気圧濃度0.598mg/L以下で蒸気である。0.25mg/Lは製剤濃度であり本物質0.16mg/Lに相当する。以上、>0.15mg/L(換算値17ppm)および>0.16mg/L(換算値18ppm)からは区分が特定できず分類できないとした。
吸入(ガス):   固体である。

皮膚腐食性・刺激性

ウサギにおいて、評価結果「刺激性なし」が3例、「僅かな刺激性(slightly irritaing)」が4例認められた(IUCLID (2000))。その他に詳細な情報が得られず、データ不足で分類できないとした。

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ウサギにおいて、評価結果「刺激性なし」が4例あり、「僅かな刺激性(slightly irritating)」が1例である(IUCLID (2000))。刺激性の認められなかったウサギ2試験のおいては、1および24時間後に発赤が見られたが8日後には回復、または6日目に僅かな角膜充血が見られ4から5日後には回復と記述がある。症状は軽微であり、評価結果「刺激性なし」であることから区分外とした。

呼吸器感作性又は皮膚感作性

皮膚感作性:モルモット(Maximization試験:OECD406, GLP対応)において、評価結果「感作性なし」であり(IUCLID (2000))、ヒトのパッチテストにおいてもアレルギー性は確認されていない(IUCLID (2000))ため、区分外とした。なお、EUにてR43(区分1相当)に分類されている(EU-AnnexⅠ (access on 12. 2008))。
呼吸器感作性:データなし

生殖細胞変異原性

マウスを用いたin vivo試験(優性致死、小核試験)で陰性である(IUCLID (2000))ことから、区分外とした。In vitroでは、エームス試験、不定期DNA合成試験で陰性結果が得られている。

発がん性

ラット(SD)を用いた103-109週間経口投与試験(150-4050ppm)およびマウス(CFLP)を用いた81-96週間経口投与試験(160-20000ppm)(IUCLID (2000))、マウス(B6C3F1/CrlBr)を用いた混餌試験(0-5000ppm)およびラット混餌試験(0-1000ppm)において、発がん性は認められていない(IUCLID (2000))ことから区分外とした。

生殖毒性

ラットによる3世代試験(150-1350ppm)にて、生殖毒性(交尾、妊娠率、妊娠期間、litter parameters)および催奇形性は認められない(IUCLID (2000))。ラット(OECD414, GLP対応: 0-250mg/kg bw)およびウサギ(OECD414, GLP対応: 55-495mg/kg bw)の催奇形性試験では、母獣毒性の見られる用量群で催奇形性、胚毒性および胎児毒性は認められない(IUCLID (2000))。その他、マウス(FDAガイドライン, 5000-10000ppm)(IUCLID (2000)およびラット(0-1600ppm)(HSDB (2007))においても、生殖毒性および発生毒性がみとめられていないことから区分外とした。

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

ラット、マウス、ネコ、モルモットを用いた強制経口投与(intragastrical)試験において、2-4 ml(比重換算値3.08-6.16mg (PM (14th, 2006))投与群で、反射興奮性、運動障害、強直性痙攣、低血圧、体温低下が見られるが(IUCLID (2000))、固体物質で投与量が容積で記載されていること、体重あたりの用量が得られないこと、また得られた情報は、この強制経口投与試験の1データのみで分類できないとした。

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

ラットを用いた35日間混餌試験(300-19200ppm、90日換算 9.7-622 mg/kg bw)において、全投与群で肝臓絶対および相対重量の増加、臨床化学項目(グルコース減少、ビリルビン増加など)の影響しかみられなかった(IUCLID (2000))。また、イヌを用いた3ヶ月間混餌試験(100-10000ppm, 2.4-326.6mg/kg)においても臓器重量と臨床化学項目の変化が326.6mg/kgだけにみられたことから(IUCLID (2000))が区分外(経口)に相当するが、他経路の情報がなく分類できないとした。

吸引性呼吸器有害性

データなし

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし

生体蓄積性(BCF):

2 - 23

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
1.14
土壌吸着係数(Koc):
33 - 380
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
3.3 x 10-5

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
却炉で焼却する。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
地方条例や国内規制に従う。
適切な保護具を着用する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

3077

品名(国連輸送名):

Environmentally hazardous substance, solid, n.o.s.

国連分類:

クラス9(その他の有害物件)

容器等級:

海洋汚染物質:

Y

輸送の特定の安全対策及び条件:

積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。
運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように

15. 適用法令

船舶安全法

有害性物質

航空法

その他の有害物件

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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