安全データシート

パラ-オクチルフェノール

改訂日:2024-01-29版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: パラ-オクチルフェノール
  • CB番号: CB2240448
  • CAS: 1806-26-4
  • 同義語: パラ-オクチルフェノール

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 油溶性フェノール樹脂・界面活性剤原料
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
GHS改訂4版を使用
平成24年。政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)を使用
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分4
環境に対する有害性
水生環境有害性 (急性):H18.3.31、H24年度の分類は実施中のため、H18年度の分類を記載(GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用)。 水生環境有害性 (長期間):H18.3.31、H24年度の分類は実施中のため、H18年度の分類を記載(GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用)。
<環境分類実施日に関する情報>
オゾン層への有害性   分類実施中
水生環境有害性 (長期間)   区分1
水生環境有害性 (急性)   区分1

GHSラベル要素

絵表示
GHS07
注意喚起語
警告
危険有害性情報
長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性
水生生物に非常に強い毒性
飲み込むと有害
注意書き
安全対策
環境への放出を避けること。   この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱後は手などをよく洗うこと。
応急措置
漏出物を回収すること。   口をすすぐこと。
口をすすぐこと。
飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
保管
-
廃棄
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
他の危険有害性
粉塵の発生を避ける。微粉末の場合は粉塵爆発の可能性も考えられるので、多量の取り扱いには注意する。

3. 組成及び成分情報

  • 単一製品・混合物の区別: 単一製品
  • 化学名又は一般名: パラ-オクチルフェノール
  • 別名: 4-オクタン-1-イルフェノール、4-オクチルフェノール、p-n-オクチルフェノール、4‐n‐オクチルフェノール、4-Octan-1-ylphenol、4-Octylphenol、p-n-Octylphenol、4‐n‐Octylphenol
  • 濃度又は濃度範囲: 100%
  • 分子式 (分子量): C14H22O(206.32)
  • CAS番号: 1806-26-4
  • 官報公示整理番号(化審法): (3)-503
  • 官報公示整理番号(安衛法): (3)-503
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし。

4. 応急措置

吸入した場合

人工呼吸が必要なことがある。
半座位。
新鮮な空気、安静。
気分が悪いときは医師に連絡すること。

皮膚に付着した場合

汚染された衣服を脱がせる。
皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
医療機関に連絡する。
多量の水と石けんで洗うこと。

眼に入った場合

水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。

飲み込んだ場合

多量の水を飲ませる。
吐かせない。
口をすすぐこと。
気分が悪いときは医師に連絡すること。   飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。

急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

経口摂取 :腹痛、灼熱感、ショック/虚脱。経口摂取すると、腐食性を示す。
眼 :発赤、痛み、重度の熱傷。眼に対して腐食性を示す。
皮膚 :発赤、痛み、皮膚熱傷。皮膚に対して腐食性を示す。
吸入 :灼熱感、咳、咽頭痛、息苦しさ、息切れ。気道に対して腐食性を示す。

応急措置をする者の保護

データなし。

医師に対する特別な注意事項

データなし。

5. 火災時の措置

消火剤

粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素、砂

使ってはならない消火剤

情報なし。

特有の危険有害性

可燃性である。   可燃性である。火災時に刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。
燃焼ガスには、一酸化炭素などの有毒ガスが含まれるので、消火作業の際には、煙の吸入を避ける。

特有の消火方法

関係者以外は安全な場所に退去させる。
火災発生場所の周辺に関係者以外の立入りを禁止する。
周辺火災の場合に移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。
消火作業は、風上から行う。

消火を行う者の保護

消火作業では、適切な保護具(手袋、眼鏡、マスク等)を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置

必要に応じた換気を確保する。
多量の場合、人を安全な場所に退避させる。
作業には、必ず保護具(手袋・眼鏡・マスクなど)を着用する。

環境に対する注意事項

この物質を環境中に放出してはならない。   ・この物質を環境中に放出してはならない。
漏出物を回収すること。   口をすすぐこと。
漏出物を河川や下水に直接流してはいけない。

封じ込め及び浄化の方法及び機材

火花を発生しない安全な用具を使用する。
漏出物の上をむやみに歩かない。
床に漏れた状態で放置すると、滑り易くスリップ事故の原因となるため注意する。
付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。
微粉末の場合は、機器類を防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。
こぼれた物質をふた付プラスチック容器内に掃き入れる;湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れ、多量の水で洗い流す。   ・こぼれた物質をふた付プラスチック容器内に掃き入れる;湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れ、多量の水で洗い流す。
粉塵が飛散しないようにして取り除く。
粉末の場合は、電気掃除機(真空クリーナー)、ほうきなどを使用して回収する。
漏出したものをすくいとり、または掃き集めて紙袋またはドラムなどに回収する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。
安全取扱い注意事項
20℃で気化したとき、空気中で有害濃度に達する速度は不明である。
安全ゴーグル
保護手袋、保護衣
局所排気または呼吸用保護具。
粉塵の拡散を防ぐ!
裸火禁止
火気注意   作業中は飲食、喫煙をしない。
環境への放出を避けること。   この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱後は手などをよく洗うこと。
接触回避
還元剤
裸火
衛生対策
取扱い後は手などをよく洗うこと。

保管

安全な保管条件
排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。   ・排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。
強力な還元剤から離しておく。   ・強力な還元剤から離しておく。
火気注意
換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。   P403+P235:換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
安全な容器包装材料
データなし。

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

未設定

許容濃度

日本産衛学会(2012年度版)
未設定

許容濃度

ACGIH(2012年版)
未設定

設備対策

機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。
取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。
蒸気、ヒューム、ミストまたは粉塵が発生する場合は、局所排気装置を設置する。   蒸気、ヒューム、ミストまたは粉塵が発生する場合は、局所排気装置を設置する。(規定句を置き換える)

保護具

呼吸用保護具
個人用保護具:有害粒子用P2フィルター付マスク
呼吸用保護具を着用すること。
手の保護具
保護手袋を着用すること。
眼の保護具
安全ゴーグルを着用すること。
皮膚及び身体の保護具
保護衣を着用すること。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体(結晶)(ICSC(J) (2005))
白色(ICSC(J) (2005))
臭い
データなし。
臭いのしきい(閾)値
データなし。
pH
データなし。

融点・凝固点

43℃(CRC (91st, 2010))

沸点、初留点及び沸騰範囲

280℃(ICSC (2005))

引火点

113℃(CC)(ICSC (2005))

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし。

燃焼性(固体、気体)

データなし。

燃焼又は爆発範囲

データなし。

蒸気圧

0.000098 mmHg(25℃)(EnviChem (Access on May. 2012))

蒸気密度

7.1(空気 = 1)(ICSC (2005))

密度

0.96g/cm3(ICSC (2005))

溶解度

水:3.114mg/L (25℃, 推定値)(EnviChem (Access on May. 2012)

n-オクタノール/水分配係数

log Pow;1.4(実測値)、5.28(計算値)(CERIハザードデータ集 (2001))

自然発火温度

データなし。

分解温度

データなし。

粘度(粘性率)

データなし。

10. 安定性及び反応性

反応性

還元剤と反応する。
燃焼すると分解し、有毒なヒュームを生じる。

化学的安定性

法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる。

危険有害反応可能性

還元剤と反応する。
燃焼すると分解し、有毒なヒュームを生じる。

避けるべき条件

裸火、粉じんの拡散

混触危険物質

還元剤

危険有害な分解生成物

情報なし。

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値は1200 mg/kg(USEPA/HPV (2001))に基づき、区分4とした。GHS分類:区分4
経皮
データなし。GHS分類:分類できない
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外
吸入:蒸気
データなし。GHS分類:分類できない
吸入:粉じん及びミスト
データなし。GHS分類:分類できない

皮膚腐食性及び刺激性

オクチルフェノール類の皮膚適用によって壊死が生ずる(HSDB (2002))との記述があるが、ばく露条件など詳細不明であり分類できないとした。GHS分類:分類できない

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

データ不足。なお、本物質は「眼、皮膚、気道に対して腐食性を示す。」眼に対する影響として、「発赤、痛み、重度の熱傷」を起こすとの情報(ICSC(J) (2005))がある。GHS分類:分類できない

呼吸器感作性

データなし。GHS分類:分類できない

皮膚感作性

データなし。GHS分類:分類できない

生殖細胞変異原性

データなし。GHS分類:分類できない

発がん性

データなし。GHS分類:分類できない

生殖毒性

データ不足。なお、ラットの妊娠0~8日目に、本物質の異性体である4-tert-オクチルフェノールを経口投与により、31.3 mg/kg以上の用量で着床後胚損失率が対照群より有意に高かったが、外表奇形の増加は見られなかった(Teratogenic (12th, 2007))との報告、また、ラットの出生後1~5日目に本物質を経口投与後、交配または受胎の機能および生殖器官の発達に異常は観察されなかった(Teratogenic (12th, 2007))との報告がある。GHS分類:分類できない

12. 環境影響情報

生態毒性

水生環境有害性(急性)
魚類(ヒメダカ)の96時間LC50=0.0878mg/L(CERIハザードデータ集、2002)から、区分1とした。(H18.3.31、H24年度の分類は実施中)
水生環境有害性(長期間)
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いものの(BCF=469(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。(H18.3.31、H24年度の分類は実施中)

オゾン層への有害性

分類実施中

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。

汚染容器及び包装

空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。

14. 輸送上の注意

国際規制

国連番号
2430
国連品名
アルキルフェノール類(固体)(アルキル基の炭素数が2から12までのもの)
国連危険有害性クラス
8
容器等級
海洋汚染物質
該当する。

国内規制

海上規制情報
船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報
航空法の規定に従う。
陸上規制情報
該当しない。

特別安全対策

重量物を上積みしない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

緊急時応急措置指針番号

153

15. 適用法令

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

第1種指定化学物質

船舶安全法

腐食性物質

航空法

腐食性物質

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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